短編官能小説『立ちバック』

 バックから女性を犯す。
 男性なら、誰もが一度はやってみたいと思うだろう。
 僕はバックが好きだ。なんというか、セックスをしているという感じになる。
 しかし、今まで僕が付き合ってきた女性は、皆バックが嫌いだった。
 その理由を聞くと、獣っぽくて何となく嫌というのが答えだった。
 確かに、バックは獣のようなスタイルだ。犬の交尾を見てみると、必ずバックのスタイルとなっている。つまり、セックスというよりも、交尾をしているという感覚が強いのかもしれない。僕の付き合ってきた彼女たちが嫌がる理由も何となくよくわかる。
 だけど、僕はバックが好きなのだ。だから、セックスでバックを求める。しかし、嫌がられる。結果、嫌われて別れる。その繰り返しだった。
 もちろん、バックを強引にするから別れたわけではない、きっと、僕に何か問題があったのだろう。だけど仕方ない。

 彼女がいなくなると、当然性処理はオナニーが中心になる。
 もちろん、彼女がいた時もオナニーはしていたから、特に問題があるわけではなかったのだけれど、やはりオナニーではなく、人の肌が恋しい夜もある。そんな時はもう、風俗に頼るしかない。お金を払って女性とセックスする。それくらいしか選択肢がなかった。
 僕はそれほど、高給取りではないから、風俗にはそれほどお金をかけられない。精々月に一度か二度行く程度だ。それでも、風俗嬢は大抵バックが可能だ。バックからしたいと言って、断られた経験は今のところない。どんな体位でも受け入れてくれる。それが風俗の良さでありメリットであると言えるであろう。

 秋も深まった時分、僕はどうしようもない性欲に襲われ、風俗に向かった。
 人気店は予約が必要だったり、すぐに案内されなかったりするから、僕はあまり人気のないひっそりとしてお店を利用している。まぁ、こういうお店は、風俗嬢のレベルも低く、地雷を踏む可能性もあるのであるが、その辺は文句は言わない。僕はどちらかというと、守備範囲は広いし、過去、五十歳くらいのおばさんが出てきた時もスムーズに射精できたくらいなのだ。

 そんな中、僕は駅前の歓楽街の奥地にある風俗、「ひまわりクラブ」へ向かった。
  過去、何度か利用した店で、格安な割に風俗嬢のレベルも一定である。今日は平日だから、それほど混雑していないだろう。楽観的に考え、僕はお店の門をくぐった。
 ここはヘルスではなく、ソープだ。だから、受付で入浴料を払って、残りのサービス料を風俗嬢に払うという仕組みである。
 とりあえず自分の好みの女の子を指名して、番が来るまで待つ。
 待ち時間はそれほど長くなく、すぐに案内された。

 現れた風俗嬢は、背の小さい女の子で、全体的に痩せていた。胸も大きくなく、ほっそりとしたスタイルが魅力である。白のネグリジェのような衣装を着ており、僕を部屋まで案内してくれた。
「はじめましてリコです」
 と、風俗嬢は言った。どうやら、リコというらしい。
「うん、宜しく」
「じゃあシャワー浴びますから、ちょっと待ってください」
 なかなか手際が良く、僕はすぐに裸になりシャワーに案内される。
 そこで一通り洗ってもらい、ベッドに移る。
 シャワーを浴びる際にも手コキなどのサービスがあったが、僕は早くセックスがしたかったので断り、さっさとベッドに移った。
「あのさ、バックがしたいんだけど」
「わかりました」
 リコは特に嫌がる素振りを見せず、四つん這いになった。
 あまりにスムーズであるため、僕は少し面を食らう。
 リコのあそこにペニスを突き立て、腰をゆっくり動かす。リコはかなり経験が豊富なのか、あそこの締まりは緩く、何かあまり興奮しなかった。
(失敗だったかな)
 そう考えながら、僕はとりあえずセックスを続ける。
「お兄さん、ちょっと提案があります」
 不意にリコがそう言った。
「提案?」
「はい。立ちバックしたことありますか?」
「あんまりないかな」
「立ちバックでしてもらえますか? 私、そっちの方が興奮するんです」
 風俗嬢に指図され、何となくどうするか迷ったが、僕はその提案を飲んだ。
 一旦ペニスを引き抜き、リコを立たせた後、脚を大きく開かせて、ペニスを勢い良く挿入した。
「はぁん、大きいぃ」
 リコの声が漏れる。
 それはどこか演技じみたところがあったけれど、妙に興奮させる甘い声であった。
 立ちバックになると、少しテクニックが必要で、後ろから激しく突こうとすると、ペニスが引き抜けてしまう。途中で抜けないように注意しながら、僕は懸命に腰を動かす。
 パンパンパン
 リコと僕の皮膚がぶつかり合う。同時にびちょびちょという、やらしい音がこだまし、興奮を高めていく。
 ほとんど初めてである立ちバックは、僕を妙に興奮させた。バックよりも犯している感覚が強く、気のせいかも知れないが、リコのあそこの締まりもよくなったような気がする。
「はん、あん、も、もっと、もっと突いてください」
 僕は勢いよく腰を動かし、ペニスを突き立てる。
 どんどんと気持ちよくなっていき、やがて絶頂を迎える。
「もうイキそうだ。イってもいいかな?」
「イってください。最後はもっと強くぅ」
 限界まで腰を動かし、僕は昇天した。
 立ちバックという、新しい体位を経験し、僕は満足していた。
 気持ちよくイクことができ、僕はリコが気に入った。
「お兄さん、採ってもよかったです。またよかったら来てください。立ちバックで待っていますから」
 立ちバックもいいな。これからここに通うことになりそうだ。
 リコとの関係は風俗嬢と客である。だから、気負う必要はないし、自由に体位を試せる。今度また、立ちバックで犯してやろう。そう考えると、何となくやる気が湧いてくる。久しぶりに当たりの風俗を見つけ、僕は気持ちよく家路に就いた――。
〈了〉





Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください