連載官能小説『新たなる世界』第1回

連載官能小説『新たなる世界』第1回

北島聡子はA大学に通う真面目な学生である。

しかし、彼女には秘密があった。それは人知れず官能小説を読む趣味。

それも女性が好むようなBL小説ではなく、純粋に男性が楽しむための官能小説である。今日も大学の構内で人知れず官能小説を読んでいた聡子であったが、彼女はミスを犯した。休憩時間中に本を読み、そのまま教室にその本を机の上に忘れてしまったのである。

(あんな本を忘れてくるなんでどうかしてるわ)

と、彼女は自分のミスを呪った。

万が一、誰かに見つかってしまったら致命的である。自分は真面目な学生で通しているのだ。あんな汚らわしい小説を読んでいるわけないのである。

聡子が教室に戻ると、机の上に本が置いてあった。黒の革製のカバーがしてある。それは他でもない聡子の本であった。流石に、官能小説を巣の状態のまま読む勇気はない。それ故に、彼女はカバーをかけて読んでいるのである。

(よかった……置いてある。誰も持って行かなかったんだ)

そう思い、彼女はスッと本を手に取った。

すると、本の隙間からスルリと一枚の紙が滑り落ちた。

(あ、あれ、何だろう?)

栞ではない。よく見ると、少し大きめのポストイットくらいの大きさがある。聡子は地面に落ちた紙を拾い上げ、その紙を見つめる。そこには次のような文が書かれていた。

 

『新たな世界のトビラを開きませんか? あなたにお話があります。〇月〇日の午前4時に、3号館の裏側のスペースまで来てください』

 

一体何であろうか?

新しい世界とは果たしてどんな意味を持つのか?

このメモ書きは、確実に聡子に向かれて書かれたものであろう。

なぜなら、聡子はこの官能小説を新品で買ったし、メモ書きなど挟む余地はなかったのだから。恐らく、自分がこの本を置き忘れた時に、誰かがメモを残したのだ。さらに言えば、〇月〇日というのは明日のことである。

明日、3号館の裏のスペースで何かある。得体が知れないが、どこか興味を惹かれた。まるでミステリ小説を読んでいるような気分になるのだ。

 

翌日――。

講義が終わり、時刻は午後4時を迎えようとしている。

メモ紙に書かれた約束の時間まであと少し。

(どうしたらいいんだろう?)

聡子は行くべきか、それとも無視するべきか迷っていた。

恐らくだが、行ってもろくなことはないだろう。第一、この本にメモ紙を挟んだものは、本の内容を知っているはずである。つまり、これが官能小説であると見抜いているのである。その上で、聡子を呼び出しているのだから、行かないほうがいいだろう。

しかし、聡子は新たな世界というフレーズに心惹かれていた。大学生活も2年目、自分はもうすぐ20歳になる。そんな中、代わり映えのない生活に嫌気が差していたのも事実だ。

何か変えたくても、変え方がわからない、そんな日常を送っていたのである。

(行ってみよう。話を聞くだけだし、大丈夫だろう)

聡子は4時を前に3号館の裏のスペースへ向かった。

 

3号館という建物自体、あまり講義が行われないので、ひっそりとしている。特にその裏側のスペースともなれば、全く人はいなかった。

(誰もいない)

悪戯だったのか?

聡子は少し落胆した。そして、そのまま帰ろうと体を翻した時、前方に人影が見えた。

「やぁ。来てくれると思ったよ」

そう言ったのは、若い男性であった。

あまり見たことはないが、恐らくA大学の学生であろう。

黒のジャケットに、洗いざらしたデニム。ジャケットの下には白のすっきりとしたシャツを着用している。足元はスニーカーで、全体的に体の線は細い。髪型も短く整っていて、好青年という印象がある。顔もそれほど悪くない。イケメンと呼ばれる人種だろう。しかし、この人は一体?

「あ、あのあなたは?」

と、聡子はおずおずと尋ねた。

すると青年は答える。

「僕は杉崎隆。この大学の経済学部の2年。君と同じ学年だよ」

「そ、そうですか、それで私に何の用なんですか?」

「うん、メモ紙にも書いたけれど、新しい世界を見たいんじゃないかって思ってね」

「新しい世界?」

「そう。実はこれを用意した」

そう言うと、隆は背負っていたリュックからある袋を取り出した。

アパレルショップのビニール袋のようである。服でも入っているのだろうか?

同時に、その袋を聡子に渡す。

「これは?」

「開けてごらんよ」

言われるままに、聡子は中身を取り出した。

そこには黒のマイクロミニのスカートが入っていた。

聡子はスカートを穿くこともあるが、すべてロングのスカートである。女子高生時代も、ミニスカートは履かず、校則を守り長いスカートを穿いていたのだから。

「なんですかコレ?」

「君へプレゼント、明日、これを穿いて大学に来てほしい」

「そ、そんなこんなはしたない格好できません」

「いいのかい? もしも君がそれを穿かないと言うのなら、君が官能小説を読んでいることを、大学の人間に公表するよ。それでもいいの?」

「そ、それは」

「そんなに身構える必要はないの。ただそのスカートを穿いてくればいいんだ。それじゃ、明日楽しみにしているよ」

そう言い残すと、隆は静かに消えて行った。

残された聡子は途方に暮れて、青い空を見上げた。

 

翌日――

聡子は迷っていた。

マイクロミニのスカートを穿かなければ、自分の趣味がばらされてしまう。

大学で官能小説を読んでいることが知られれば、大学にはいづらくなってしまう。ならば、穿くしかないのか?

(一度だけだよね……)

結局、聡子はマイクロミニのスカートを穿き、大学に登校した。

聡子はミニのスカートなど持っていないので、それに合わせる服がなかなか見つからなかったが、シンプルマイクロミニのスカートにシンプルなタイプのTシャツを合わせ、その上に長袖のブルゾンを着た。

あまりのファッションの激変に、顔が沸騰するかと思った。

こんなに短いスカートは穿いたことが無いのである。それに、大学の生徒の目線がすべてこちらの向かっているような気がして、とにかく恥ずかしい。しかし、恥ずかしさと同時に、奇妙な感覚もある。何か刺激を求めている。そんな気がするのである。

大学へ行き、休憩中にベンチで休んでいると、そこに隆がやってきた。

「約束は守ってくれたみたいだね。いい子だ。でも、もっと刺激をプラスしようか?」

「刺激を? 何を言っているんですか?」

「そのスカートを穿いたまま、下着を脱いでご覧。きっともっといい刺激になるから」

「し、下着を? そ、そんな無理です。嫌です」

「なら君の秘密をばらすだけだ。構内の掲示板に匿名で君の秘密を掲示してやるけどいいの?」

あくまでも落ち着いている隆の口調であるが、冗談には聞こえない。恐らく、彼は本当に掲示するだろう。

「わ、わかりました。言うとおりにしますから、秘密はばらさないで下さい」

「いい子だね。じゃあ下着を脱いで、また3号館の裏に来てくれる? そこで確かめるから……」

そう言うと、隆は再び喧騒の中に消えて行った。

聡子はと言うと、言われるままにトイレに入り下着を脱ぎ、ノーパンになって3号館の裏に向かった。すると、既に隆が待っていた。

「ちゃんと脱いだか確認する。スカートを捲り上げてごらん」

「そ、そんなできません」

「やるんだ。秘密をばらされたくないだろう」

「そ、そんな。でも」

聡子が躊躇していると、隆はつかつかとスニーカーの踵を鳴らせ、聡子の前に立った。すると何を思ったのか、聡子のスカートを捲り上げた。

あまりの展開に聡子は叫びそうになった。しかし、それを隆が手でふさぐ。

口をふさがれ、さらに性器を丸出しにした聡子は、恥ずかしさで死にそうになった。

「よし、ちゃんとノーパンだな。それにしてもキレイなあそこだ」

聡子は体毛が薄く、陰毛も少ない、そのため、遠目から見るとパイパンに見えるのである。恥ずかしさで顔を真っ赤にさせる聡子であったが、妙に精神を刺激される。嫌なはずなのに……。恥ずかしいはずなのに……、興奮してくるのである。

隆はスッと陰部に手を伸ばした。

恥丘を指でなぞるように触れると、そのまま膣口まで指を伸ばした。

「とんだ牝犬だ。これだけで濡れるなんて」

「そ、そんな嘘です、ち、違います」

この時、聡子は激しく濡れていた。自分でも制御できないくらい興奮していたのである。

「確かに濡れているよ。いいかい? 君は興奮しているんだ。この状況を楽しんでいるんだろう。よし、君にさらにプレゼントをしてあげよう。本当はもう少し後かなって思ったけれど、ここまで興奮してくれるなら今でもいいだろう」

隆はそういうと、リュックから、ある玩具を取り出した。

それは、ピンクローターであった。

官能小説を読む関係上、聡子はピンクローターの存在を知っていた。その使い方も……。

「これはあそこに入れるんだ」

「で、できません」

「こんなに濡らしているくせに何を言っているんだ。とにかく入れてごらん。新しい世界が見えるから。それに君に拒否権はないんだよ。わかっているよね」

隆は聡子にローターを渡した。

聡子は仕方なく、ローターを陰部に入れる。生理用品を入れるのと同じ感覚である。しかし、ゾクゾクとする感覚が広がるのは事実だ。

(う、嘘でしょ、私興奮しているの?)

自分が信じられなかった。

隆はローターが陰部に挿入されたのを確認すると、リモコンのスイッチを入れた。

ヴヴヴヴヴヴ……。

「あ、そ、そんな、動かさないでください」

小夜子の膝が折れる。あまりの刺激に体がガクガクと震え始めた。

「気持ちいいだろう。今日一日ローターを挿れて生活するんだ。こっちは監視している。ちゃんと挿れておくんだぞ、約束を破れば、即秘密をばらすからね」

「わ、わかりました」

結局、聡子は言われるままにローターを陰部に挿入したまま講義を受けることになった。

地獄と快楽の入り混じった1日が始まろうとしている――。

 

〈続く〉





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