官能小説レビュー 第7回『桃色無限ループ』

官能小説レビュー『桃色無限ループ』

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今回紹介する官能小説は、庵乃音人さんの『桃色無限ループ』です。

これまではフランス書院の官能小説を中心に紹介してきましたが、今回は、イーストプレスという出版社の、悦文庫です。

一体、どんな官能小説なのでしょうか? 早速見ていきましょう。

□登場人物とストーリー

【登場人物】

・石田豊……主人公の会社員

・倉田小夜子……豊の隣人 三十路

・倉田理紗……小夜子の娘 中学生

・北村静絵……豊の会社の社員

・浦辺美紀……豊の高校時代の同級生

【ストーリー】

本作品は少し複雑なSF仕立ての官能小説となっております。

今日という日を中心に、三年後の世界と今日を繰り返して描くという形となっています。

簡単にストーリーを見ていきましょう。

豊は北村静絵という後輩社員が好きなのですが、告白できずに悶々としています。そんな中、高校の同窓会に参加し、同級生の浦部美紀と再会し、そこで話を聞きます。

美紀は旦那に浮気されており、結婚生活が上手くいきません。過去、豊は美紀に対しても恋愛感情を持っていた時期があり、彼女の話を聞くにつれて、旦那ではなく、俺の女になってほしいと懇願し、セックスを強要します。

豊と美紀はホテルでセックスをし、そのまま豊は眠ってしまいます。次に目覚めた時、それは普通の世界ではなく、美紀と結婚した三年後の世界だったのです。その世界では、会社の同僚が出世していたり、好きだった静絵に恋人がいたり、少し違っています。

そんな中、豊は会社をリストラされてしまいます。途方に暮れて家に帰ると、美紀と元旦那がセックスをしようとしている場面に遭遇します。豊はしばらく様子を見ているのですが、音を出してしまい、見つかってしまいます。元旦那に詰め寄られ、気を失うと、今度は三年前の日に戻っているのでした。

再び過去に戻った豊は、今度倉田小夜子と理紗と交流するようになります。理紗には好きな人がいて、その悩みを聞いたり、未亡人となり苦労している小夜子の話を聞いたりと、交流を深めていくのです。そんな中、再び一日が終わると、三年後の世界にタイムスリップし、そこでは小夜子と結婚した日々が待ち受けていたのです。

小夜子と豊は仲が良く、セックスを重ねます。また、理沙のオナニーシーンを目撃した豊は、理紗とも関係を持ち、結果的に、理紗と小夜子の三人で3Pまですることになります。

しかし、そんな生活も長く続きません。実は、どんな人間と結婚した未来を見ても、豊は、静絵のことが忘れられないのです。

それを知った豊は静絵に強引に迫り、玉砕してしまいます。玉砕した豊かでしたが、小夜子と理紗との関係は続けており、徐々に傲慢になっていきます。ある日、強引に3Pを迫り、小夜子と理紗に拒絶されてしまいます。そしてその時に言われるのです。あなたが好きな静絵さんが寿退社されるのですよ、と。だから、会社に行ってくださいと諭されます。

豊は過去と未来を繰り返し、どうしても静絵が忘れられないと、自分で自分を責めます。そこで再度静絵にアタックします。その結果、静絵の婚約を破棄させ、静絵を手に入れるのです。静絵と晴れて夫婦になった豊は、幸せの中、結婚式を迎えるというところで話は終わります。

全6章仕立てとなっており、【美紀】→【理紗】→【小夜子】→【理紗&小夜子】→【静絵】という話の流れとなっています。

□セックス描写は少なめ

本作品はSF仕立てな所があるためか、セックス描写はそれほど多くありません。

Hな描写もじっくりと書かれたわけではなく、割とソフトに描かれています。

庵乃さんの作品は、これが初めてなのですが、かなり語彙が豊富で、味わい深い文章が特徴となっています。

例えば、下記のような文章があります

「指を食いこませてまさぐる乳は、練り絹のようだった。しかしこの練り絹は汗の甘露をじわりと滲ませ、いささかべっとりとした感触でもある。」

P43より抜粋

このような、やや純文学的な文章が登場するので、読んでいて性的な刺激を得ることができます。

人によっては少しくどいようにも感じるかもしれませんが、私の場合は、引き込まれる文章で、読み応えがありました。

□設定は評価が分かれる部分

既に紹介していますが、本作品は過去と未来を繰り返して行うSF仕立ての作品になっています。

過去と未来を繰り返し、自分の本当に好きな人は誰なのかを確認する狙いがあるのでしょう。ただ、これは評価に割れる部分でもあります。

確かに豊は静絵に好意を持ち、悶々としているのですが、わざわざSF的な設定を組み込まなくても、恋愛模様は描けたはずです。また、過去と未来を行き来するため、読んでいて、混乱する場面が多く、気づいたら、現在に戻っていた。あるいは、未来に飛んでいたと、混乱することが多かった印象があります。

それでも、丁寧に読み進めていけば、ある程度、話の流れは掴めるでしょう。文字組も大きめの設定になっているため読みやすく、サクサクとページをめくれます。約300枚の作品ですが、恐らく2時間前後で読める形となっているでしょう。

□設定の凝った作品が読みたければおすすめ

本作は、いつもとは趣向の違う官能小説を読みたい場合にはおすすめです。

官能小説はいろいろな種類がありますが、どれもセックス描写に重きが置かれており、設定はおざなりになっている場合が多いです。

そんな中、桃色無限ループはタイトルの表現通り、過去と未来を行き来する設定を上手く活かした作品となっています。

個人的には、大変面白く読めましたし、官能小説を書く上でとても勉強になりました。多くの方のおすすめできる官能小説であると言えるでしょう。

 

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