連載官能小説『女性向け風俗』第5回

連載官能小説『女性向け風俗』第5回

上司から性行為の提案を受けた裕子。

しかし、そんなことができるわけはない。今までだってかなり大胆なセクハラ行為をされてきたのだ。それ以上に過激なプレイを求めるなんてどうかしている。

それでも自分自身もいけないのだとわかっている。何しろ、セクハラをされながら、それを受け入れてしまったのだから……。責任の一端は自分にもあるのだ。きっと、今度は上司との関係もギクシャクとしてしまうだろう。

トイレを出た裕子は、なるべく普段通り振舞おうと仕事に戻る。衣装を脱ぎ、しっかりと制服を着なおして業務に勤しむ。しばらくすると、上司も戻ってきて、何事もなかったかのように仕事に戻っていった。ただ、時折視線は感じるのである。

コチラを見ている。そんな思いがして、ふと視線を上げると、上司と目が合った。彼は、にこやかな笑みを浮かべて裕子を見つめる。

裕子は気づかなかった振りをして、そのまま仕事に戻った。

やがて、終業時間を迎えて、一人、また一人と社員が帰宅していく。裕子は急ぎの仕事があったため、少しだけ残業をして、片付けてから帰ることに決めた。チラと上司の方を見ると、彼もまだ仕事をしているようであった。基本は真面目な人間なのである。しかし、それが時折変わってしまう。

裕子が仕事を終えて、帰ろうとすると、上司が彼女の前にやってきた。

「裕子君、そ、その、なんだ、昼間の件なんだが」

「はい、もう、こういう関係は終わりにしましょう。そうすれば、私は何も言いません」

「悪かった。私が悪かったから、そんな風に言わんでくれたまえ。どうだい、これから一緒に食事でも」

「大丈夫です、今日は帰りますから」

「そんなこと言わずに、一軒だけ行こうじゃないか。私がご馳走するから」

裕子はどうするか迷った。

無下に断るのも悪い気がしてくる。だが、一緒にいるとまた流されてしまうかもしれない。

「本当に少しだけですよ」

「もちろんだ。じゃあ行こうか」

二人が向かったのは小ぢんまりとした居酒屋であった。

個室が用意されており、かなり雰囲気のいい店である。

上司が飲み物と軽いつまみを頼むと、店員は消えていき、室内は裕子と上司だけになった。

「昼間はすまなかった。許してほしい」

上司は頭を下げて謝罪した。

あまりに丁寧な対応であったので、逆に裕子の方が委縮してしまう。

「そ、そんな、頭を上げてください」

「私は君に嫌われてしまったね、自分でも自分を呪うよ」

「そ、そんなことは、ただ、もうああいうことは止めましょう。木佐貫さん(上司の名前)だって奥さんがいるでしょう」

「まぁ、そうなんだがね、全く上手くいっていないんだよ。それで心のどこかで君を求めてしまうのかもしれない。だから、そんな風に言わないでくれたまえ。今後も君との関係は良好なままでありたい」

「でも、木佐貫さんがしていることって、完全にセクハラだと思うんです」

セクハラという言葉が出て、木佐貫はガクっと肩を落とした。

余程堪えているのだろう。

「せ、セクハラ……、そ、そんなつもりは……」

「でも、胸を触ったり、そ、そのパンストを脱がしたりしたじゃないですか? これって完全なセクハラですよ」

「信頼してくれないのかね」

信頼。

そう木佐貫は言った。裕子は木佐貫をどう思っているのだろうか?

信頼はしている。木佐貫は仕事もできるし、部下の面倒見もいいのである。

「信頼はしています。で、でも……」

「セクハラかどうかは、お互いに信頼関係が築けているかにかかっている。私と君は確固たる信頼関係があるだろう。なら、セクハラにはならないじゃないのか?」

「そんなことは……。確かに信頼しているけれど、それでセクハラをしていいなんて」

「なら、君に尋ねよう。君は嫌だったのかい?」

正直、そんなに嫌ではなかった。

むしろ、受け入れてしまった自分がいるのは事実である。

もっと気持ちよくなりたいと、木佐貫を求めてしまった。その非は自分にもあるだろう。

「嫌ってわけじゃないんですけど」

「なら、同意があったわけだね、それならば、セクハラにはならないよ。それに、私も君が嫌なら止めるよ。君が大切だからね。でもね、私からみて君はどこか欲求不満のように見えるんだ。だから、ストレス発散を手伝ってやりたくてね。それに君は疲れもたまっている。マッサージした時、大分体が凝っていたから」

自分は欲求不満なんだろうか?

裕子は自分自身を振り返って考えてみる。

彼氏はいないし、仕事が忙しいから、性的なプレイはほとんどしていない。裕子はまだ若く、身体を持て余している。性欲はあるのに、それを発散する場所がない。その事実は、裕子を苦しめていたのである。

「とにかく、もうあんなことは止めましょう、木佐貫さんには奥さんもいるんですから、悪いですよ」

「本当にそれでいいのかね?」

「は、はい。大丈夫です」

「もっと気持ちよくなりたくないのかね。私なら、君を解放してあげられる。最後にもう一度チャンスをくれないかね?」

「チャンスですか?」

「うむ、そうだ。私が君を気持ちよくしてあげる。上手くいったら、今まで通りの関係を続けてほしい。もしもそれでも嫌だと感じるのなら、私はきっぱりと手を引こう」

「また、Hなことをするんですか?」

「嫌だったらすぐに止めるよ。だが、君だって気持ちよくなりたいだろう」

「そ、そんなことは……」

裕子が反応に困っていると、上司が足をスッと延ばしてきた。

この居酒屋の個室は掘りごたつのようになっており、足元に空間がある。その空間を利用して木佐貫の足が伸びてきて、やがて裕子の太ももに当たった。

「ひゃ、ひゃん……」

堪らず声を出してしまう裕子。その反応を見て、木佐貫はさらに大胆にプレイを進める。

裕子の太ももを足で刺激すると、さらに奥まで足を延ばし、秘部に触れ始めたのである。

性器を弄られて、裕子は困惑した。

何かいけないことをしているようで、怖くなるのだが、どこかでもっと求めてしまう自分がいるのである。

「や、止めてください」

裕子は何とか絞り出すように言った。

しかし、木佐貫はその動きを止めない。むしろ動きを速めていった。

「本当にいいのかね。ここで止めてしまったら、気持ちよくなれないんだぞ」

「そ、それはそうですけど……、やっぱりよくありません」

「自分に正直になりたまえ。君は求めているはずなんだ。それは恥ずかしいことじゃない。むしろ自然な行為だよ」

誘惑に負けてしまう……。

裕子は結局、木佐貫を受け入れてしまった。

木佐貫は笑みを零すと、そのまま足を使って秘部を刺激すると、裕子に下着を脱ぐように指示を出した。

「裕子君、下着を脱ぎたまえ、窮屈だろう?」

「え、でも下着を脱いだら、そ、その見えてしまいます。お店の中ですし」

「ここは個室だから人は来ないよ。だから安心したまえ。大丈夫だから、とにかく下着を脱いで、足を広げてごらん、もっと気持ちよくなれるから」

裕子はパンストを下ろし、さらに下着を脱いだ。全体的にスース―とするではないか。木佐貫はそれを確認すると、足の指先を使って裕子の性器を直に刺激し始めた。

「いやん、そんな風に触られたら、わ、私おかしくなっちゃいますぅ」

「おかしくなっていいんだよ。たっぷりと気持ちよくなりたまえ」

木佐貫の足の動きが速くなり、裕子は悶絶しそうになるのを抑えながら、懸命に快楽と戦っていた。このまま流されてしまっては、いつもと同じになってしまう。しかし、身体が反応してしまうのだ。そこから抜け出すのは容易なことではない。

裕子が悶えていると、不意に木佐貫が動きを止めた。

あまりに突然だったので、裕子は面を食らってしまう。折角気持ちよくなっていたのに、それを途中で止められてしまい、彼女は悶々としてしまった。

ムラムラしているのに……、本当はもっと気持ちよくなりたいのに。裕子は自分自身を抑えられなかった。

「も、もっとしてください」

「いいのかね、君は嫌だったんじゃないのかね?」

「意地悪しないでもっと私を気持ちよくさせてください」

「じゃあ言うんだ、おま×こをもっと触ってくださいと」

「そ、そんな……。は、恥ずかしいです」

「言わなければこれでおしまいだよ、それでもいいのかね?」

「お、おま×こを、触ってください」

「よしよしよく言えたね、なら、存分に気持ちよくなるんだ」

再び足を延ばした木佐貫は、足で裕子の秘部を刺激していく。

堪らない快楽が裕子を覆っていき、やがて彼女はオルガスムスを感じ始める。

興奮も最高潮を迎え、女陰がヒクヒクと痙攣したと思ったら、圧倒的な気持ちよさが襲ってきた。

「アアアン。い、イク! イッちゃうぅ」

「イっていいんだよ。イキたまえ!」

「イヤァァン。も、もうダメェ」

次の瞬間、裕子は激しく身体を震わせて、そのままイってしまった。机に突っ伏すように倒れ込むと、オルガスムスの余韻が襲ってくる。

「裕子君、イッたようだね、気持ちよかっただろう?」

「は、はい。でも、私、本当にこれでいいんでしょうか? 木佐貫さんにHなことをされると、身体が拒絶できなくなるんです」

「拒絶なんてする必要はないよ。自然体でいればいいんだから」

結局、その日は、それだけで終わった。

しかし、いつ一線を越えてもおかしくない。裕子は期待と同時に、恐怖も抱いていた。もしも木佐貫とセックスしてしまったら、もう元には戻れない。そうなる前に、手を打つ必要があるだろう。

(もう一度、栄太さんに会おう)

裕子は再び栄太に会おうと、心に固く誓った――。

 

〈続く〉


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