官能小説レビュー 第19回『美味づくし』

官能小説レビュー 第19回『美味づくし』

引用元:https://www.amazon.co.jp/dp/B01HHSJEE0/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

今回紹介する官能小説は、新藤朝陽さんの「美味づくし」です。

新藤さんの作品は以前にも紹介しましたが、今回も続けてレビューしていきます。

寿司屋の若大将が主人公の作品ですが、どんな内容なのでしょうか?

ネタバレありのレビューを展開していきます。

では、早速見ていきましょう。

□登場人物とストーリー

本作品は全6章の構成となっています。

連作の短編という形であるので、一つずつ解説していきます。

まずは、登場人物から見ていきましょう。

【登場人物】

・田山優人……主人公の寿司職人

・手塚美香……ホステス

・香川響子……エリート会社員

・雨宮絵里……優人の幼馴染

・谷村真澄……工場の事務員

・山上涼子……優人が贔屓にしている社長の妻

【ストーリー】
第1章

第1章は優人と美香のパートです。

ホステスとして働く美香は男性からの誘いを断れずに困っています。

店の客と一緒に優人の寿司屋で食事をするのですが、客の態度が悪く、優人がキレてしまいます。

結果的に美香は店の客から解放されるのですが、それに感動した美香が優人を求めてきます。

美香は自分に自信がないのですが、優人とセックスすることで、もう一度恋をしてみようと言う気持ちになります。

第2章

第2章は優人と響子のパートです、

優人の働く寿司屋の近くに回転寿司屋ができるのですが、その担当者が響子なのです。

響子は男に抱かれると、その男がどんな男であるかわかる特殊能力があり、優人と関係を持ちます。

その結果、優人が素晴らしい腕を持った寿司職人であるとわかり、彼を引き抜こうとするのですが、失敗に終わります。ただ、それでも諦めきれず、第6章で再び登場します。

第3章

第3章は優人と絵里のパートです。

絵里は離婚しており、その原因が自分に魅力がないからだと考えています。

優人は慰めるために、十分魅力的だと説得します。

すると、絵里は自分を見てオナニーができるかと提案してきます。

引くに引けなくなった優人は、できると答え、二人はお互いにオナニーをし合います。

もちろん、その後セックスに流れるのですが、最終的に絵里は自分に自信を取り戻し元気になっていきます。

第4章

第4章は優人と真澄のパートです。

真澄は24歳になるのですが、未だに処女であり、それが自分がブサイクだからだと考えています。

優人が励ますと、真澄は自分の処女を貰って欲しいと懇願します。

流れで優人は真澄とセックスをするのですが、徐々に真澄は女に目覚め、最終的には、誰もが見惚れるいい女に生まれ変わると言う形で話が落ち着きます。

第5章

第5章は優人と涼子のパートです、

涼子は優人が贔屓にしている社長の妻で、セックスの際にマグロ状態になってしまうと、社長に相談されます。

そして、涼子を性的に目覚めさせてほしいとお願いされ、涼子とセックスすることになります。

最初は戸惑う優人でしたが、徐々に涼子の魅力を引き出していき、無事性的に目覚めさせます。最終的に、優人、社長、涼子の3Pが展開され話が終着します。

第6章

第6章は、優人と響子のパートです。

優人を諦めきれない響子は、再度優人にアタックします。

二人はセックスをして、お互い相性がいいことを確認し合います。

ただ、優人は響子に魅力を感じながらも、自分の店を捨てられないと、響子の店で働くことを拒絶します。

響子は優人の意見を受け入れ、自分は自分で店を繁盛させてみせると決意を見せます。

二人の関係が今後も続くような描写が垣間見え、そこで物語は終わりを告げます。

□端正な性描写とスピーディーな展開が魅力

新藤さんの作品は、非常に読みやすい文体で描かれています。

官能小説の中には少しくどいような表現も多々あるのですが、そのような描写は抑えられています。

サクサクと読める形となっており、読みやすさは抜群です。

『ブルンッと屹立したペニスが姿を現す。漲りきった肉棒は、太い血管を浮き立たせ、ビクンビクンと力強く脈打っていた。』

P103 より抜粋

このような端正な表現で描写されるので、安心して読むことができます。

□魚の比喩はいまいち機能していない

全体的に完成度が高い作品なのですが、少し問題もあります。

寿司屋の若大将が主人公ということもあり、魚のネタを比喩にした表現が多数出てくるのですが、それがいまいち機能していません。

例えば、一級品の本マグロのような躰と言われても、いまいちピンとこないので、逆に性的な興奮が冷めてしまうケースが多々ありました。

これは少し残念な点なのですが、人によっては気にならないかもしれないので、私の気にしすぎかもしれません。

□短編連作の作品としては完成度が高い

サクサクと進むストーリー、分かりやすい性描写。

魅力溢れる作品です。魚の比喩が少し問題があるように感じますが、全体的に完成度が高いので、あまり問題にならないかもしれません。

新藤さんの作品はこれ以外にもたくさんあるので、機会があれば続けてレビューしていこうと思います。

端正な文章が魅力であるので、官能小説を勉強したい方にもお勧めできる作品であると感じました。

 

こちらの作品はここで購入できます。

 

 


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