連載官能小説『本物の女』最終回

連載官能小説

翌日――。

授業を受けながら、ぼんやりと前の席に座りノートを取っている優奈の姿を、遊星は見つめていた。

横顔にはまだ幼さが残っている。でも体はちゃんと性交ができるくらいに成熟していた。

(俺はあいつとセックスしたんだよな……)

そう考えると、股間が少しずつ熱くなり、ズボンの中でペニスがムクムクと目を覚ました。

だが、

(今日はまだ一度も話してない)

遊星は今日も朝早くに学校へ来てみたが、優奈の姿は無かった。始業ギリギリに登校してきたのである。全く話すことなく授業が始まったため、遊星には優奈が未だに怒っているのかどうなのか、ということが分からなかった。

少なくても、現在の横顔の表情からでは読み取れない。淡々と授業を受けている。まるで何もなかったのかのように……。

遊星は一人悶々と授業を受けた。すべてが別の世界の暗号のように思え、何一つ頭に入って来なかった。

授業、清掃、ホームルームが終わると下校時間になる。運動部は活動場所へ、帰宅部は自宅や繁華街へ、それぞれの場所へ向かうため準備を始めている。

その中に、優奈の姿もある。遊星は意を決し、彼女の元へ行った。

「な、なぁ……」

優奈は遊星のことをチラッと見て、

「何?」

「き、昨日は悪かったよ。だ、だからさ……」

「許してってこと?」

「うん」

「ねぇ、今ちょっと良い?」

「え、別に良いけど」

「じゃあちょっと付いてきて」

優奈はそう言うと、教室を出て行った。その後に遊星も付いて行った。

階段を下りるのではなく、登っていくと、辿り着いたのは屋上だった。

屋上には何もない。ベンチもなければ日除けになりそうなものも何もない。地面のコンクリートにはひびが入り、そこから雑草が生えているし、周りをぐるっと囲んである、落下防止用の柵はすっかり錆びついている。

幸い、屋上には誰もいなかった。優奈は錆びた柵に手を付き、遠くの方を見ながら話し始めた。

「許してあげる。でも条件があるの」

優奈の後ろに立っている遊星が答える。

「条件?」

「うん。条件。写真とか立体映像システムのこととか全部忘れて欲しい」

「わ、分かった……」

「ホントに分かってる?」

「う、うん」

「じゃあ、写真や動画は今ここで消してよ」

動画というのは、明け方優奈が自慰行為に耽っているものを撮ったものであり、静止画は最初に淫らな行為を働いた時に取ったものだ。

遊星は言われたとおり、携帯に録画してある動画と静止画を消去した。

そして、消去した携帯の画面を見せながら、

「消したよ。不安だったら自分で確認してもらっても良い」

優奈は携帯を取り、念のため自らで確認した後、携帯を遊星に返した。

「分かった。後は、データのことだけど、忘れてあれはなんでもなかったの。あそこであたしは何も落としていないし、アンタは何も拾ってない。それで良いわね」

「うん。分かったよ」

「じゃあ、許してあげる」

「ほ、本当?」

「うん。けど約束は守ってね」

「ああ。で、でも良かった。俺、昨日気が気じゃなくて、良かった。それに、本当にゴメン」

「そんなに反省してたの?」

「だって、君は立体映像のキャラじゃないし、万が一のことになったら、だから俺、今日も朝早く学校へ来たんだ」

「朝? どうして?」

「朝なら瑠璃垣が登校してると思ったんだよ。そ、そこで謝ろうと思ってたけど、来なかったから、心臓がはりきれるかと思ったよ」

「ふーん。本当はエッチなこと期待してたんじゃないの?」

「え、ま、まさか……」

遊星は慌てて答えた。謝りたい気持ちもあったが、もしかしたらヤレるかもという淡い気持ちがあったためだ。

「ホント、アンタって変態ね。朝謝って、その後にすかさずエッチなことしたいと思うなんて。どうしようもないわね」

「う、ううぅ。ゴメン。お、俺、もうあんなことしないよ」

「本当に? 本当に我慢できるの? どうせすぐにヤラしい目で女子たちを舐めまわすように見るんでしょ。ああ、ヤラしい。そ、そんなことは許すわけにはいかないわ」

「そんなことしないって」

「嘘ばっかり、今だってあたしのことヤラしい目つきで見てるんじゃないの」

遊星はフッと横を向いた。

「あれ、図星? まるで発情期の犬ね。いえ、犬以下だわ……」

「お、お前なぁ、いい加減にしろ……」

遊星の言葉を遮るように、

「で、でもあたしも人のこと言えないの」

「え?」

「ほら……」

優奈はそっと、スカートの裾を持ち、上にたくし上げた。白いパンティが露わになる。いつもの綿素材のモノよりも光沢がある。シルクかもしれない……。

そのパンティの下部分にはうっすらと影が出来ている。よく見ると、それは影ではなくシミのように見えた。

「お、お前……」

「あたしもアンタのこととやかく言えないの。もう、アソコが疼いて仕方ないのよ」

遊星のペニスはズボン越しでも分かるくらいに勃起している。

「お、俺、そんなの見せられたら、堪んないよ」

「続きしたいでしょ?」

――ゴクリ――

遊星は生唾を飲み込みながら、

「う、うん。で、でもどこで?」

「多目的ルームのトイレ、あそこなら放課後誰も来ないし」

「分かった」

二人は屋上を後にし、秘密の場所へ向かっていった。

 

校内は、二人が屋上に行った僅かな時間の間に大半の人間が帰って行ったのか閑散としていた。

そそくさと忍者のように多目的ルームのトイレに向かった。そこは校内のどこよりも静かであると感じられた。誰の気配もない。

女子トイレの個室に入ると、遊星は直ぐに優奈のスカートをめくり、パンティを弄り始めた。

(シミがさっきよりも広がってる)

遊星がゆっくりとパンティを降ろしていくと、女の象徴である割れ目が見えてくる、我も先からはパンティに向かって糸が引いている。

(なんてヤラしいんだ)

糸を振り払い、性器に触れるとじんわりと温かく湿っている。

さらにそこを指でなぞると、

――くちゅ、くちゅ――

という音が聞こえ、

「んんん。アン」

という優奈の小さな喘ぎ声が聞こえる。

パンティを完全に下までおろし、片足を便座の上に乗せると、ぴったりととじている秘部が顔を出す。そこをさらにこじ開けるように指で小陰唇を押し開くと、サーモンピンクの肉襞が見え、内部からじんわりと愛液が溢れ出てくる。

その部位にゆっくりと顔を近づけると、ツンとする性臭が鼻を突く。軽いアンモニア臭と、体臭が入り混じった何とも言えぬ匂いである。

それでも遊星はそれを悪臭だとは思わなかった。貪るように嗅ぎながら、秘部を下でレロレロと弄りまわした。

(舐めても舐めても、どんどんマン汁が溢れてくる)

舐めていると、自分の性器も堪らなくなる。すでに我慢汁がべっとりとトランクスに張り付き、爆ぜる寸前のように猛っている。

「お、俺のも舐めてくれよ」

個室内では横になれないので、シックスナインはできない。つまり、愛撫は一歩通行になりがちになる。

遊星は、蜜壺から顔を話し、ズボンをずり下げると、勢いよくペニスが反り返った。

優奈は溢れ出る我慢汁を吸い取るように、怒棒をゆっくりと口の中に含んだ。

 

(なんか変な味、しょっぱいし、苦い……)

優奈は怒棒を口の中に含みながらそう考えていた。

口内では遊星の怒棒の脈動がひしひしと伝わってくる。特に亀頭の裏側を下でレロレロと刺激するとビクンと跳ね、さらに多量の我慢汁を放出するのだ。

(やっぱり、気持ちいのかな)

フェラチオをしてペニスを感じていると、触れられてもいないのに、アソコがどんどん熱くなってくるのだ。

(こ、これが後であたしの中に入ってくるんだ)

しばらく舐めつづけながら、遊星の顔を見ると、苦悶の表情を浮かべているのが分かり、

(イキそうなのかな)

と、思っていると、ペニスが口から引き抜かれた、唾液と精液でまみれた怒棒は恐ろしく糸を引き、怪しく光っている。

「そろそろ良いだろ?」

――コクリ――

と、優奈は頷き、

「今度はちゃんと外に出してよね」

と、答えると遊星が、

「大丈夫。今度は安心してよ」

と言い、優奈の肩足を持ち上げゆっくりと秘部にペニスを押し当て挿入していく。

――ずぶ、ずぶ――

ペニスはお互いの愛液で直ぐに飲み込まれにちゃにちゃと音を立てる。

 

(ああ、やっぱり中って気持ちいい)

遊星はピストン運動をしながらそう考えていた。優奈の左足を自身の右手で持ちながら付いているので、かなり疲れるが快楽の方が強く、ひたすら突きつづけた。

「アン、ウグゥ」

と、優奈は小さく喘ぎながら遊星のペニスを受け入れている。その声を聞くと、遊星のピストン運動も俄然力が入るのである。

手が疲れたきた遊星は、一旦足を降ろし、優奈を後ろへ向かせた後、バックで再び挿入しピストンを開始した。

結合部やアナル、女の恥ずかしい部分が丸見えである。臀部をもみほぐすように両手で弄りまわすと、結合部もアナルもくにゃくにゃと形を変え、その卑猥さを増した。

バックで突きつづけていると、やたらと征服感があり女を服従させている気分になってくる。さらに、奥までペニスを押し込むことができるので快楽が全体に沁み渡るように広がっていく。

慣れてくると片方の手で陰部を弄り、クリトリスに触れ、そこをコリコリと刺激しながらピストンを続けると、

「アアァ、ぐぅぅ、アン」

と、優奈の喘ぎ声が強くなるのが分かった。

気持ちが良いのか、アナルが、

――ヒクヒク――

と、小刻みに動いている。まるでこっちも刺激してほしいと言っているようであった。

前回と同じように指を唾液で湿らし、少しずつアナルを刺激し、中に入れていく。

――メリメリ――

と求めるように指は吸い込まれ、ねっとりとした感覚が指全体に広がっていき、

「うわっ、ぐぐぅ。おふぅ」

と、優奈は喘ぎながら体全体を仰け反らせる。

遊星がピストン運動に合わせ、指を動かしていくと少しずつ穴は拡張されいき、ぱっくりと口を開き、もっと太いものを求めているように見えた。

(ここにチンポ入るのかな……? い、入れてみたい)

もう少し穴を拡張させるため、指を二本にしてみる。アナルは対応するように広がりをみせ、あっという間に二本の指を飲み込んでいく、唾をたっぷりと付けたため、

――ぴちゃ、ぴちゃ――

という音が大きく聞こえ始めた。

穴はゆっくりと広がっていき、

(これくらい広がれば、入れらるかもしれない、それに、アナルだったら中に出しても問題ないはずだ)

そう考えた遊星は、

「瑠璃垣、こっちの穴に入れていいか?」

「え?」

「アナルに入れていいか? こっちなら中で出せるだろう」

優奈は恥ずかしそうに頷いた。

それを聞いた遊星は、一旦膣からテカリ輝いているペニスを引き抜き、そのままアナルに押し当て挿入していく。

――ヌム、ズプ、ヌム――

未開の地を切り開くように、ペニスはアナル内に侵入していく。

(キ、キツイ)

「ひゃん、あぐぐぅ、くぅぅ」

と、優奈が切なげな声をあげる。

「だ、大丈夫か?」

「う、うん。で、でも最初はゆっくり動いて」

「わかった」

ゆっくりと時間をかけ、全体で味わうようにピストンを開始する。膣とは違う締め付け方が違う快楽を遊星に与えていた。

しばらくゆっくりと行為を続けていると、溢れ出る我慢汁により、滑りが良くなりスムーズに出し入れできるようになっていった。

少し早目に動きながら、ピストンをすると、

「ああうん、ふうん、アン、もっとぉ、もっと突いてぇ……」

と、優奈が告げる。どうやら優奈はアナルが感じるらしい。

遊星は勢いよくアナルに怒棒を突きたてながら、先程と同じように片方の手でクリトリスを刺激し始めた。

完全に包皮から解放され、無防備になった陰核は触れられることで肥大化し、優奈にさらなる快感を与えていったのである。

二か所を刺激しながらピストンを続けると、優奈の膝がガクガクと震え始め、アナルがキュッと締まりをみせた。

「ね、ねぇちょっと、アン、い、一旦抜いてぇ、お、おしっこ出ちゃうよぉ」

「無理だよ。こんなに気持ちいのに途中で抜けないよ」

「ひん、あぐぅ、あん、い、意地悪しないでぉ、あううん、も、もうだめ、ホ、ホントにで、でちゃうぅ」

それでも遊星は優奈の言葉を無視し、陰核を弄りならがピストンを続けると、

「アあん、も、もうらめぇ……」

アナルが恐ろしく締まったかと思うと、

――ビチャ、ビチャ――

と、暖かい液体が遊星の太ももを伝っていった。どうやら優奈はあまりに気持ちが良く失禁してしまったようだ。黄金色の液体が床に水たまりを作り、ツンとする臭いが広がった。

「うぐぅ、ひ、酷いよぉ、いじわるぅ」

「おしっこ洩らしたんだな。良いよ。もっと漏らしても良いよ」

優奈の失禁を見るとたまらなく興奮し、快感が絶頂を迎えようとしていた。

「お、俺もイキそうだ。中に出すぞ、中に!」

「あん、あぐぅ。な、中にだしてぇ……」

「よし、いくぞぉ」

ペニスが痙攣するように収縮すると、恐ろしい快楽の波が股間に集中し、

――ビュルッ、ビュ、ビュッ――

と、勢いよくアナル内に射精を果たした。

大量の精液がアナルに流し込まれ、受けきれなかった精液は溢れ出ていった。

最後の一滴まで精液を絞り出すと、遊星はゆっくりとペニスを抜いた――。

「すごい量……。入りきらない」

優奈のアナルから精液が溢れ出る。その姿を遊星は人形のように黙って見つめていた。

 

それから二人は毎日のように、この場所でセックスに耽るようになった。

学校という場所で、さらに誰か来るかもしれないと環境は、さらに二人を興奮させ、激しく互いを求めあったのである。

しかし、物事に始まりがあるように、終わりもまた存在するのである。この時二人は、迫りくる別れの瞬間を知る由もなく、セックスに耽っていったのであった。

現実の性行為に慣れると、立体映像システムでのセックスはほとんど行わなくなった。昔、あれだけ毎日、架空の女優を抱いていたというのに。

脳内で再生されるセックスは、あくまで脳内映像であり現実ではない。架空のAV女優は現実の女優よりも数倍美しく、感度も良く、それでいて男を喜ばせることに長けている。現実の女性のように、つるつるに見える皮膚でも僅かに産毛を感じたり、ツンとする性臭を感じたりはしない。すべてが完璧に整っている。

完璧だから美しいし、気持ちが良い。確かにそう言えるが、完璧ほど物足りなく飽きるのが早いものがない。不完全だからこそ、お互いが足りないところを補い合い、意識しあうことにより愛情が芽生えるのである。

人は愛を求めるのだ――。

 

数カ月経ち、いつものようにセックスを終えた後、優奈は言った。

「今日で最後にしたいの……。こういう関係」

「え?」

「いつまでもこんなことしてられないよ」

「で、でも朝なら絶対見つからないよ。今だって誰も俺たちのこと怪しんでいる人間なんて一人もいないわけだし」

「これからもそういうことが続くわけじゃないでしょ? それに……」

「それに?」

「何を今更って感じなんだけど、やっぱりこうゆーことって自分の好きな人とやるべきだと思う」

「そ、それはそうかもしれないけど、割り切ってやれば良いじゃないか……」

「立体映像システムでエッチなことって今でもしてる?」

「いいや。今じゃほとんどしてないよ。昔は結構夢中になってたけど」

「あたしも同じ。それってどうしてだか分かる?」

「理由か、多分妄想より現実の方が良いってことだろう? 脳内の映像よりも現実の映像の方が鮮明に残るしさ」

「うん、あたしもそう思う。でも、そのうち気が付いたの。今あたしたちがやってることも立体映像システムで行っていることも大差がないのよ」

「どうしてさ?」

「だってそこに愛はないもの。現実版の立体映像よ。いつまでも続けていられないのよ」

「そ、そんなことないだろう。別に良いじゃないか」

遊星が触れようとしたを優奈はサッと避け、

「ごめんなさい。……あたしね、好きな人ができたの。その人のことを考えちゃうのよ。そうなるとこれ以上、君と一緒にいるのが辛いのよ」

「る、瑠璃垣……」

「あたし、あなたのこと信じてるわ。秘密を握っても言いふらすことはしなかったし、ちゃんとデータも返してくれたし、写真とかはあたしの目の前で消してくれた。だから、今度も……」

(女は勝手だ……。本当、これじゃ俺が踏み台じゃないか……)

「そ、そうなのか、な、なら仕方ないな」

(あ、あれ……。俺、何言ってんだよ)

「ま、まぁ、確かにいつまでもこんなことしてられないしな。それを断ち切るのは今日が良い機会なのかもな」

(お、おい、何言ってんだよ。俺はまだ瑠璃垣を、瑠璃垣 優奈を抱きたい。だ、だって俺は……)

優奈は笑顔を見せる。そして、

「ありがと」

と、言ってその場から立ち去っていく。

(おい、追えよ。離して良いのかよ。離したら二度と手に入らないぞ。お、俺は……)

遊星は我に返り、必死に優奈を追おうとしたが、

『あたしね、好きな人ができたの』

その言葉が脳内に再生された。

(そうだ、あいつは好きな人ができたんだ。それは、あいつの好きな人が俺じゃないってことだ。なら……)

遊星は追うのを止めた。トイレから出て、一人廊下の窓から外を見上げた。

朝日が地平線の彼方でぼんやりとうごめいているのが見える。それが、涙の為なのか、自然現象の為なのか、遊星以外は誰も知らない――。

〈了〉





Follow me!

コメント

タイトルとURLをコピーしました