連載官能小説『SかM』第1回
「あんたってさ、SとMどっち?」
と、徐に雨宮麗禾は呟いた。
今、彼女の前には幼馴染である中谷大輔がいる。
「SかM? 何だよ急に」
「だから、あんたはSなの? Mなの?」
幼馴染とはいえ、異性からSMの話を振られ、大輔は聊か困惑する。
それに、自分がSかMなんて考えたこともない。
「わかんないよ」
「どうして? 気にならないの」
「それはまぁ、どっちかは気になるけれど。……って、そんなの麗禾には関係ないだろ」
「ねぇ。一つ提案なんだけどいい?」
「提案?」
「うん。私さ、自分がSかMなのか知りたいのよ。だから、あんたには協力してもらいたいわけ」
なんだか話が変な方向に進んでいる。
困惑しながら大輔が眉根を寄せると、次いで麗禾が言った。
「まずは、私にSっ気があるか確かめたいの」
「S……。つまりサディスティックかどうかか」
「うん。だからあんた実験台になりなさい」
「ちょっと待て。どういう意味だ?」
「こういう意味よ」
そう言うと、麗禾は立ち上がり、机の方へ向かった。
今、二人がいるのは、麗禾の一室である。幼馴染である二人は、時折どちらかの家に行き、こうして喋る時があるのだ。
麗禾は机の引き出しから何やら取り出した。
「それは?」
遠目でよく見えない。不思議に思った大輔はそう尋ねた。
「見てわからないの。これは首輪よ」
首輪。確かに犬につけるような首輪である。
しかし、なんでそんなものを持っているのだろうか?
「あのさ、一つ聞くけどそれで何をするの?」
「決まってるでしょ。こうするのよ」
弾丸のように大輔に向かってくる麗禾。
そして、素早く彼の首元に首輪を装着させた。
少し、首元が苦しい。そんな風に思いながら、大輔は囁いた。
「何を」
「どう、気持ちいい?」
「気持ちよくないよ」
「ゾクゾクしないの?」
「今のところ全く……」
「あんたってMじゃないのかしら」
「こんな風にいきなり首輪をつけられたら、誰だって困惑するよ」
「そうかもね、もう少し実験しないと。服を脱ぎなさい」
「……なんでだよ?」
「昔は一緒にお風呂入った仲じゃない。それくらいできるでしょ」
「仮に服を脱ぐとしても、首輪が邪魔で脱げないよ」
「それもそうか……」
麗禾は一旦首輪を外すと、再び大輔に向かって服を脱ぐように指示を出した。
迷った大輔であったが、彼は頑なに拒んでいた。いくら幼馴染とはいえ、男女である。女性の前に裸体を見せるなど、できなかった。しかし、麗禾は納得しない。
「早く脱ぎなさいよ。そうしないと、大声で叫ぶわよ」
「なんでそうなる?」
「それかあんたが変質者だって言いふらす」
「濡れ衣だ!」
「とにかく脱いで、悪いようにはしないから」
仕方なく上半身を裸にする大輔。
ほっそりとしたスリムな肉体が露になる。
「下も脱ぐのよ」
「下? ば、馬鹿、お前正気か?」
「正気よ。これは実験なの。とにかく脱いでよ」
「い、嫌だよ」
「なら大声出す。そんであんたに酷いことされそうになったって言いふらす」
「それは勘弁してほしい」
「なら脱ぎなさい」
麗禾はやや強引なところがある。
それを、長年の付き合いで大輔は知っていた。あまりに抵抗しないほうがいいだろう。
仕方なく彼はズボンを脱ぎ、下着だけなった。
下着だけになると、麗禾は再び大輔に首をつけて、四つん這いで歩かせ始めた。
「どう、興奮する?」
「全くしないよ。こんなんで興奮するような奴はきっと病気だ」
「おかしいわね、やっぱSなのかしら。Mっぽい顔をしているのに」
「もういい? 寒いから服を着たいんだけど」
「駄目よ。まだ実験はこれから。仕方ない。ならこっちもやるしかないわね」
何を思ったのか、麗禾も一枚ずつ服を脱いでいき、あっという間に、下着姿になった。
シンプルな白のブラとショーツ。高校生らしい清々しさがある。
「な、なに脱いでんだよ」
「だから言ってるでしょ。SかMなのか確認するって」
下着姿のまま、麗禾は首輪を持ち、さらに高圧的な態度になる。
大輔は、幼馴染の裸体に近い姿を見て、少しずつ興奮し始めた。
あそこが反応してしまったのである。
咄嗟に、股間部分を手で隠す。勃起してテントを張り始めている。
その姿に、麗禾は気づいた。
「なんで手で隠すの?」
「いや、その」
「手をどけなさい」
「無理です」
「叫ぶわよ」
「わ、わかったよ」
大輔は手を外した。すると、ボクサーパンツがテントを張り、中でペニスが熱く隆起していた。
「Mなのかもね、興奮しちゃったんだ」
「言うな。仕方ないだろ」
「どうしてほしい?」
「服を着たい」
「嘘言わないで。本当はもっとしたいんじゃない。例えばこんなのはどう?」
麗禾は首輪を持ちながら、座り込み、M字に開脚した。
女の子の大切な部分が見えそうになって、大輔は食い入るように見つめてしまった。
すると、麗禾は脚で大輔の顔面を蹴った。
ドフ!
鈍い音がして、大輔は蹴られた場所を押さえる。
「な、何すんだよ」
「如何わしい目で見ているからよ。そう言う人間にはこれよ」
一旦立ち上がると、彼女は机の中から、黒革の鞭を取り出した。
「お、おいおい。そんなものどこで?」
「通販で買ったのよ。便利よね。あんたには丁度いいわ」
そう言い、麗禾は鞭で大輔の体をぴしぴしと叩いた。
若干手加減しているとはいえ、かなり痛い。大輔は苦痛に顔を歪めていた。
「あ、なんかちょっと楽しいかも。あんたはどう? 興奮してる?」
「馬鹿言うな? こんな凌辱されて誰が興奮なんか」
「その割にあそこはビンビンみたいだけど」
確かに言うとおりであった。
何か虐げられているのに、興奮してしまう自分がいるのだ。
もっとしてほしい。そんな気持ちが沸き上がってくる。
大輔はそんな気持ちの変化に驚いていた。
(僕、Mなのかな?)
若干の恐怖はある。
「四つん這いで歩きなさい」
高圧的な態度で、麗禾は呟いた。
言われるままに、首輪に繋がれたまま、大輔は部屋を四つん這いで歩いた。
その姿はまるで人間犬のようである。
ペニスは硬く勃起し、先端からは我慢汁が溢れていた。
「あのさ。僕変な気分になっているんだけど」
「奇遇ね。実は私も、ゾクゾクしているの」
「ゴメン。僕もう駄目かも」
そう言った瞬間、興奮した大輔は麗禾に襲い掛かった。
若い性欲が一気に爆発した形である。
「な、何してんのよ。放しなさい」
麗禾は勢いよく首輪を締めて大輔を引きはがす。
あまりに首をきつく締めたため、呼吸困難になった大輔は、その場で蹲った。
「牡犬! あんたってホント変態ね。そんな牡犬はお仕置きよ」
麗禾は猛り狂っている。
黒く撓る鞭で、何度も倒れた大輔を打ち始めた。
「ご、ゴメン……、痛いよ、麗禾。叩くの止めて」
「なら言うことを聞くのよ」
「わかりました」
「じゃあ次のステップに進みます。大輔、下着を脱ぎなさい」
「でもそうすると、大事な部分が見えてしまうけど」
「見たいからいいのよ。早く脱ぎなさい。もたもたしてると、またぶつわよ」
「わ、わかったよ、人使い荒いんだから……」
仕方なく大輔はボクサーパンツを脱いだ。
勃起したペニスはギンギンに熱くなっている。早くこの興奮を諌めたい。
「勃起しているのね。どうしてほしい?」
「う~ん、舐めてほしいかな」
「馬鹿!」
麗禾は躊躇なく大輔の股間を蹴り上げた。
「ふぐ!」
あまりの痛みに悶絶する大輔。
「あ、あのなぁ。ここは男子の大切な場所で」
「舐めろなんて言うからよ。でもいいわ、そのままの状態でいなさい」
麗禾は首輪を持ったまま、大輔の後ろに向かう。
この時、大輔は再び四つん這いになっていた。そんな彼の股間に手を回し、麗禾はペニスを握りしめた。
「ち×ぽって固いのね。それに変な液が出てるし」
そう言いながら、麗禾はペニスをしごき始めた。
Hな小説などを読み、男性のマスターベーションの方法は熟視している。
彼女は、大輔のペニスをしごきながら、空いたもう片方の手で背中を叩いた。
大輔は興奮していた。
鞭で叩かれるのは痛くて嫌なはずなのに。こうして叩かれながらペニスを弄られると、どうしても気持ちよくなってしまうのである。
(なんでこんなに気持ちいいんだろう)
その理由が知りたい。
しかし、都合のいい答えは思い浮かばなかった。
「イキそうになったら言うのよ」
麗禾の手の動きが早くなる。
四つん這いにされ、凌辱を受けているのに、大輔はどんどん気持ちよくなっていった。
やがて、気持ちよさがマックスを迎えると、イキそうになってくる。
「まずい、麗禾、イキそうだ」
「まだ駄目よ」
イクと聞いた麗禾はペニスをしごくのを止めた。
そして、一旦立ち上がると、勢いよく大輔の首を絞め上げる。
「く、苦しい! こ、殺す気か」
「イクのは駄目。だからお仕置きしたの」
「でもなんで止めるんだよ。イカせてくれよ。これじゃ生殺しだ」
「なんかさ、いまいち私が気持ちよくないのよね。何となく、ゾクゾクはするんだけど、後少し何かが足りないっていうか」
「知るか!」
「仕方ない、レベル2に進むわ」
再び、麗禾は机に向かい、そこから次なるアイテムを取り出した。
それは、黒光りするペニスバンドであった。
「それは?」
と、不安そうな顔で大輔が尋ねる。
「これであんたを調教するわ。ほら舐めなさい」
麗禾はペニスバンドを装着すると、それを大輔の口元に持っていき、舐めるように強要した。
「い、嫌だよ」
「じゃあこれ以上気持ちよくさせてあげない。それでもいいの」
「わかりました。やります。だから気持ちよくしてください」
犬のようにペロペロとペニスバンドを舐める大輔。
たっぷりと唾液を含ませて、ペニスバンドを舐め上げると、ぬるぬるとした唾液でペニスバンドが汚れていった。
「そろそろいいわ。そのまま四つん這いでいなさい」
「な、何をするんだ」
麗禾は大輔のお尻を左右に押し開くと、アナルに向かってそのペニスバンドを突き立てた。
まだ、未熟な大輔のアナルは、なかなかペニスバンドを飲み込まない。
しかし、それでも強引に麗禾がアナルにペニスバンドを挿入させた。
「入ったわ。さぁ行くわよ!M男」
「うぐぅ。い、痛いよ、麗禾」
「我慢しなさい、すぐに気持ちよくなるから」
男女が入れ替わったアナルセックスがこうして始まろとしている――。
〈続く〉
コメント