連載官能小説『失命前の艶夜』最終回
「挿れるよ」
そう言い、利信はペニスを理沙のあそこに挿入した。
ぬむぬむと、ゆっくりと吸い込まれていく。
膣内は温かく、それでいてぬめぬめとしていた。
正常位でペニスを挿れて、最初はゆっくりと腰を動かす。
「はん、お、大きいです」
自分のペニスが大きいかどうか、そんなことはどうでもよかった。
だた、今はこの快楽に身を委ねていたい。
その思いだけが、利信を支配している。
既に一度射精しているものの、興奮は全く収まる気配を見せず、むしろ逆に高まっていた。腰の動きにも、必然的に力が入っていく。
「ねぇ、コンドームしてないけれどいいの?」
「はい、大丈夫です。今日は安全な日なんです」
「そう、ならいいけど、」
生のセックスは、それだけで気持ちがいい。
かつてないほどの気持ちよさを体感している。
ふと、結合部に視線を向ける利信。
そこは白い液体が泡を吹き、くちゃくちゃとヤらしい糸を引いている。さらに卑猥な音もこれ以上ないくらい響いているのだ。
正常位のセックスというよりも、通常のセックスが久しぶりである。
上手くできるか自信がなかったが、体は自ずと反応していく。貪欲に腰を振り、どんどんと興奮を高めていく。
気を抜くと、ペニスが抜けてしまいそうになる。しっかりと奥の方まで突き、抜けないように配慮する。
「あん、もっと突いてください、激しく」
理沙の声が漏れる。
もっと早く動きたい。しかし、これ以上ペースを上げると早くイってしまいそうになる。
そのため、バランスを取るのが非常に難しかった。
早く動けば、その分気持ちよくなるだろうが、それではすぐに果ててしまう。なるべくペースを乱さず、その代わり奥までペニスを入れて、突きに重点を置いた。
くちゃくちゃという音を響かせながら、セックスを続ける二人。
ホテルの一室は、どこまでも静かであった。二人だけの世界が広がっている。
利信は、本当に自分が死のうとしていたのかわからなくなった。
今、自分はセックスをしている。
しかし、死のうともしているのだ。
彼は、ギリギリの精神の中にいる。この気持ちいい時間が終わったら、自分はどうなるんだろう。そんな思いが脳裏をかすめたが、今はセックスに集中しなければならないだろう。
利信は、理沙の足を抱え、ややまんぐり返しのような状態にさせ、上から下に向かってペニスを突きさすような体勢をとった。こうすると、より奥深くまでペニスが入っていく。さらに、まんぐり返しに近い状態になり、理沙のあそこはこれ以上ないくらい広がっている。
まさに絶景である。
「いやん、こんな体勢恥ずかしです」
と、理沙は恥ずかしそうにするが、それほど嫌がっているようには見えない。
むしろ、ペニスを奥深くまで挿入され、恍惚とした表情を浮かべている。彼女も彼女で、気持ちいいのである。恥ずかしさはあるものの、快楽に身を委ねたいという気持ちが勝った。
しゃがみ込みながら、ペニスを挿入する利信であったが、この姿勢は意外と疲れる。半分立っているような状態だからこそ、太ももに負荷が乗り、筋トレをしているような気分になる。
(あまり持たないな)
そんな風に考えながら、利信は次の体位に体を変えていく。
正常位のまま、今度は脚を開くのではなく、上に持ち抱え、クロスさせたのである。
こうすると、膣内の形状が変わり、締め付けがより一層強くなっていった。
「くぁ、こ、これ、気持ちいいです」
「僕も気持ちいいよ。最高だ」
足を高く揚げ、その状態でペニスを突きまくる。
酷く披露し始めていたが、それでももっと気持ちよさを味わっていたかった。
足をクロスさせてから、今度は一気に開いたり、とにかくいろいろな方法でセックスをしたりして続けた。自分にここまでの技術があるとは思わなかった。しかし、理沙とセックスをしていると、どういうわけか、色々な体位を試し、気持ちよさの限界のトライしたくなるのだ。
「あ、あの、う、後ろから挿れてもらえますか?」
変則的な正常位を続けていた二人であったが、徐に理沙がそう提案した。
後ろから……、つまりバックで挿入すればいいのだろう。
無論、異論はなかった。
「構わないけれど」
「ならお願いします。後ろから突かれるとなんか本気のセックスをしているような気になるんです」
動物の交尾は大抵バックであろう。
だからこそ、野生の感覚が目覚めるのかもしれない。
利信は一旦ペニスを引き抜く。
すると、精液や愛液やらで濡れたペニスがキラキラと光り、白い糸を引いていた。これはどこまでもヤらしい光景である。より一層、興奮を高めていく。
理沙を四つん這いにさせると、お尻を高くあげさせ、お尻の割れ目を左右に押し開いた。
すると、膣口だけではなく、アナルもくっきり見えるようになる。
理沙の菊門はムダ毛が一本も生えておらず、キレイな色合いをしていた。本当にここから排泄物出るのか不思議になるくらい美しいアナルをしている。
(後ろからか……。よし)
利信はペニスを手で支え、ゆっくりと膣口に導いていく。
しっとりと濡れている理沙のあそこはすんなりと利信のペニスを飲み込んでいった。
正常位に比べ、激しいセックスができるバックは、より一層二人の興奮を高めていった。
利信の腰の動きに合わせて、理沙も腰を振り、二人は一心同体でセックスを楽しんでいく。
「す、すごい、奥まで届きます。子宮が喜んでる」
バックで挿入すると、本当に奥の方まで届く。
利信のペニスはどちらと言うと長いから、子宮の奥深くまで突き刺すことができた。
通常のバックの状態で、一通り突き続けると、利信は、今度は理沙の右太ももを持ち上げ、オスの犬がおしっこをするような体勢を取った。あそこが押し開かれて、結合部分が丸見えなる。
「いやん、こんな姿勢。なんか獣みたいですぅ」
「でも気持ちよくなるよ。行くよ」
その状態のまま、やや横側からペニスを突く利信。先ほどまでとは違う刺激が伝わり、これはこれで気持ちがいい。理沙の膣内は、何か襞のようなものがついており、それが横向きに挿入したことで、ペニスを一気に刺激したのである。
(名器なのかな? この子のあそこは)
そんな印象がある。足を高く掲げた状態から、さらに進めて、今度は立ちバックで挿入する。より一層獣じみた印象となり、理沙の喘ぎ声も大きくなる。
「すごい、まだ、ち×ぽが大きくなっている。私、犯されてるみたいです」
立ちバックの状態で、奥深くまで挿入し、懸命に腰を動かす。
そろそろ限界も近い。まだ気持ちよさを味わっていたいが、もう持たないかもしれない。
「そろそろイキそうだ。どこに出したらいい?」
利信は、腰を動かしながら、姿勢をやや前景にしつつ、そんな風に呟いた。
「な、中に、下さい」
「中に? いいの」
「大丈夫です。中出しがいいんです」
「わかった。じゃあ中に出すよ」
もう、動きを制限しておく意味はない。
力を解放するように、利信は、あらん限りの力で腰を動かした。
恐ろしいスピードでピストンを続けると、やがてオルガスムスを感じ始める。
ペニスに巨大な快楽の爆弾が降り注ぎ、彼は一気に果てた。
その瞬間、理沙の膣内に勢いよく精液が流れ込んでいった。
ドクドクと白い精液で満たされている。
「す、凄い量。それに熱いです。私、中に出されているんですね。気持ちいい」
「僕も気持ちいい。こんなのは初めてだよ」
バックの状態で大量に射精をすると、結合部から精液が流れ始めた。
「まだ抜かないでください。味わっていたんです。あなたのち×ぽを」
「わかった。しばらくこのままでいよう」
こうしてセックスは終わった――。
満たされた時間が終わりを告げ、二人はごろりとベッドの上に横になっていた。
「死ぬ気はなくなりましたか?」
と、理沙は不安そうな顔でそう言った。
「うん。生きるよ。多分」
「そうですか、それが一番です」
「でもどうして僕が自殺を考えてるってわかったの?」
「ドラッグストアで死にそうな顔して睡眠薬を大量に買ってるのを見たんです。実は、私も昔、そうやって死のうとした経験があるから、何となく、自分が重なって。それで救いたいって思ったんです」
「それでセックスを? なんかゴメンね」
「当時、死のうとしていた時、彼氏が優しく抱いてくれたんです。それでセックスの力は偉大だなって思って。それであなたを救いたいって思ったんです」
「ありがとう、助かったよ。このお礼はいずれ必ずするから」
「わかりました。では楽しみにしています」
失命前。利信は艶夜を経験し、不死鳥の如く蘇った。
彼と理沙の関係が始まったのは、また別の話……。
〈了〉
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