連載官能小説『憧れの女子生徒』第1回
新年あけてからの学校は怠い。
冬休みボケを抱えながら、勝田勇磨は高校へ向かっていた。
季節は1月。まだまだ気温も寒い。マフラーを首にぐるぐると巻いて防寒しつつ、彼は足取り重く歩いていた。まだ高校1年生である勇磨は、進路について全く考えていない。漠然と大学に行けたらいいかな? くらいしか考えていないのである。
そもそも彼の通う高校は、それほど進学校ではなく、高校一年生の段階では、ほとんどの生徒が受験勉強を始めていなかった。のんびりと高校生活を楽しんでいたのである。
学校に着き、教室へ向かう。
今日も一日怠い日が始まりそうだ。そう思うと、気分も重くなってくる。
彼がそんな風に考えていると、教室のトビラが開き、一人の生徒が入ってくる。
肩まで伸びたライトブラウンの髪の毛に、メルトンのコート姿が良く似合っている。スラっとしたキレイな脚は、黒タイツに包まれており、それより一層魅惑的に見える。
学園のアイドル。西園寺奏の登校である。
(西園寺さん。今日も可愛いなぁ)
と、羨望の眼差しで奏を見つめる勇磨。
密かに憧れを持っているもの、未だに交流を持った経験はない。遠くから、見ているだけの関係。これは関係とは言えないかもしれない。
そもそも、勇磨は自分に自信がなかった。決してイケメンではないし、スポーツが得意なわけでも、勉強ができるわけでもない。取柄なんてほとんどないし、モテる要素が皆無なのだ。だからこそ、奏のような美少女に近づいたところで、全く脈はないだろうと考えていた。
やがてホームルームが始まり、そこで教師からある提案がされた。
新年も始まったことだし、気持ちを新たに席替えをしようという提案だった。
これには、教室内も色めき立つ。席替えは、なかなかのイベントである。当然ではあるが、勇磨の心も高鳴っていく。そしてこの席替えがある奇跡を生む。
席替えにより、勇磨は窓際の席をゲットした。これだけでも運がいいのであるが、さらに幸運は続く。なんと、憧れの奏の隣の席になったのだ。新年早々ツイている。と、一気に気分が盛り上がる勇磨。
席が隣になった時、勇磨は奏に向かって声をかけてみた。
何となく、挨拶くらいはしておいてもいいと思ったのである。
「あ、あの、西園寺さん、宜しく」
おっかなびっくりな声で、勇磨は奏に向かって挨拶をする。
すると、奏はにこやかな笑みを浮かべて、
「うん、コチラこそよろしく、勝田君」
勝田君。
今、奏は確かに勝田君と言った。
名前を覚えているんだ。そう思うと、心の底から嬉しくなる。
あまりに展開に、勇磨は固まってしまう。彼が硬直していると、それを不思議に思った奏がさらに声をかけてきた。
「どうかしたの、勝田君?」
その言葉にフリーズが解ける勇磨。
「あ、いや、名前覚えていてくれてるんだなって思って」
「え、だってクラスメイトじゃない。当然でしょ」
「そ、そうか、そうだよね、ゴメン、変なこと聞いて」
「ううん。それに勝田君は真面目そうだし、何となく印象に残って」
「ありがとう」
印象に残っている。その発言を聞くだけで、勇磨の心は踊った。
そのまま一日は過ぎていき、やがて放課後を迎えた。
部活動に入っていない勇磨は、授業が終わればそのまま帰宅するのであるが、今日は何となく、教室に残りぼんやりとしていた。一人、また一人下校していく中、勇磨は一人残り、哀愁の漂う教室内にいた。
どれくらいだろう、ぼんやりしていると、日が暮れてきたのがわかった。
また1月である。夕方5時くらいになれば、薄暗くなってしまう。
(そろそろ帰るか……)
そう思い、腰をあげると、途端教室に一人の少女が入ってきた。
それは奏だった。
奏は教室に残っていた勇磨を見つけると、興味深そうに尋ねる。
「あれ、勝田君、残ってたの?」
それを受け、勇磨は答える。
「あ、うん。ちょっとボケっとしてたら、こんな時間になっちゃって」
「そうなんだ。勝田君てどこに住んでるの?」
「俺は、A町だよ、だからここからも近い」
「ふ~ん、なら途中まで一緒ね、よかったら一緒に帰らない?」
「え? いいの」
「うん。私も委員会終わって後は帰るだけなの」
「それじゃ是非」
こうして二人は一緒に帰ることになった。
帰り道、勇磨はドキドキとしていた。何か話さなくてはならないのだが、何を話せばいいのかわからない。とにかく無言になるのは避けたかった。
その時だった、会話を探して何か話そうとすると、急に、奏がふらついて、勇磨に倒れ掛かってきたのである。
「さ、西園寺さん。だ、大丈夫」
「ご、ゴメンなさい、ちょっと貧血で、少し休める場所があればいいんだけど」
休める場所といってもこの近くには何もない。あるといったら住宅地くらい。
「休む場所……、この近くだと俺の家くらいしか」
「迷惑でなければ、勝田君の家で少し休ませてくれないかしら」
「え、俺の家でいいの?」
「うん、ちょっと辛くて」
「わかった。じゃあ俺の家に行こう」
唐突な展開であったが、勇磨は嬉しかった。
憧れの奏を家に呼べる。それだけで胸は高鳴る。
勇磨の両親は共働きで、夜も遅くなる。それ故に、今自宅には勇磨しかない。
彼は自分の部屋に奏を招き入れると、サッとベッドをキレイにして、そこで寝てもらうことにした。
「よかったらベッド使って。俺お茶を淹れてくるから」
「ゴメンなさい、じゃあちょっと休ませてもらうわね」
「うん」
リビングへ行き、お茶を淹れて戻ってくると、奏は静かに眠っていた。
余程貧血が辛かったのだろう。もしかすると、疲れもたまっていたかもしれない。
奏の寝顔を見ていると、とても可愛らしい。
静かに寝息を立てて、彼女は眠っている。
そんな姿を見つめていると、奏が寝返りを打った。
布団がめくれ、制服姿の奏が露になる。スカートがめくれ上がり、下着が僅かに見えている。
(西園寺さんのパンツが見えそうだ)
急激に悪戯したいという思いが浮かび上がる。
(す、少しくらいなら……)
勇磨は奏が眠っているのを確認すると、スカートの裾を指先で摘み、ひらりとめくりあげた。
すると、シンプルな白の下着があらわになる。決して華美なものではなく、可愛いらしい白の下着だった。
(駄目だ、こんなことしちゃ……)
頭ではこれが悪いとわかっているのだが、身体が言うことを聞かない。
勇磨はじっと奏を凝視し、さらに一歩進める。
(ごめん、西園寺さん、俺我慢できないよ)
勇磨は奏のショーツに手をかけ、少しずつ下ろしていった。
すると、淫靡な匂いが充満し、さらに陰毛が顔を出した。
控えめな陰毛はそれほど量が多くなく、うっすらと生え渡っている。恥丘をなぞるように見つめていくと、奥に大陰唇が見えている。ピタッと女性器は閉じているが、かなりエロスを感じさせる光景である。
(これが、西園寺さんのおま×こ)
奏は余程疲れているのか、全く起き上がる素振りを見せない。
それをいいことに、勇磨はさらに大胆に行動を進める。
奏の下着を完全に脱がし、今度は、脚を持った。そしてその足をゆっくりと左右に開いていく。そうすると、それまで閉じていた女性器がくぱぁと顔を出し、膣口まではっきりと見えるようになった。
小陰唇から膣口にかけてはキレイなサーモンピンクをしており、みずみずしい印象がある。また、ムダ毛がほとんどなく、かなりキレイな形である。
堪らなくなった、勇磨は、自分のズボンの中に手を入れ、ペニスをしごき始めた。
既にペニスは硬く勃起している。学校一のアイドルである、奏の悩殺ショットを見て、どこまでも興奮は高鳴っていく。
(ご、ゴメンよ。西園寺さん、俺、我慢できないんだ)
軽く性器に触れてみる、勇磨。
当然ではあるが、奏の性器は乾いている。眠っているから興奮するはずがないのである。
しかし、指先であそこに触れていると、僅かながら、湿り気を感じ始める。
ぬめぬめとした質感が、勇磨の指先を覆っていくのである。
(少し濡れている)
手でペニスをしごきながら、女性器を弄っていると、あっという間に気持ちよくなってしまう。もう、それほど持たないだろう。これは自分が持っているどんなエロ本よりも、魅力的であると思えた。
(もう駄目だ……。イク)
次の瞬間、勇磨は、オルガスムスを感じ、果ててしまった。
大量の精液が飛び散り、彼の手を汚した。
勇磨はティッシュで精液をふき取ると、何事もなかったかのように、楓の下着を戻し、布団をかけた。
それから一時間後、楓は起き上がり、無事に帰れるようになった。途中まで送っていき、別れる勇磨。心の中は罪悪感でいっぱいだった。
(俺、なんてことをしてしまったんだろう、最低だ……)
奏は気づいていたのだろうか?
それはわからない、しかし、翌日になり、物事は一気に進展する。
翌日――。
いつも通り、学校へ行き、いつも通り授業を終える。
そして放課後になり帰ろうとすると、勇磨は奏に呼び止められた。
「勝田君。そ、そのちょっといい?」
ドキッとする勇磨。
「え、何?」
「き、昨日のこと、昨日はありがとう。休ませてくれて。で、でも、そ、その……」
勇磨はドキドキとして状況を見つめた。
「実はね、昨日勝田君が私にしたこと、私知っているの」
バレている。
勇磨の中で何かがガラガラと音を立てて崩れ落ちていった――。
〈続く〉
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