連載官能小説『痴漢少年』第1回

連載官能小説

連載官能小説『痴漢少年』第1回

(やれ! やるんだ)

気合を込めて電車に乗る一人の大学生がいた。

彼の名は坂本忠。A大学に通う普通の学生である。

しかし、彼は今、大いなる決意をしていた。どんな決意をしたのかというと、痴漢をしてやろうと考えたのである。どうしてこんな風に思い立ったのかはわからない。ただ、漠然と痴漢をしてみたいと思ってしまったのだ。

(大丈夫だ。俺にならできる……)

念じるように考える忠。

慌ただしい朝の時間帯の電車に乗り、彼はターゲットとなる女性を探した。

女性専用車両には乗れない。となると、普通の車両でターゲットを探すしかない。電車に乗り、彼が満員電車に揺られていると、丁度良く、次の駅で若い女性が乗ってきた。それは、キャリアウーマン風の女性で、タイトなパンツスーツを穿いていた。ダークグレーのスーツが良く似合っている。

本当は同じくらいの年齢の女性がよかったが、文句は言えない。この人をターゲットにしよう。そう考え、忠は、女性の後ろにぴったりとつけた。

やがて、電車が動き始める。

ガタンゴトン……。

車輪がレールを軋る音が聞こえ始め、車内は未動きができないくらい窮屈になった。

(やるんだ!)

意を決し、忠はキャリアウーマンのお尻に手をぴったりと当てた。

正直、混雑が凄すぎて、触っている感覚がない。何をしているのかわからなくなる。

(俺、何しているんだろう……)

漠然とそんな風に考える忠。

しかし、既に賽は投げられてしまった。最早、後には引けないだろう。

キャリアウーマン風の女性は、ピクッと体を反応させ、誰が自分のお尻を触ったのか確認しようとしている。ただ、混雑が酷くて、誰が触っているのかわからないようであった。

忠は、女性のお尻を弄るように触れていくが、やがて、飽きてしまった。確かに興奮はするのであるが、特別気持ちがいいわけではない。痴漢をする人間は多いが、一体なんで痴漢なんてするのか理解に苦しんでしまった。

とはいっても、今は自分が痴漢になっている。それだけは忘れてはならない。

やがて次の駅に停車し、人がホームに降りていく。

それに合わせて、忠もホームに降りた。

そして、そのまま何事もなかったかのように、帰ろうとした時、突如後ろから腕を掴まれた。

「ちょっと待ちなさい」

その声は、女性の声であった。

しかし、全く知らない声である。

慌てた忠は、身体を小さくしながら振り返った。

彼の視線の先には、先程自分が痴漢した女性が立っていた。

「あ、あの、何か?」

あくまでも冷静にそう呟く忠。

対する女性は、少し怒っているように見えた。

「何かって、とぼけても無駄よ。あなた痴漢でしょう?」

完全にバレている。

もしかすると、捕まってしまうかもしれない。

(まぁいいか、別に俺の人生なんて終わったようなものだから……)

「俺を、警察に突き出すんですか? それならそれでいいですよ、俺なんて、どうせ何もできない、ただの愚か者ですから」

あまりの態度に、女性は面を食らったようであった。

じっと忠に視線を向け、そして言う。

「とにかく。痴漢は犯罪なのよ、キチンと罪を償うべきね。でもね、私、これから仕事に行かないとならないの。だから、あなたの連絡先教えてくれる?」

「いいですよ。好きにしてください」

言われるままに、忠は連絡先をメモ紙に書き、それを女性に渡した。

あまりに淡々としているので、女性自身も驚いているのだろう。ここまで堂々としている痴漢はなかなか存在しない。

「仕事が終わったら連絡します。ちゃんと出てもらえるかしら」

「はい、大丈夫です。その時、生きていればですけど」

「あなた、死ぬ気なの?」

「いえ、そうじゃないです。ただ、どうでもいいんですよ。俺は逃げも隠れもしません。だから早く、俺を警察に突き出して、犯罪者にすればいいじゃないですか」

「とにかく、話は、仕事が終わったら聞くわ」

結局、二人はそれで別れた。

忠は、そのまま駅を抜け、家に向かった。大学生である忠は、本来大学に行かなければならない。しかし、彼は行く気がなかった。その理由は、単位を落としてしまい、留年が決まっているからである。なら、これから授業に出ても意味はない。それに、留年したことは、少なからず両親に伝わる。そうなったら、何を言われるかわからないし、大学を中退するかもしれないのだ。

なら、もう何をやってもいい。犯罪者になったって全く問題はないだろう。と、かなり過激なことを考えていたのである。その延長線上で、痴漢をしてみてもいいかなと思ってしまったのだ。

夕方。時刻は午後六時。忠が自室で横になっていると、スマホに連絡が入った。着信画面を見てみると、全く知らない番号からかかってきている。

(朝の女の人かな?)

そう考えた忠は、電話に出た。

「もしもし、どちら様ですか?」

「例の痴漢君ね。よかった、生きていたのね。ちょっとこれから出てこれる? 私、A駅にいるから」

「警察に行くんですね。わかりました、行きましょう」

「まぁ話を聞いてからね。とにかくA駅にいるから」

そう言うと、電話は切れてしまった。

忠は、上着を切ると、そのままA駅に向かって歩き始めた――。

 

夕暮れのA駅は、サラリーマンや学生でごった返していた。駅の改札の方へ向かって行くと、朝のキャリアウーマン風の女性が立っているのがわかった。これから警察へ行く。そして、尋問されて、自分は犯罪者になる。でも、別にいいんだ。むしろ自分には犯罪者のレッテルが相応しい。そんな風に思っていた。

「こんばんはでいいんですかね」

と、忠は女性に近づいて、そう挨拶した。

女性は、真面目そうな顔で、

「そうね。じゃあ行こうかしら……」

「行くってどこに?」

「付いてくればわかるわ」

女性は、忠の手を掴んで、そのまま歩いていく。

A駅の裏側には、ラブホテル街があるのだが、女性はその方角に歩いていく。一体、こんな場所に何の用があるのだろうか?

「こっちホテル街ですけど、何しているんですか?」

と、忠は尋ねる。

すると、女性は、あるホテルの前で立ち止まり、

「決まってるでしょ。これからホテルに行くのよ」

「え、な、何でですか?」

「痴漢君。君はHなことがしたいから痴漢したんじゃないの?」

「別にそういうわけじゃ」

「変な子ね。なんかね、私あなたが普通の痴漢ではないような気がしているの。だから、ちょと気になってね。それで話を聞いてみようと思ったわけ」

「それでホテルに誘ったんですか? 普通じゃないですよ」

「細かいこと気にしない」

二人はあるホテルに入り、部屋で座り込んだ。

普通のラブホテルであり、大きなダブルサイズのベッドが部屋の中央にセットされている。全体的に小ぢんまりとして印象がある。ベッドの向かい側には、中型のサイズの液晶テレビがあり、さらにカラオケもできるようであった。

「それで、どうして痴漢なんてしたの?」

「理由はないですよ。ただ、さっさと警察に突き出せばいいじゃないですか」

「よっぽど犯罪者になりたいのね。変わっているわ、本当に」

「俺の人生なんて終わったようなものですから」

「仕方ない。実力行使で行くか……」

女性は不穏な言葉を囁くと、ベッドの上に忠を押し倒した。女性離れしている力強さがある。されるがままにベッドに押し倒された忠は、少し慌て始めた。

(なんでこんな展開になる……)

女性はさらに大胆な行動をとり、忠の穿いているズボンを下ろすと下着姿にさせた。そして、下着越しにペニスを触り始めた。

「ちょっと、何をしているんですか?」

「痴漢返し。痴漢された仕返しよ。言うことを聞きなさい」

ペニスを触られていると、どこか興奮してしまう。その内、ペニスは硬く勃起し始めた。

「やる気満々ね。いい傾向よ」

次に、女性は忠の下着を脱がすと、ペニスを露出させた。

そして、忠のペニスをしごき始める。

突然の展開に、驚いてしまう忠であったが、身体は快楽を求めている。もう、どうなってもいい。

「手でされるのと、口でされるのどっちがいいかしら?」

「そんなこと……、急に言われても」

「じゃあ口でしてあげる」

女性は、忠のペニスを口に含むと、しゅぼしゅぼと音を立てながら、フェラを開始した。

あまりの気持ちよさで、忠はおかしくなりそうであった。

女性のフェラは巧みであり、亀頭の裏側を舐めたり、陰嚢を揉みしだいたりして、忠を誘惑していく。

(す、すごい気持ちいい……)

と、忠は感じていた。

思わず、「うお」や「あっ」という声が漏れていく。

特にここ最近マスターベーションをしていなかったから、刺激がより一層強く感じるのである。

「あ、あの、そんな風にされると、俺、イってしまいますよ」

「いきほうなのね、もうひょっとかまんしなはい」

フェラを続けながら、女性は、聞き取りにくい声で囁いた。

にちゃにちゃと、淫靡な音が室内に響き渡り。それが一層興奮のレベルを押し上げていく。

「うぁ、もう、ダメです、俺イキそうですよ」

やがて、我慢しきれなくなった忠が悲痛な叫び声をあげる。

「なら、いきなはい。いってしまいなはい」

女性のフェラの動きが早くなり、途端ペニスを吸い込むように刺激し始めていった。

「うわぁぁぁ、イク、イキます!」

圧倒的なオルガスムスを感じ、忠は勢いよく射精した。

ドクドクとした液体が、女性の口内に発射されて、女性はそれを受け止めていく。

何を思ったのか、女性は発射された精液を吐き出さず、一気に飲み干した。

「スゴイ、濃いザーメンね。どう? 気持ちよかった?」

淡々とした口調で女性は尋ねてくる。

忠は、気持ちよさで、身体がだらけてしまっていた。しかし、何か答えないとならない。

「まぁ、気持ちよかったですかね。でも、何をしているんですか?」

「今は余計な詮索はしないで、次のプレイを楽しみましょう。あなた痴漢をするくらいだから、女性の体に触りたかったんじゃないの? たっぷりと触らせてあげるから。今度は私を気持ちよくして頂戴」

女性はそう言うと、着ていたスースを脱ぎ、下着姿になった。シンプルな白のブラとショーツ、決して派手ではなく、清楚な印象がある。

ゴクリと生唾を飲み、女性の体を見つめる忠。

つい今しがたイッたばかりなのに、既にペニスは回復し、ギンギンに勃起していた――。

 

〈続く〉


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