連載官能小説『痴漢少年』第2回
一体、なぜこんなことになっているのだろう?
(この人は一体……)
忠は、女性の体を見つめながら、そんな風に考えていた。
ペニスは興奮しているのだが、何をするべきなのかわからない。
忠は、童貞であり、女性経験がない。だからこそ、どうやって女性を気持ちよくできるのかわからなかった。
岩のように固まっていえると、女性の方から声をかけてきた。
「どうかしたの?」
「い、いや、あなたは一体何者なんですか?」
「そう言えば名乗っていなかったわね。私は冴子。北条冴子よ」
「冴子さん。一つ聞きますけど、なんでこんな真似を? 俺はあなたに痴漢しようとしたんですよ。それならば、俺は今頃警察にいるべきだ。痴漢は犯罪なんだから」
「そんなに警察に行きたいわけ?」
「だって、俺は犯罪者だし」
「なんかさ、あなたを見ていると、可哀想になってきて、警察とか行く気分じゃないのよね。それに痴漢行為をしたってことは、Hな行為には興味があるわけでしょ?」
「そ、それはまぁ、人並みですけど……」
「それなら何も考えずに、ただ、身を委ねればいいのよ」
「美人局か何かですか?」
「本当に疑り深いのね。そんなんじゃないの。たださ、私も手っ取り早くセックスできる相手を探していたって言うか、それで、私に痴漢をしてきたあなたを相手に決めたの。それでいいかしら?」
「そ、そんな簡単に……」
「性的な欲求は人間の本能よ。それは男女関係ない。あなただって性欲があるでしょう。それと同じで、私にも性欲はあるの。だから、今日だけの関係。後腐れないし、何も心配はないわ」
「そ、そうかもしれないですけど」
「とにかく深く考えず、今を楽しめばいいの。あなた、死にそうな顔しているわよ。そんな顔していると、幸運も逃げてしまうわ。ほら、笑って……」
笑ってくれと言われても、忠は素直には笑えなかった。漠然と冴子を見つめ、そのまま立ち尽くした。
確かにセックスはしたい、Hな行為もしたい。
でも、なんだかできすぎていて、素直に喜べないのだ。
「まずは胸から触ってみる?」
と、冴子は得意げな表情で呟く。
そして、そのままブラのホックを外し、バストを露出させた。
冴子のバストは、決して巨乳というわけではない。しかし、形がよくて、ぷにぷにとした印象があった。
忠は、とうとう覚悟を決めた。
冴子が何者であったとしても、それは関係ない。
騙されたっていいじゃないか。どうせ半ば終わったような人生だ。今騙されたって、問題はないだろう。
忠は、吸い込まれるように、冴子の胸に触れた。
「どう、柔らかいでしょう」
「はい、柔らかいです」
「触り方がぎごちないわね。もしかしてあなた童貞?」
「はい、童貞です?」
「えっと、名前は確か……」
「忠です」
「そう。忠君。私は別に童貞でも構わないわよ。要は、気持ちよくさせたいという気持ちが大切なのよ」
「わかりました」
「じゃあ胸を触って私を気持ちよくさせて頂戴……」
忠は、言われるままに、冴子の胸に触れる。
どこまでも柔らかく、マシュマロのような触り心地である。
(これが、女性の身体……)
半ば、忠は感動していた。
男性とは全く違う感触。素直に素晴らしいと思えた。
次に、忠は乳首を刺激し始めた。指でくりくりと刺激していくと、ぷくっと乳首が膨れ上がり、硬くなっていく。そして、そのまま乳首を舐め始めた。激しく吸い付きながら、さらにもう片方の乳房を揉みしだいていく。
「ふあ……いいわ、いい感じよ、忠君」
ちゅぱちぃぱ……。
卑猥な音が鳴り響き、室内を覆いこんでいく。
初めて吸い付く乳首は、どこか甘い香りがする。女性特有の甘い香りが鼻をつき、忠を刺激していく。
胸を揉んでいくと、次なる興味が湧いて出てくる。
(もっと触りたい……)
胸だけでは満足できない自分がいる。
胸の次は……。
そのまま、下半身に手を伸ばしていく。
冴子はまだショーツを穿いているが、それを脱がしてもいいのだろうか?
ショーツ越しに、秘部に触れてみる。
(あ、熱い……)
冴子の秘部は、じんわりと熱を帯びていた。
それにプラスし、うっすらと濡れているのがわかった。
「濡れていますね」
と、忠は言った。
「ふふ、そうね、私も興奮しているのよ。ほら、もっと気持ちよくして……」
指で丁寧に探っていくと、愛液がどんどんと溢れ出していき、ショーツのクロッチ部分に染みができていく。その光景はどこまでも淫靡であった。
「ショーツ脱がしてもいいですか?」
「ええ、好きにして頂戴」
ごくりと生唾を飲み、忠はショーツに手をかけて、脱がし始めた。初めて見る女性器。縮れた陰毛の先に、ワレメが見えて、じんわりと濡れているのがわかった。
恥丘に触れると、意外と硬いということがわかった。そして、そのまま指を秘部に持っていく。
(すごい、熱い……)
冴子の秘部は燃えるような熱があった。
同時に、愛液が滴り落ちており、それが忠の指を濡らしていく。
ぬるぬるとした、独特の愛液がてかてかと光っていて、妙な興奮を生み出していく。
膣口に指を持っていき、そのまま膣内に指を入れてみた。
かなり濡れているので、指はすんなりと膣内に吸い込まれていく。
「あん。指が入ってくるわぁ。もっと刺激してぇ」
人差し指で膣内をくりくりと刺激し、もっと奥まで入れていく。
(一本だけじゃ足りないな)
そう思った忠は、人差し指と中指の二本を膣内に挿入した。
変幻自在に形を変える女性器は、二本の指も吸い込んでいき、にちゃにちゃと卑猥な音を上げ始めた。
「くぅあ……。あん、いい感じよ、そのまま指を動かしてみて」
言われるままに、忠は指をピストンさせていく。
ぬるぬるとした質感で、指はスムーズに動く。
もっと気持ちよくさせたい。どうしたらいいのであろうか?
(確か、クリトリスが気持ちいいんだよな)
知識として、忠はクリトリスの存在を知っている。
女性の一番敏感な部分。それがクリトリスである。大まかな位置も大体把握している。
指を二本入れながら、親指で、女性器の上方部分を刺激する。そこには包皮に覆われた部分があり、そこを押し広げていく。すると、中から白い豆のようなものが顔を出し、それがクリトリスであるとわかった。
試しにそこを指で刺激してみる。
途端、冴子の身体が反り返った。
「あぁぁぁぁぁん、そ、そんな敏感なところを弄らないでぇ」
クリトリスを刺激しながら、さらに、膣内を指で突き続ける。
「あひぃ、気持ちいいぃ、気持ちいいぃのぉ。おかしくなりそうぅ」
激しい指使いで女性器を刺激していくと、やがて冴子もオルガスムスを感じ始めた。
身体をガクガクと痙攣させ、足を無意識に閉じ始めた。
忠は、冴子の足を強引に開き、そのまま指でクリトリスを刺激しながら、さらに、膣内を突き続ける。
「あぁぁん、もう駄目、私、イキそうよ。最後にもっと激しくしてぇ」
冴子の声が大きくなる。
忠が指使いも激しくなった時、突如、冴子の陰部から愛液が迸った。尿と愛液が入り混じり、潮を吹いたのである。びちゃびちゃと液体が飛び散り、それがシーツに迸っていく。
ガクガクと悶えていた冴子は、そのままベッドの上にへたれこんだ。
「イッたんですね? 気持ちよかったですか?」
「忠君、よかったわ、初めてとは思えないくらい」
「あ、ありがとうございます」
「でも、まだまだこれからよ。もちろんまだやる気は満々よね?」
「もちろんです」
「じゃあ次のステップに進みましょう。当然だけど、セックスをするのよ。私とセックスすれば、あなたの悩みも吹き飛ぶし、私も気持ちよくなる。まさに一石二鳥よ」
「は、はぁそうかもしれません」
「忠君は童貞だから、最初は私が主導になってやってあげる、まずはあなたは仰向けで横になっていてね。騎乗位で始めましょう」
そう言うと、冴子は体を起こし、忠を仰向けに寝かせた。そして、そのまま忠のペニスを手で持つと、にっこりと笑みを浮かべた。
(お、俺、セックスするんだ……。どうなるんだろう)
不安と期待が入り混じる中、忠はとうとう大人の階段を登る――。
〈続く〉
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