連載官能小説『同級生狩り』第1回
「久しぶりね、昭君」
「あ、あぁ、そうだよね」
洒落たバーの中で、二人の男女が会話している。
女性の名は、西城真紀。男性の名は飯田昭。
二人は高校時代の同級生であり、今こうして10年ぶりに会ったのである。
高校を卒業してから10年。既に28歳になった二人は、それぞれの生活を送っている。真紀なら、数年前に結婚したし、昭も仕事をそれなりに覚えて、会社の戦力になりつつある。
昭は高校時代真紀に憧れていた。告白はしなかったが、ずっと思いを抱いていたのだ。しかし、真紀とこうして再会し、結婚の事実を聞き、少なからずショックを覚えていた。
昭と真紀は、休日の街で偶然出会った。恐らく、真紀? と、昭が考えていると、真紀の方から声をかけてきたのである。そして、意気投合し、そのまま居酒屋に直行し、その後、バーに移って話を楽しんでいた。
「結婚したんだね」
と、昭は告げる。
なるべく心中を悟られないように、快活な声を出す。
真紀は左手の薬指につけられた指輪に視線を落とすと、
「うん。だけどね、全然ダメなのよ」
「全然ダメ?」
「そう。私の旦那ね、浮気しているのよ」
重たい話になり、昭は黙り込む。
結婚する人間は多いが、それでも、すべての人間が幸せになれるわけではない。離婚する人間も多いし、結婚生活に疲れている人間も多いのだ。
昭は結婚していない。それに彼女もいない。
彼女がいた時期もあっただが、あまり上手くいかず、数年前に別れていた。それ以降、誰とも付き合ってはおらず、孤独な日々を暮らしている。
自分が真紀の旦那だったら、きっと浮気なんてしないだろう。
きっと幸せにしてみせる。そのくらいの心意気がある。
「どうするの?」
ふと、昭は尋ねた。
すると、真紀はキョトンとした表情を浮かべた。
「どうするって何が?」
「浮気されてるんだろ。なら何か対策はしているのか?」
「何もしていないわ。多分、向こうはこっちが浮気に気づいているとは思っていないもの。それに何をしていいのかわからないし」
「苦しくないのか?」
「そりゃまぁ苦しいけれど……」
酒も大分進み、昭の気分は高揚していた。
心の底から旦那が憎い。なのに、何もできない自分がいる。
それが歯がゆくて堪らなかった。
「この後、暇か?」
「暇っていうか。帰らないと、旦那は帰りが遅いけれど、家に帰って私がいなかったらきっと不振に思うだろうし」
時刻を確認する。
既に、時刻は夜10時を回っていた。
普通の主婦として生活しているのならば、そろそろ帰らないとならないだろう。
しかし、このまま真紀を返したくない。
もっと二人の時間を満喫したい。
「もう少し付き合ってくれないか?」
「どこか行くの?」
「あぁ。少しでいい」
バーを出て、今度は駅の裏側の方へ回る。
そちらには飲食店などはほとんどなく、代わりにラブホテルなどが建っている。
「ちょっとこっちって」
ホテルの風景を眺めて、真紀は慌てている。
「旦那、浮気しているんだろ。なら、お前も浮気し返してやれよ」
「え、それってつまり」
「俺とホテル行かないか?」
「駄目よ。私は一応人妻なのよ」
「わかってる。でも俺は苦しんでいる真紀を見たくない」
真紀は必死に抵抗し、帰ろうとしていたが、強引に口説き、何とかホテルに引き込んでいく。
ラブホテルは、それほど混雑しておらず、すぐに部屋が取れた。
シンプルなタイプの出屋で、十畳ほどの空間にダブルベッドが鎮座している。
「ねぇ、やっぱり私帰るわ。こんなのよくないし」
「大丈夫だよ、真紀は真面目過ぎるんだよ。少しくらい羽を伸ばした方がいい」
「でも、だからといって、浮気するなて」
「旦那はしているんだろ。ならお前には何も言えないはずだ」
「そ、そうかもしれないけれど」
真紀は困惑した表情を浮かべる。
酔いが回っている昭は、ベッドの真紀を座らせると、そのまま肩を掴んだ。そして、強引いキスをしようと迫る。
真紀は必死に抵抗する。
「ちょっと、昭君、何をするの、や、止めて」
「キスするだけだよ。別にいいだろ」
「よくないよ、だった、私人妻なのよ」
「人妻だからなんだ、お、俺はなぁ、ずっとお前のことが……」
好きだったとは言えなかった。
しかし、その代わり強引に唇を奪った。
むちゅみちゅちゅぷ……。
唇が触れるだけのキスから、強引に舌を入れて絡ませていく。
真紀は必死に抵抗するが、力は昭の方が強い。
されるがままに、真紀は押し倒されていく。
「みちゅ、みちゅ。蕩けるようなキスだ。どうだ、興奮してこないか?」
「い、いい加減して……。止めてよ」
圧倒的な拒絶だった。
それでも酔っていた昭は止まらなかった。強い力で真紀を押し倒すと今度は、服を脱がしにかかった。
真紀は、白のタートルネックに、ベージュのスリムパンツを穿いている。コートは既に脱いでおり、昭はタートルネックを脱がし始めた。
「いやいや、止めてぇ、昭君、何をするの」
「決まってるだろ、そんなこと言わせるな」
「いやぁぁぁ。やめてぇー」
このホテルは防音の設備がしっかりしているのか、外に声は響かなかった。
ニットを強引に脱がし、次はパンツに手をかける、スリムパンツであるため、かなり脱がしにくかったが、強引にパンツを脱がすと、そのまま自分の上着やスラックスを脱ぎ始めた。あっという間に真紀を下着姿にすると、再びキスをしながら、ブラを外しにかかる。
真紀は懸命に暴れるが、力では昭に適わない。なすすべなく、ブラを外される。すると、形のいい乳房が露になる。決して大きくはないが、小さくもなく、大きさは手ごろであった。また、まだ28歳ということもあり、女の盛りである。甘い香りが漂い、暴れてもなお、美貌を残している。
これはレイプである。それはわかっている。だけど昭は止められなかった。
「も、もう、やめてぇぇぇ。いやよぉぉ」
胸を揉みしだき、そのまま乳首に吸い付く。女性特有の甘い香りが昭の鼻をつく。牝の香りが漂い、それが昭を興奮させていく。
「素直になれよ。旦那とはセックスしているのか?」
「そ、そんなこと言えるわけないじゃない」
「してないんだろ、なら、溜まってるはずだ、ストレス発散させようぜ」
「いやいや、やめてぇ、いい加減にしてよ、昭君」
「そのうちに気持ちよくなるから。少し我慢してくれ」
「いやぁぁぁぁ。もう帰して、お願いだからぁ」
「教えてやる、俺はな、お前のことが好きだったんだ。何度も妄想の中でお前を犯してきたんだ。だから、俺がお前を救ってやる。俺とセックスしろ」
「な、何をいっているの、酔い過ぎよ。とにかく止めてよぉ」
胸を揉みしだくと、次は下半身に指先を動かしていく。
下着越しに、秘部に触れると、熱を帯びているのがわかる。
そのまま足を広げて、下着を脱がしにかかる。
下着をはぎ取られると、真紀は泣きそうな声で、懸命に抵抗する。
「も、もう、やめてぇ。おねがいだからぁ」
「ここまできて、やめられるか。いうことを聞け」
「こ、こんなの犯罪だよ。犯罪者になってもいいの」
「旦那に浮気されて悔しくないのか、やり返してやればいいんだよ。俺が手伝ってやる」
「そ、そんな酷いよ、酷すぎるよ」
足を広げ、性器を押し広げる。
ふさふさとした陰毛の奥に膣口が口を開いている。
そのまま、昭はクンニリングスを開始する。
「ちゅぱびゅちゅみりゃ、お前のおま×こ、すげぇ美味しいぜ」
「やめてぇ、舐めたりしないでぇ、お願いだからぁ」
「お前だって興奮しているんだろ。おま×こが熱いぜ」
「こ、興奮なんてするわけ……」
べろべろと舌先で女性器を舐め、舌を膣口に入れていく。ぴちゃぴちゃと淫靡な音が鳴り響き、それが室内に広がっていく。
甘い性臭がどんどんと広がっていい、それが一層昭を興奮させていく。もっと、先に進みたい、滅茶苦茶にしたいという願望が溢れ出てきて止まらない。
真紀は嫌がっていたのだが、どこかこの状況に興奮してる自分に気が付いた。
旦那とセックスしたのは、いつだったのだろうか?
少なくとも、ここ数カ月肉体関係はない。だからこそ、身体を持て余していたのは事実である。そんな中、強引にレイプをされて、どこか興奮している自分がいるのである。
「こ、こんなの駄目だよ。も、もう止めてぇぇぇ」
「嘘いえ、お前だって興奮しているんだろ。その証拠に濡れているぞ。レイプされて濡れる女は淫乱な証拠だ」
「嘘よぉ。濡れてなんか……」
「見てみろよ」
昭は指先を膣内に入れて、そのまま出し入れした、すると、にちゃにちゃと指先が濡れていく。じんわりとした透明の愛液が付着したのである。
「ほら、みてみろよ、濡れてるだろ。お前だって興奮しているんだ。だから俺と一緒になろう」
「いや、いやよぉ、とにかく止めてよぉ」
「今すぐ気持ちよくさせてやる」
指を奥深くまで挿入し、Gスポットを刺激する。
すると、真紀の顔色が変わっていく。
「そ、そんなに乱暴にしないでぇ、そんなに刺激されたら、出ちゃう、止めてぇ」
「俺が潮吹きさせてやる。思い切り潮を吹いて見せろ」
ぶちゅぶちゅぐちゅにちゃ……。
卑猥な音が鳴り響き、淫靡な音が染み渡っていく。
次の瞬間、びちゃびちゃと勢いよく、真紀が潮を吹いた。
大量の尿と愛液が、シーツに飛び散り染みを作っていく。
「いやぁぁぁあー、やめてぇぇぇ」
「口では嫌がっていても、身体は正直だな。レイプされて潮を吹いたんだ。お前だって興奮しているだ」
昭は、そこで気を抜いた。
その隙を突かれてしまった。
真紀は服を持つと、そのまま部屋を飛び出し、駆け出していく。
あまりに素早かったので、昭はその後を追えなかった。
しかし、ベッド上には、真紀の財布が残されていた。
そして、そこには真紀の住所が書かれている。
(真紀。俺はお前を手に入れるからな……。絶対に)
昭はそのように考え、あえて真紀を追わなかった。
この翌日、昭は真紀の家に訪れることになる――。
〈続く〉
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