連載官能小説『「花園」に来る懲りない面々』第7回
相沢南は「花園」という風俗で勤めている。
弱冠、二十歳でありながら、既に店にエース級のキャストであり、多くの男性の心を掴んでいる。出勤すれば、毎回多くの指名が入るし、彼女を待つお客は多いのである。
そんな南は、今日も「花園」で働く。一体、どんな客が待っているのであろうか?
出勤し、着替えを済ませて控室に入る。そして、指名が入るのを待つ。基本的に待っている時間は自由である。大抵の場合、南はすぐに指名が入るから、この時間を満喫した経験はない。すぐに仕事、そして休憩、また仕事……、この繰り返しである。
そして、早速指名が入る。
(さて、今日も頑張るか)
南の心にも仕事のスイッチが入る。
彼女は、お客を迎えるために、店の中に入っていった。
さて、今回の客はどんな人間なのだろうか?
「花園」に通って早5年。今年40歳を迎える佐々木勉が今回の客である。
勉は、自営業をしている人間で、40歳にもなるのに、結婚はしていない。今のところ彼女もいないし、そもそも、本人があまり結婚に前向きではない。彼はそれなりに稼げて、時折風俗に行ければそれでいいと考える人間であった。
ただ、彼には困った性癖がある。その性癖とは、重度のMなのである。とにかく虐げられるのが大好き。数多くのSMクラブを回って、女王様の餌食になってきたのであるが、なかなか満足できず、最終的にソープランドである「花園」にやってきた。
既に紹介しているが、「花園」はSMクラブではない。決して禁止されているわけではないが、ハードなプレイができるキャストが少ないため、あまりSMを求めてやってくる人間は少ない。しかし、勉は違っていた。彼は南に出会い、その虜になってしまったのである。
南は女王様の素質が高いわけではないのだが、客を楽しませることに長けており、その仕草が気に入ったのだ。彼女に踏まれるだけでも、この店に来る価値はある。
「いらっしゃいませ。『花園』にようこそ」
と、南は元気よく勉を迎え入れる。
「や、やぁ久しぶり……。覚えているかな?」
「もちろん覚えています。M男の勉さんですね」
「うほ。そうそう、M男です。今日も宜しく」
「わかりました。たっぷりとイジメてあげます。では、早速プレイルームに向かいましょう」
二人はプレイルームに向かう。
まずは勉の上着を預かり、ベッドに座らせる。
簡単に談笑をして、すぐにシャワーに向かう。
「シャワー浴びてください。洗って欲しいですか?」
「もちろん、洗って欲しいけど、君の足に踏まれたいな」
「うふふ、そう言うプレイは、ベッドに入ってからですよ」
「う~ん、焦らしてくれるなぁ」
ボディソープをたっぷりとタオルに含ませて、丁寧に躰を洗っていく。
勉は、されるがままに洗われて、少しぎこちない表情を浮かべている。もっと、虐げてもらいたい。そんな思いが浮かび上がってくるのである。
南のその辺の気持ちをよく見抜いている。少し焦らした後、浴室にマットを敷き、その上に、勉を寝かせた。
「勉、寝な」
唐突に、南の口調が変わる。
こういう高圧的な態度が、勉の好みなのである。
勉は待ってましたと言わんばかりの表情で、マットに横になった。
マットに横になった勉を、軽く踏みつける南。あくまでも丁寧に行っていく。
白くほっそりとした南の足は、うっとりとするほどキレイだ。つるつるとした肌。そして、適度に肉のついた柔らかい触り心地。弾力のある皮膚感。そのどれもが素晴らしい。
南は、勉の胸部分を踏みつけて、高圧的な態度で迫る。
「勉、どうしてほしいの?」
「もっと、踏んでください。顔をそのキレイな足で」
「顔を踏まれたいだなんて、本当に変態ね。困った客だわ。でも、いいわ……。わたしが踏んであげる。たっぷりと味わいなさい」
南は、するりと足を伸ばし、勉の顔を踏みつけた。頬っぺたの部分と、足の指の腹を使ってぐりぐりと刺激する。
普通の男性だったら、屈辱的に感じるだろう。
だが、勉は違っていた。彼は顔を踏まれて圧倒的な興奮を感じていた。
南の足の裏は、赤ちゃんのように肌がすべすべとしており、全く棘がない。どこまでも心地よく感じてしまうのである。
次に南は、足の指を勉の口に持っていき、強引に口を開けさせると、舐めるように強要する。
「勉、舐めなさい」
「ひぃ、舐めます、舐めさせてください」
恍惚とした表情を浮かべて、勉は南の足を舐め始めた。
既に、ペニスはギンギンに勃っており、暴発寸前なほど膨らみ上がっている。赤黒く変色し、窮屈そうに見えた。先端からはカウパー腺液が溢れ出し、興奮していることがすぐにわかる。
勉は興奮冷めやらぬまま、足を舐め続ける。
南の足はうっとりとするほど、甘みを感じる。女臭と性臭が入り混じり、形容しがたい美臭が漂ってくる。
その匂いを嗅いでいると、ますます興奮してきて、もっと虐げてもらいたくなる。
かなり困った性癖を発揮しながら、勉は足を舐め続ける。
「ち×ぽから我慢汁が出てるわよ。興奮しているのね」
「だって、南さんの足が魅力的だから……」
「こっちも弄ってほしんじゃないの?」
南はペニスを指さした。
そろそろ、ペニスも弄ってもらいたい。
そんな気持ちがあったのは事実だ。
「弄ってほしいです」
「なら言いなさい。ち×ぽを弄ってくださいって……」
「ち、ち×ぽを弄って、お願いしますぅ」
蕩けるような顔を浮かべながら、勉は懇願する。
南はスッと笑みを浮かべると、今度は、足をペニスの方へ持って行った。
そして、勉のペニスを踏みつけると、ぐいぐいと押し込むように刺激し始めた。
勉のペニスは、どんどん膨らみ、小刻みに動き始めている。その様子は、まるで生き物を見ているかのようで、不思議な光景であった。
足の指を使って、ペニスの先端を弄ると、カウパー腺液が付着し、半透明の白い糸が伸びる。それは、煌びやかに光、エロスを感じさせるのに充分であった。
南は椅子に腰かけると、今度は足コキで、ペニスをしごき始めた。
「こうしてほしかったんでしょ。どう、気持ちいい?」
「き、気持ちいです。もっと、もっとしてください」
満面の笑みで勉は答える。ただ踏まれているだけなのに、どうしてここまで気持ちよくなってしまうのだろう。彼は、自分の困った性癖を知っていたが、それをなかなか解放させることができなかった。
しかし、この「花園」で、南と出会い、一気にストレスが発散されたのである。
南なら、自分のM心を解放してくれる。だからこそ、彼は南に心酔しているのである。
「ち×ぽが気持ちいいです。足でしごいてください」
「私に命令しないで。私のペースでやるから覚悟しなさい」
南はホイホイいうことを聞かずに、焦らし始める。
ペニスの先端を弄ったり、陰嚢を踏みつけたりするものの、肉棒をしごいたりはしなかった。少しずつ、しごいていき、徐々に気持ちよくさせてやろうと考えたのである。
「ひぃ、ふぅん、はぁはぁ、焦らさないでくださいぃ」
「気持ちいいの? 気持ちよくないの? どっちか言いなさい」
「も、もちろん気持ちいいです。でも、もっとペニスをしごいてほしいです。そうすれば気持ちよくなれると思うんです」
「まだ駄目、たっぷりと弄んであげるから覚悟しなさい」
「そ、そんなぁ。これ以上焦らさせたらおかしくなってしまうますぅ」
南も気分がよくなってくる。
彼女は特別Sというわけではないが、M男を虐げるのは心躍る。
南は焦らし続けていたが、ようやく肉棒を両足で包むと、上下にしごき始めた。
「ほら、耐えたご褒美に、ちょっとだけしごいてあげる」
「うほ、き、気持ちいいですぅ」
勉の表情が変わる。
そして、圧倒的な快楽を感じ、彼は体をびくびくと動かしていった。
暴発寸前のペニスからは、止めどないカウパー腺液が溢れ出し、それが南の足の指に付着していく。にちゃにちゃと淫靡な音を上げながら、プレイは展開されていく。
やがて、勉のペニスが激しく収縮し始めた。
恐らく、オルガスムスを感じる手前なのだろう。これでイってしまえば、それで終わってしまう。それではつまらない。
南は一気にペースを落とし、ペニスを弄るのを止めた。そして、再び、腹部や胸部を踏みつけ、ペニス以外の場所を責め始める。
「イキたいです。南さんイカせてくださいぃ」
お預けを食らい、悲痛な顔を浮かべながら勉が叫ぶ。
しかし、南は聞き入れない。
「イッたら駄目よ、つまらないじゃない。まだまだこれからなのよ」
「ひぎぃ、そんなぁ」
「次はあんたの恥ずかしい所を見せてもらうわ」
南は椅子から腰を上げると、勉の両足を持ち抱えた。
そして、大きく上方に広げていき、女性でいうまんぐり返しの姿勢を取った。
ペニスの裏側からアナルまで、くっきりと見えるようになり、堪らない恥ずかしさで襲われる勉。しかし、決して嫌ではない。むしろ興奮してしまうのである。
「どう恥ずかしい?」
「恥ずかしいです。でも」
「でも、何?」
「もっと見てほしくなります」
「たっぷり見てあげるし、イジメてあげるわよ」
南は、足の指を使って、勉の菊門を刺激し始めた。
ヒクヒクと勉の菊門が小刻みに動く。
「うわぁ、それ、いいです。できれば舐めてください」
「こんなところを私に舐めさせるつもり? さぁどうしようかしらねぇ」
「南さん、お願いです。少しでいいから舐めてください」
「命令しないで。そんな風にいうと、このプレイも止めるわよ」
「ひぃ、すみません、言い過ぎましたぁ。止めないでください」
「ちゃんと言うことを聞くのよ。そうすれば気持ちよくしてあげるから」
南は屈みこむと、足で刺激するのを止めて、手で弄り始めた。
しかし、なかなかアナルの先端には指を向けない。外堀から埋めるように、じっくりと攻略していく。
途轍もない気持ちよさを味わいながら、勉はもっと過激なプレイを待ちわびていた。
こんな恥ずかしい格好をしているのに、身体は気持ちよくなってしまう。自分のM性を自覚し、堪らない恥ずかしさを感じるが、気持ちよくなる一方であった。
やがて南は、アナルの本体を刺激し始める。指で軽く触れると、次に強く押して、入り口を圧迫していく。途端、勉の表情が変わる。
「そ、それ、いいです、もっとしてください」
「仕方ないわねぇ。少しだけよ」
南は指を軽く菊門の中に入れた。すると、電流が走ったように、進の身体が反り返る。
「ふ、ふぎゃぁ、さ、最高ですぅ、気持ちいいぃ」
「たっぷり気持ちよくなりなさい」
アナルをたっぷりと刺激していくと、それに呼応してペニスもビクビクと反応を始める。ペニスを弄らなくても、アナルを責めているだけでイってしまうケースもあるので注意が必要だ。
南はギリギリの線を見極めながら、プレイを進める。
そして、寸前のところで、動きを止め、アナルの弄りを止めてしまった。
またもやお預けを食らった勉は、困った顔を浮かべて、懇願する。
「そ、そろそろ、イカせてください」
「まだって言ってるでしょ。それに私が全然気持ちよくないもの。勉、ベッドに移るから、そこで私を気持ちよくさせなさい。それができたら、ご褒美にイカせてあげるわ」
「わ、わかりました。それでは僕がやってみます」
浴室からベッドに移る二人。
向かい合わせて座ると、南は足を広げて、秘部を手で隠した。
「どこを触りたいの?」
「南さんのおま×こを触りたいです」
「どうしようかなぁ? いきなりは駄目よ、まずは、キスから始めなさい。そしたら胸、最後にあそこを触るの。いいわね?」
「は、はい、承知しました。では……」
ぎこちない仕草で、勉は、顔を南に近づける。
そして、スッと触れるだけのキスをする。甘く柔らかい唇の質感が、勉の心を捉えた――。
〈続く〉
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