連載官能小説『幼馴染』第1回
大板琢磨には幼馴染がいる。しかし、中学を境に、めっきり合わなくなり、疎遠になっていた。それから時が流れ、琢磨は30歳になった。気が付けば、社会人になって、10年が経とうとしている。長い年月だ。仕事を覚え、それなりに戦力になり、毎日身を粉にして働いていた。ただ、どこか虚しい……。
彼は今まで彼女がいた時期がない。つまり、彼女いない歴=年齢なのである。それでも、童貞ではない。20歳の頃、合コンで出会った女性と一晩限りの関係を持った経験がある。それ以降も、ちょくちょく女を抱いていた。素人しかり、プロしかり……。
全く経験がないわけではないのだが、この年齢になっても彼女がいない事実に、琢磨は嫌気が差していた。
(俺って駄目だな)
どんよりとする気分である。
特に世間はゴールデンウイークであり、休みを満喫している。琢磨の仕事も休みなのではあるが、特に予定もなく過ごしている。どこか行くにも、一人で行動するのは、何か面倒である。だからこそ、家で寝てばかり過ごしていた。
そんな休みのある日。彼は、買い出しに街に出かけていた。時刻は午後3時。ぼんやりとした頭で、彼は行動していた。ただ、神は彼を見捨てなかった。飛び切りのサプライズを用意していたのである。
「あ、琢磨?」
徐に、後ろから声をかけられた。
声質は女性。どこか懐かしい響きのある声。
驚いた琢磨は、直ぐに後ろを振り返った。
「えっと、どちら様?」
琢磨は女性を見つめた。
彼に声をかけてきた女性は、身長は160センチ程度。髪の毛はライトブラウンで、肩まで伸びるストレートである。気温はそれほど高くないが、シックなグレーのワンピースに、ベージュのカーディガンを羽織っている。靴はシンプルなパンプスで、脚はスラっと細長い。
「ちょっと、普通、忘れるぅ」
「あぁ、思い出した。麗佳か……。久しぶりだな」
麗佳というのは、琢磨の幼馴染であり、本名を須藤麗佳という。
中学まではずっと一緒だったのだが、それ以降は疎遠になり、暫く会っていなかった。時折見かけることは会ったけれど、話しかけはしなかったから、かれこれ、10年近く会っていなかったといっても過言ではない。
「何してんの?」
「何って、買い物だよ」
「琢磨って何の仕事してんの?」
「俺? 俺は普通の営業職だよ。アパレルの企業の営業マン。まぁ何の取柄もないけれど」
「ふ~ん、ねぇ今暇?」
「まぁ暇だけど……」
「それなら少し話をしない? 私、暇なのよ今」
強引な提案であるが、彼はその意見を飲んだ。暇であるのは、琢磨も変わらないのだから。
「わかった。いいよ。じゃあどこかカフェでも行こうか」
「そうね」
駅前まで移動し、チェーン店のカフェへ入る。
休日の日中ということもあり、店内は激しく混雑していた。それでも、何とか席を見つけて、二人は向かい合わせに座った。
二人とも、コーヒーを注文し、それを飲みながら、話を始めた。
「琢磨は最近何してんの?」
「俺、特に何もしていないよ。仕事して、休みになったらダラダラして……」
「ふ~ん、それが一番幸せかもね」
「そうかな、何か、何のために生きているのかわからないけれど」
「私ね、結婚するかもしれないの」
結婚。
お互い、もう30歳を過ぎている。
結婚という話が上がってもおかしくはない。ただ、琢磨にはそう言った話はなかった。
「そうなんだ。おめでとう」
どこか寂しさを感じる琢磨。
幼馴染が結婚するのは、嬉しい反面、寂しさもある。
「でもね、なんか不安なの」
「不安?」
「うん、上手くやっていけるかなって」
「麗佳なら大丈夫だよ。心配し過ぎだよ」
「楽観的ね。……ねぇ、結婚前に一つお願いがあるんだけど」
「お願い?」
「そう。最後に私に火遊びさせてくれない」
「は?」
「鈍感ね。今日、私に付き合って。最後に他の男性と遊びたいの」
何か話がおかしくなっている。
琢磨は困った表情を浮かべながら、返答をする。
「具体的に何がしたいんだ?」
「言わせないでよ。そんなの決まってるでしょ」
「俺と寝たいのか?」
「そう。私が最後にあんたを選んだんだから感謝しなさい」
「感謝って言っても……」
結局、琢磨はその意見を飲んだ。
そしてカフェを出てから、ホテルへ向かった。
休日のホテルもそれなりに混んでいたのであるが、空いている部屋があったので、そこを取り、二人で部屋に入った。まず麗佳がシャワーを浴び、その後に琢磨が入った。
琢磨がシャワーから出ると、バスローブを羽織った麗禾がベッドの上で、横になっていた。その姿はどこか魅力があり、性的な興奮を誘う。
「麗佳、いいのか?」
最後の確認をする琢磨。
けれど、麗佳は躊躇なく答えた。
「大丈夫。今日だけだから……」
「わかった」
琢磨は麗佳の横に座り、そして肩を抱きしめた。
そのままゆっくりと唇を重ねる。むにゅっと柔らかい質感が琢磨の唇を襲う。
触れるだけのキスから、舌同士を絡めるディープなキスが展開される。
「んぐ、むぐ、ふむぅ……」
蕩けるような吐息を吐く麗佳。
彼女の瞳はうっとりとしており、とても結婚前の女性には見えなかった。
(こいつ、こんなに可愛かったんだ)
幼い頃は、全く意識しなかった。
大人になってからはほとんど会わなかったから、どんな女性になったかはわからなかったかが、スタイルはよく、女性らしい肉感のあるボディをしていた。
琢磨はキスをしながら、バスローブを脱ぎ、そして麗佳のバスローブをも脱がした。二人とも生まれたままの姿になり、その状態で向かい合わせになる。
ふと、琢磨は麗佳の乳房を見つめる。
決して、巨乳というわけではない。だが、形がいい乳房をしており、大きさはBからCカップ程度であろう。白く透き通るような肌は、それだけで魅力的であり、早く触りたくて仕方なくなった。
手指を使って、琢磨は乳首を刺激した。すると、その刺激に合わせて、麗佳の身体がビクンと跳ねた。
「ふぁ、あぁん」
途端、麗佳の甘い声が漏れる。
その声を聞いていると、琢磨もますます興奮してくる。
ペニスは既に勃起しており、ギンギンに膨れ上がっていた。
琢磨は乳首を舌でレロレロと刺激すると、空いた手を使ってもう片方に乳房を揉みしだいた。ぷにぷにと柔らかく、揉みごたえのある乳房であった。マシュマロのような質感であり、琢磨の手指の中でぐにゃりと潰れていく。
続けて、琢磨は乳首を甘噛みしていく。甘噛みすると、若干ゴムを噛んでいるかのような気持ちになる。
「ふぁ……、き、気持ちいいよ、琢磨……」
麗佳の身体からボディーソープの香りが漂ってくる。それが自身の体臭と入り混じり、独特の性臭を放っていた。こんな匂いを嗅いでしまうと、ますます興奮してしまう。乳首を噛み締めながら、貪るように匂いを嗅ぎまくる琢磨。彼は性の野獣と化していた。
琢磨は乳房を顔でこねながら、口に含んでいる乳首を吸い立てたり、さらに舐め回したりと刺激を加え続けた。年齢的に琢磨も麗佳もまだ若い。そのため、乳房には顔を跳ね返すような弾力があり、ムチムチと弾けるようであった。柔らかい餅をこねているような心地になり、その感触が琢磨をどんどん昂らせていく。
麗佳は繰り返し、狂おしそうにのけぞり返る。努めて声を抑えようとしているが、それでも僅かに声は漏れ聞こえてくる。乳首はしこって勃ってきて、ピンと上を向いた。拓馬は乳房を揉むと同時に、乳首を舌でこねくり回し、そして上目遣いに麗佳を見つめた。
麗佳は悩ましい表情を浮かべ、うっとりしている。繰り返し身体を反り返らせながら、忙しなく息を吐いている。
琢磨は麗佳の上に乗るような格好で乳首を刺激していたが、今度は、上から降りて添い寝する形をとった。そして、再び乳首を口に含み、レロレロと舌で刺激し始めた。麗佳はビクンと身体を震わせ、思わず声を上げた。
「ふぁ、そ、それ、いい、気持ちいいぃ」
「乳首、凄い勃ってるよ」
「だって、気持ちいいんだもん」
思い切り乳首を堪能していると、次は下半身を責めたくなってくる。
琢磨は、手指を麗佳の下半身に沿わせていった。
麗佳の身体も熱く反応し、蕩けるような視線で琢磨を見つめ始めた――。
〈続く〉
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