連載官能小説『媚薬』第1回

連載官能小説

連載官能小説『媚薬』第1回

月に一度、東京にある本社へ向かうため、新幹線に乗る。テキスタイルという洋服の生地を扱う企業に務める大友哲也は、新潟から、上越新幹線のトキ号に乗り、東京を向かっていた。正直、出張は怠い。本社に行っても、よくわからない会議に参加しなければならないし、それに、夜も東京で一泊しなければならない。ゆっくりと家で休んでいたい……。だが、仕事に行かなければならない。

(はぁ、しんどいな……)

車窓から、外の景色を見つめる。

新潟から東京に向かう際は、トンネル内をよく通る。だから、スマホの電波も入りにくい。決して連絡を頻繁にするわけではないが、圏外だと暇つぶしにネットができないため、ストレスもたまる。

席は自由席でも指定席でもどちらでもよかった。新潟駅は始発駅だから、指定席を買わなくても、自由席でも十分座れる。もちろん、GWやお盆、年末年始は難しいが、それ以外の時期は、基本的に空いているのだ。

今日は、どういうわけか指定席を取った。久しぶりに気分を変えたかった。閑散としている車内であったが、長岡からある女性が乗ってきた。どうやら、彼女も指定席を買ったらしく、哲也の隣に座った。

ふんわりと、香水のいい香りが漂ってくる。

ふと、どんな女性なのか確かめる哲也。彼の目がみるみる大きくなっていく。

かなりの美人がそこにいた……。

シックならダークグレーのパンツスーツに、肩まで伸びる黒のストレートヘアー。仕事のできるキャリアウーマンという風体の女性である。

(キレイな人だな……)

思わず、そう思う哲也。

哲也には彼女はいない。彼は今年28歳になるが、3年前に以前の彼女と別れて以来、ずっと一人である。一人は気楽だ。誰にも縛られず、自由に生きることができる。ただ、時折虚しい時もある。人恋しい夜だってあるのだ。

思えば、最近女を抱いていない。

彼女と別れて、風俗に行って処理をしていた時期もあるのだが、お金が勿体なくて、あまり行かなくなった。大体、アダルトビデオを見て、マスターベーションで性処理を行っている。確かに、虚しいが、それで満足するしかなかった。

そんな中、不意に訪れた女性の姿を見て、彼の中で隠れていた性の昂ぶりが激しくなった。猛烈に、女を抱きたくなったのである。どうして、こんな風に思うのか、自分でもわからなかった。

女性は、席に座るなり、カバンの中から手帳を取り出し、それに何か書き始めた。しばらく様子を見ていたのだが、女性は哲也の視線に気づかないようであった。

(声、かけてみようかな?)

普段の哲也なら、絶対にそんなことはしない。

ナンパだってした経験はないから、女性に話しかけるケースは皆無なのだ。なのに、今彼は変わろうとしている。ここで声をかけないと、一生後悔するような気がした。

ちょうど、車内販売がやってきて、それを見た哲也は女性に声をかけた。

「あの、一緒にコーヒー飲みませんか?」

と、哲也が言うと、女性は驚いたような瞳を向ける。

「え?」

「いや、話し相手が欲しくて、コーヒーをご馳走するんで、よかったら、お話ししませんか?」

女性は少し困ったような素振りを見せると、手帳をカバンの中にしまい、質問に答えた。

「わかりました。それでは遠慮なくご馳走になります」

「ありがとうございます」

コーヒーを二つ買い、女性に渡す。

よく見ると、女性は哲也と同じくらいの年代であると思えた。年齢を聞くのは野暮だから、聞かずに我慢していたが、恐らく26,7くらいだろうと想像できる。

コーヒーに口をつけ、哲也は質問を繰り出す。

「あの、お仕事か何かですか?」

「はい。仕事で東京に行く途中です。あなたもですか?」

「そうです。あ、そうだ、これ……」

そう言うと、哲也は名刺入れから一枚の名刺を取り出し、それを女性に渡した。

女性は手帳を受け取ると、まじまじと見つめながら、

「テキスタイルっていうと、生地ですよね?」

「よくご存じで……。人によっては床のタイルと勘違いされている方もいらっしゃいます」

「あは、それ面白いですね。タイルか、その発想はありませんでした。これ私の名刺です」

女性は名刺を取り出し、哲也に渡す。

そこには次のように書かれていた。

『占い師 ルールズ凛々子』

「占い師……。変わった仕事をされているんですね」

「そうかもしれません。東京で開催される占いセミナーに参加するんです」

「そうなんですか、僕は出張で東京に……、お互い大変ですね」

「はい」

しばらく、無言が続いてしまう。

しかし、どういうわけか、堪らなく興奮してしまう。

何か、女性に魔的な力が働いていて、それに引き込まれるような強いオーラが感じ取れる。

同時に、無性に股間が疼く。ペニスは硬く勃起していた。それを隠すため、哲也は股間部を手で抑えた。

「ウフフ。哲也さん、興奮しているんですね?」

徐に、凛々子が呟いた。

一体、何を言っているのだろう? 訳も分からず哲也は呆然とする。

「え? 一体あなたは?」

「実は、媚薬を配合した香水をつけてきたんです。あなたの興奮はその所為ですよ」

「媚薬……? 一体何のために」

「私、男女の仲を取り持つために、媚薬を販売することもあるんです。それで、新しい媚薬を手に入れたので、どのくらいの効果があるか試しました。きっとあなたのように声をかけてくれる人がいると思ったのです。その人は既に媚薬の虜になっているのですよ」

途端、哲也はどうしていいのかわからなくなった。しかし、股間の疼きは止まらない。とにかく興奮して、ペニスは暴発寸前になっていた。

「気持ちよくなりたいですか?」

と、取り成すように凛々子が言った。

最早、耐えられない。すぐに哲也は首を上下に振った。

「は、はい、なりたいです」

「ウフ、正直ですね。では実験台になってくれたお礼に、扱いてあげます」

そう言うと、凛々子は手をスッと伸ばし、哲也の股間に当てた。

優しくじんわりとした熱が伝わっていく。

股間部を触れられて、思わずビクッと背筋を震わせた……。

「くぅ……アッ――」

「凄い効き目ですね。ち×ぽ、もうビンビンになっていますよ」

「自分でもわからないくらい興奮しているんです。その媚薬、本当に大丈夫なんですか?」

「もちろん合法です。安心してください。ち×ぽ窮屈そうですね、解放してあげましょう」

凛々子はズボンのファスナーをスルスルと下ろしていく。そして、ボクサーパンツをずらして、ペニスを解放した。ビンビンにいきりたったペニスが解放され、ドクドクと脈打っている。

赤黒く隆起したそれは、いつも見る肉胴に比べると、やや大きいように感じられた。いずれにしても、興奮が全く冷めない……。早く気持ちよくなりたい。

「とっても大きなち×ぽですね。どうしてほしいですか?」

「手で扱いてください。あ、でも、人が見ているかもしれません」

「それは大丈夫です。私たちも周りには人はほとんどいませんし、この新幹線は長岡を出ると、次は大宮まで止まりませんから、大体1時間以上は自由な時間になります」

「そ、そうなんですか」

「じゃあ、ご希望通り、手で扱いて差し上げます」

優しく手のひらを使って、ペニスを握りしめると、凛々子はゆっくりと上下に動かし始めた。傘頭の先端からカウパーが先走り、それが凛々子の手指に付着した。

凛々子はそのカウパーを指で弄ぶと、にっこりと微笑んだ。

「エッチなお汁がたくさん出ていますよ」

「興奮しているから、止まらないんです」

「ウフ、こんなにビンビンに反応して、哲也さん変態さんですか?」

変態と言われても、拒絶できない。

つい先ほどまで、全く知らなかった女性から手コキを受けている。同時に、激しく勃起しているのだ。変態なのかもしれない……。

次第に、凛々子は手コキのスピードを速めていく。

哲也は目を閉じて、悶絶しそうになるほどの快感を受け始めた。

とにかく快楽の塊が降り注いできて、気持ちよくなってしまう。また、気を抜くと、忽ちイってしまいそうになる。臀部に力を入れて、グッと耐え忍び続ける。

凛々子は面積の広いカリ表の前面を丁寧に愛撫していき、刺激を加えていく。カリを中心に刺激されているので、まるで膣内に挿れているかのような感触になり、とても気持ちいい。強烈な快感が哲也を支配し、彼を恍惚とさせていく。

じわじわと亀頭を撫でまわされると、惚けて涎が垂れてしまう。

「ぐ、……うぁ、き、気持ちいい……」

「こんなのはどうですか?」

今度はカリ裏を、爪先を使ってカリカリと擦り付け始めた。違った刺激が入り、哲也は悶絶しそうになった。そのダイレクトな反応を見て、凛々子も思わず微笑んだ。

「気持ちよくなってくれて、私も嬉しいです。すっごい敏感になっていますよ」

「その媚薬、効果は絶大かもしれない……。とにかく興奮してしまうんです」

カリを中心に刺激されていると、突然、ぱちんと何かが弾けた。

下半身が不規則に蠢き、ペニスが収縮を繰り返し、痙攣していく。

「あ、駄目だ、出るぅ」

強い射精感を感じ、最早、耐えきれなくなった。

次の瞬間、熱いスペルマを一気に放出した。

激しい吐精の感覚が、ペニス全体を覆っていく。そして、腰が甘く痺れていった。

凛々子は手で精液を受け止めると、ベトベトになった手をぺろりと舐めた。

その姿を見ながら、哲也は脚をピンと伸ばし、心地よさの余韻に浸っていた。

「凄い、気持ちよかった。ありがとうございます」

「いえ、私の方こそ、ありがとうございます、媚薬のテストをしてもらって感謝しています」

「確かな効果があると思いますよ」

「ですね。あ、哲也さん、予定が合えば、今日の夜会えませんか? 実はまだ試していない媚薬があるんです。よかったらそれも試してみませんか? 今以上に気持ちよくなれると思います」

「今日の夜は東京に泊まるのですが、場所はどこですか?」

「哲也さんに合わせます」

「僕は渋谷に泊まるので、渋谷でよければ……」

「わかりました。渋谷ですね。名刺に連絡先が書いてあるので、仕事が終わったら連絡してください。そしてまた会いましょう」

意外な所で繋がりができた。

今日の夜、再び気持ちよくなれると思うと、期待感で胸が高鳴る。

哲也はにっこりと微笑み、心臓をドキドキさせた――。

 

〈続く〉


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