連載官能小説『大胆過ぎるメイド妻』第7回
美琴の唇に、元気は自らの唇を近づけていく。
唇同士が近づくにつれて、美琴はスッと目を閉じた。甘く切ないキスが展開される。
ぷちゅ……。
瑞々しい弾力のある唇の感触。美琴の唇は、ぷにぷにと柔らかく、元気の唇を上手く包み込んでいった。
(俺、美琴ちゃんとキスしてるんだ)
そう思うと、心の底から興奮してくる。
先ほど、射精したばかりであったが、既にペニスは熱く反応しており、何度でも射精できそうなくらいいきり勃っていた。
「み、美琴ちゃん、提案があるんだけどいい?」
キスを終えると、徐に元気がそう言った。
対する美琴は、トロンとした目つきで答える。
「提案ですか?」
「うん。実はやってみたいことがあって」
「何ですか?」
「痴漢プレイをしてみたいんだ」
言ったそばから、恥ずかしくなってしまう元気。
何だか、自分が変態になったような気がする。
美琴は、少し驚いた顔をしていたが、ニコッと笑みを浮かべ、
「痴漢ごっこですね。いいですよ。やってみましょう」
「え、いいの?」
意外とあっさり受け入れられたので、面を食らってしまう元気。
流石の美琴であっても、これは拒絶してくると思ったのである。
そもそも、元気は痴漢などした経験がない。痴漢はれっきとした犯罪であるし、電車の中で女性の体に触るなど、とてもではないが、元気にはできそうにないのだ。でも、心のどこかでは少しだけ、痴漢に憧れのようなものがあった。ハラハラとする緊迫感が、興奮を誘ってくるのである。
だからこそ、こうして美琴と結婚して、試しに提案してみたわけだ。
「でも、座っている状態だから、普通の痴漢プレイとは違うかもしれませんね」
と、美琴は言った。
確かに言うとおりである。
普通の痴漢は、立った状態で行うだろう。
座ったまま痴漢をする例は、あまりないと言える。
だが、今の状況で立ってしまうと、かなり目立ってしまう。とてもではないが、痴漢プレイなどできそうにない。
「じゃあ、座ったままでやってみようか」
と、元気は言う。
それを受け、美琴は答える。
「わかりました。じゃあ私寝たふりするんで、悪戯してみてください」
「で、でもさ、本当にいいの?」
「もちろんです。元気さんのしたいことなら、私は協力するだけです」
「あ、ありがとう」
心の底から嬉しくなる元気。
本当に美琴と結婚してよかったと思えてくる。
こんなにもいい娘なのに、自分のようなどうしようもない人間と結婚してくれて、本当にありがたくなってくる。美琴のために仕事を頑張ろうという気持ちにもなるのだ。
それでも、今は楽しい旅行である。新婚気分を味わう、またとないチャンスなのだ。それを心ゆくまで楽しもう……。そう考え、元気は美琴の身体に手を伸ばしていく。
今日の美琴の格好は、メイド服ではない。流石に、街中をメイド服で歩いてしまうと、かなり目立ってしまうので、普通の時はシンプルな服装を心がけている。メイド服でいるのは、あくまでも、元気と一緒にいる家の中だけなのだ。
そして、今現在の美琴の格好は、シンプルな白のワンピースに、上からベージュのカーディガンを羽織っている。ワンピースは膝丈くらいであり、決してミニというわけではない。スカートの裾が僅かにフレアになっていて、その間から、キレイな白い脚が覗いている。
カーディガンも華奢な身体を上手く包み込み、フェミニンさを強調している。足をキレイに見せるために、パンストを穿いており、そのテカリが、元気の情欲を高めるのに一役買っていた。
(あぁ、美琴ちゃんて、本当にキレイだなぁ)
自分の妻というアドバンテージを除いたとしても、美琴はかなりの美女である。きっと大学でもモテるに違いない。そう考えると、何だか微妙な気分になってくるが、美琴は常日頃から、大学では結婚していることを公言しているため、寄ってくる男性は少ないそうなのだ。
しかし、人妻というフレーズは、牡の情欲を煽ってしまう。もしかすると、人妻だから、近寄ってくる男もいるかもしれないのだ。
(美琴ちゃんは、俺だけのものなんだ。他の男には渡さないぞ)
そう決意して、再び元気は美琴を見つめた。
まずは、どこから触ろうか?
痴漢などした経験がないから、勝手がわからない。
普通は、下半身を責めるだろう。
痴漢で乳房を触れるケースはほとんどないはずである。
目立たない下半身を責めるのが鉄則だ。
だが、これはあくまでも「ごっこ」であり、本物の痴漢ではない。そのため、胸を触っても全く問題はないであろう。そう考えた元気は、まずは胸から触ってみることにした。
スッと手を伸ばし、胸に触れる。
カーディガンの繊細な生地の肌触りが、手指に伝わっていく。
同時に、ブラジャーの硬い質感を覚える。
(ブラって意外と硬いんだよな……)
と、元気は感じていた。
ブラを外してみようか? だが、それでは痴漢プレイではないような気もする。けれど、おっぱいに触りたい、その意志が上回った。
元気は美琴の服の隙間から背中に手を回すと、器用にブラのホックを外した。そして、するすると、ブラを取り除くと、直に乳房に触れ始めた。
ぷにぷにと柔らかい質感が、手指全体を覆っていく。ふっくらとしたおわん型の乳房を弄っているのだ。元気はどんどん興奮してくる自分に気づいていた。ペニスはビンビンに勃っており、暴発寸前になっている。もちろん、頭も沸騰しそうであった。
ふと、美琴の顔を見つめる。
美琴は相変わらず寝たふりを続けている。しかし、僅かに頬が上気しており、薄紅色に染まっているのがわかる。つまり、美琴も興奮しているのだろう。そう考えると、元気も嬉しくなって、手指の動きを速めていくのであった。
リアルさを求めるために、直に乳房に触れるのを止めた。服の上から、弾力のある乳房に触れてみる。服の上からでもしっかりと乳房の重みを感じることができて、元気は喜びに顔を綻ばせた。
「んぅ、んんん……」
乳房を静かに触っていると、自然と美琴の声が漏れ始めた。
甘く切ない声が、静かな車内に響き渡っていく。
「美琴ちゃん、声出しちゃ駄目だよ」
あまり声が大きくなってしまうと、周りの乗客に見つかる可能性がある。夫婦だから問題ないとはいえ、流石に電車内で情事に至っていることがバレれば、何かしら問題になるかもしれない。となると、不用意な声は出せないだろう。
「す、すみません。で、でも感じちゃって……」
「気持ちいいんだね」
「はい、服が擦れて、余計に気持ちよくなっちゃいます」
「もっと触ってもいいかな?」
「はい、お願いします……」
美琴は窓側に座っている。そのため、多少強引に触っても、死角になり周りからは変な目で見られないだろう。そう考えた元気は、両手を使って乳房を揉み始めた。もみもみと乳房を揉んでいると、何だかおかしな気分になってくる。本当に痴漢をしているかのような感覚が襲い掛かってくるのだ。
(痴漢って、こんな気分なのかな……)
周りに見つかるかもしれない。
その緊迫感と臨場感が、どんどん興奮を誘ってくるのである。このままでは痴漢にハマってしまうかもしれない。そんな少し困った状況になりそうであった。
続けて、元気は手指を下半身の方へ移していく。
ワンピース越しに、女性の三角地帯を手で弄っていく。
ワンピースの上から、秘部に触れてみる。すると、美琴の身体がビクッと跳ねた。同時に、やや呼吸も荒くなっている。
(美琴ちゃんも興奮しているんだな……)
元気はさらに指先を使って刺激を強めていく。
サワサワとした動きで、秘部を触り、少しずつ情欲を高めていく。
そして、ワンピースの裾をゆっくりと持ち上げていき、パンストと下着を露出させる。あまりに大胆であるので、最早痴漢プレイとは言えないかもしれないが、興奮の極みにいた元気には、もう、痴漢プレイとかそういうことは関係なくなっていた。ただ、情欲の赴くままに行動している。
パンストに包まれた脚は、どこまでも綺麗であり、思わず見惚れてしまう。一旦、秘部に触れるのをやめて、太ももを触ってみる、パンストのシャリシャリとした質感が、手指に伝わり、興奮を誘ってくれる。
「あぁん」
美琴は小さい声で喘いだ。
このくらいの大きさなら、周りに聞こえる心配はないだろう。
太ももの内側を丁寧にさすりながら、少しずつ指先を秘裂に向けていく。下着の上からでは物足りない。そう感じた元気は、下着の中に手を突っ込んで、直に秘部に触れてみた。すると、しっとりと濡れているのがわかった。
通常、痴漢をされて濡れる女性は少ないだろう。これはあくまでも「ごっこ」だから、興奮してしまうのである。
ヌレヌレになった性器を弄っていると、美琴の呼吸がどんどん荒くなっていくのがわかる。美琴自身、激しい気持ちよさを感じて、必死に声を押し殺していたのである。
「んん……、くぅ、ふぅ」
甘い嗚咽が漏れるようになり、その声に合わせて膣の潤みも激しくなっていく。
元気は秘部に触れながら、さらに陰核を責め始めた。こうなると、美琴も堪らない、カッと目を開けて、元気を見つめた。
「元気さん、そ、そこは駄目です」
「どうして、気持ちいいでしょ」
「気持ちよすぎて、声が出てしまいます。んんん、あぁぁん」
美琴の声が少しずつ大きくなり始めた。同時に艶のある淫猥な響きを帯び始めている。そこで元気はポケットの中からハンカチを取り出すと、それをくるくると丸めて、美琴の口に突っ込んだ。つまり猿ぐつわを噛ませるのと同じ状態にしたのである。
「こうすれば、声は出ないよ」
「ひ、ひぃ、ふぐぅ」
美琴ももごもごと嗚咽を漏らしながら、感じ始めている。
徐々にヒートアップしてきた元気は、さらに手指を動かしていった。
右手で膣内を掻き回しながら、左手で陰核を刺激する。
ダブルで刺激されて、美琴はガクガクと身体を震わせていく。
「ふぅ、うぐく、あぁぁ……ひぃぃ」
膣内が締まり始め、美琴はアクメを感じ始めた。
切なく淡い刺激が膣を通して全身に広がっていく。心地よい感覚に支配され、美琴は何も考えられなくなっていった。
ここは電車の中なのに、その車内で淫らなら行為をしている。その背徳感に近い感情が、美琴の精神を大きく揺さぶり、興奮を高めていったのである。
(あぁ、駄目なのに、イッちゃいそう……)
美琴は膣にキュッと力を入れて、快感に抗がおうとしている。しかし、徐々にアクメが強まっていって、とてもではないが耐えきれそうにない。咄嗟に、美琴は元気の腕を掴んだ。そして、潤んだ瞳で彼を見つめる。
見つめられた元気は、美琴の瞳を見て、限界が近いことを察した。
「美琴ちゃん、イキそうなんだね?」
と、小声で囁く。
すると、美琴はコクコクと上下に頷いた。
それを見た、元気は美琴をイカせるために、さらに手指の動きを速めた。
にちょにちょと淫猥な音が染み渡っていき、二人の興奮を高めていく。
美琴は背筋をピンと伸ばし、とうとう絶頂を迎えた。
「んんんんん……、むぐぅ……」
声にならない嗚咽を漏らし、美琴はオルガスムスを感じていく。
淡い刺激が、体中に迸り、心の底から気持ちよくなっていく。そして、緊張の糸が切れたかのように、ガクリと項垂れてしまった。それを、元気が上手くカバーをして支える。
「美琴ちゃん大丈夫?」
彼はそう言って、丸めたハンカチを、美琴の口から取り除いた。
ようやく解放された美琴は放心状態で、元気を見つめる。
「イってしまいました」
「うん、気持ちよかったみたいだね」
「何か、凄く興奮してしまったんです。背徳感っていうか、してはいけないことをしているみたいで……」
「俺もそうだよ。凄くハラハラした。でもよかったよ……。気持ちよくなってもらえて……」
「はい。ありがとうございます」
二人が痴漢プレイの余韻に浸っていると、もうすぐ箱根に着くというアナウンスが流れた。
旅行はまだ始まったばかりである。
元気も美琴も自然と笑顔になりながら、電車を降りる準備を始めた――。
〈続く〉
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