連載官能小説『ランジェリーモデル』第3回
桜はそれほど性体験が豊富なわけではない。既に25歳なので、セックスの経験はあるのであるが、数えるほどであった。そのため、当然だがフェラチオの経験も然程ない。いざ、大輔のペニスを握りしめても、やり方がよくわからなかった。
「どうしたんですか? 早く舐めてください」
と、大輔が急かすように言った。
「あ、あの、私、あんまり経験がなくて、よくわからないんです」
消え入るような声で、桜は告げる。
すると、それを聞いていた大輔はスッと笑みを零し、
「なるほど、じゃあ俺の言うとおりにしてみてください」
「本当にするんですか?」
「美咲さんの話、聞いていなかったんですか? もしあなたがここで拒絶すれば、恥ずかしい写真をバラまかれることになります。それでもいいんですか?」
「そ、それはよくありません」
「なら、取るべき行動は一つです。俺のち×ぽをしゃぶってください。それじゃ、まずはしゃぶる前に手で扱いてもらえますか? そのくらいなら問題なくできるでしょう」
ほとんど知らない男性のペニスを扱くなんて、こんな屈辱的な行為はない。
桜は、嫌で仕方なかったが、弱みを握られている以上、言うことを聞かなければならない。大輔のペニスは、桜が知っている男性器のレベルを超えている。とにかく大きいのである。
(こんなに大きいの……)
唖然としてしまう。
小さな子供の腕の太さくらいはあるのではないか? そんな風に思えるくらい、大輔の男根は凶悪なオーラを放っていた。
「さぁ、早く扱いてください」
大輔は余裕綽々の態度で告げる。
最早、逃げられない。
「わ、わかりました」
仕方なく、桜は男根を握りしめ、それを上下に動かし始めた。
ペニスはどこまでも熱く、そして小刻みに震えている。また、赤黒く変色し、奇妙な生き物のようにも見える。扱いていくと、脈動が感じられ、大輔の声が漏れる。
「うん、なかなかいい感じですよ。もう少し速く動かしてみましょうか?」
「速く動かせばいいんですね」
言われるままに、桜は男根を素早く上下に動かし始めた。
動かし続けていくと、亀頭の先っぽから半透明の液体が滲み出してきた。それを見て、桜は苦悶の表情を浮かべる。
(何か出てきた……、もう止めたいよぉ)
必死に早く終わってほしいと念じる。
だが、大輔は一向にイク気配がない。まだまだ続きそうである。
「桜さん、タマを優しくマッサージしてもらえますか? あくまでも優しくね、強くしたら、怒りますよ」
「タマっていうのは、その……」
「知っているでしょう、金玉ですよ。ほら、さっさとやってみて」
本当はやりたくないのであるが、拒否できない。
仮に拒否すれば、恥ずかしい写真をバラまかれてしまうのだから。そうなったら、人生は終わってしまう。ここは、何とか耐えなければならない。
桜は、右手でペニスを扱きながら、左で陰嚢を揉み始めた。
言われた通り、あまり力を入れずに、ゆっくりと静かに揉んでいく。
「うぉぉ、き、気持ちいいですよ。桜さん、もしかすると、エッチな才能があるのかもしれませんね」
エッチな才能があると言われても、全く嬉しくはない。
思うのは、早くここから解放されたいということばかりだ。
「よし、そろそろ、手コキはいいでしょう。次はフェラチオをしてもらいます」
大輔はそう言うと、姿勢を少し起こして、その前に桜を座らせた。
「桜さん、では俺のち×ぽを舐めてみてください」
「舐めればいいんですね」
「そうですね。最初は舌先を使って、レロレロとアイスクリームを舐めるような感じでやってみましょうか」
桜はペニスに顔を近づけた。
猛々しい、牡の香りが漂ってくる。
ムワッとする、性臭を嗅ぎながら、桜は舌を伸ばしていく。そして、桜の舌先が亀頭に触れた。
(あ、熱い……)
キノコのように張り出した亀頭は、僅かに熱を持っていた。先端からはカウパー腺液が滲み出しており、それが桜の舌に触れる。僅かだが、苦みのある味わいが口腔内に広がっていく。
「舌を素早く動かして、亀頭を舐め回してください」
「もうこれくらいで勘弁してください」
「何を言っているんですか? まだまだこれからですよ。桜さんはこれから俺とセックスをするんです。それが仕事ですからね」
「で、でも、そんな風俗嬢みたいな真似……、したくないです」
「これは風俗ではありません。あくまでもシルキームーンのランジェリーを売るために必要なことなんです。仕事ですよ」
そうは言われても、完全には割り切りない。
桜にとって、セックスとは好き合っている者同士が行う行為である。だからこそ、こんな風にして大輔のペニスを舐めたり、セックスをしたりはしたくなかった。
「亀頭の裏スジを舐めてみましょうか」
「裏スジ?」
「亀頭の裏側ですよ、ここを刺激されると、気持ちよくなる男性は多いんです。やってみましょう」
ペニスを手で持ち上げ、亀頭の裏スジに舌を這わせていく。そして、亀頭を舐めた時と同じような感じで、舐め上げていった。
「うん。いい感じですよ。その調子でしばらく舐めていてください」
そこまで言われ、桜はふと美咲の方に視線を注いだ。
美咲はじっと二人の行為を見ていて、不気味な笑みを浮かべている。
桜は、シルキームーンの採用試験を受けたことを、心の底から後悔していた。これまで通り、普通に働いていればよかったのである。そうすれば、少なくともこんな目には遭わなかった。
本当に早く止めたい。解放してほしい。地獄のような時間が続いていく。
「桜さん、次は棹の部分をしゃぶってみましょうか? 歯を立てないようにち×ぽを咥えこんでください」
「いやぁ、も、もう止めてください。本当にお願いします」
涙ながらに桜はお願いをする。
しかし、大輔は全く同情する素振りをみせない。むしろ高圧的な態度で桜に迫る。
「馬鹿言っちゃいけない。あなたにはしっかりと仕事をしてもらわないと。それに、直ぐに慣れますよ。俺のち×ぽの味を知れば、きっと気に入ると思います。だから、今は言われた通りにしてください」
「で、でも、本当に嫌なんです。私、これ以上はできません」
それを聞いた大輔は、チラッと美咲の方を見つめる。
「美咲さん、どうしますか?」
すると、美咲が桜の方に歩みを進め、
「桜さん、ここで止めるというのなら、画像をネット上に公表します。それでもいいのなら、この場を去りなさい。一度ネット上に出回った画像は、決して回収できません。それに、あなたの勤めている会社にも同時に添付します。そうなれば、あなたは会社にもいられなくなるでしょう。さぁ、どうするのかしら」
「写真はバラまかないでください。私はシルキームーンのランジェリーモデルがしたいだけなんです」
「今やっている行為も、ランジェリーモデルの仕事なのよ。それに、大輔君も言ったけれど、彼のち×ぽを一度味わえば、抜けられなくなるわ。最初は大変かもしれないけれど、その内慣れるから安心しなさい」
「で、でも……」
「早く先に進みなさい。自分を変えるために……」
ここからは抜けられない。
屈辱感を覚えながらも、桜は肉胴を舐め始めた。
(もう嫌だよ……)
頭を擡げたくなってくる。桜は、噎せ返るような香りに、クラクラしてきた。あまりに強烈な性臭で、頭がおかしくなりそうであった。
「桜さん、激しく吸い上げてください」
桜は、必死にペニスに吸いつき、この悪夢からの解放を願っている。これが終われば、解放される。願うのはそればかりであった。
ペニスを舐め回していくと、次第にビクビクと小刻みに動き始めた。収縮を始めたと言えば分かりやすいかもしれない。
「あぁ、イイ。俺もそろそろイキそうです。口の中に出すんで、飲み込んでください」
「ふご、もご、いやれすぅ……」
「あなたに拒否権はありません、うぉぉぉ、出る……」
大輔の額に玉のような汗が浮かび上がる。
そして、とうとう彼は牡の欲望を放出させる。
「うぐぐぐぐぅ」
桜の口腔内に、大量の精液が注ぎ込まれる。
べとべとと粘性の高い液体が咽喉の奥に直撃し、桜は、そのまま精液を飲んでしまった。
そして、ごほごほと激しく咳き込む。
「桜さん、よかったですよ。これで次なるプレイに進めますね」
桜は呼吸を整えながら、大輔を見つめる。
「え、これで終わりじゃないんですか?」
「最初に言ったでしょ、下着をに身に付けてセックスしてみる。その時、どんな反応になるのか、これがシルキームーンのランジェリーを作る上で大切な要素になるんです。ですから、これから俺はあなたとセックスをします」
「いやいや、もう止めてぇ……」
「大丈夫、俺のち×ぽが直ぐに気に入るはずですから……」
大輔はそう言うと、むっくりと起き上がり、そして桜の身体を強引に仰向けにさせた。そして、足を左右に広げていった。ただ、この時下着は脱がさなかった。下着のクロッチ部分を脇にずらし、性器を露出させると、強めにペニスを挿れようと、腰を動かし始めた。
「ほ、本当にもう止めてください」
「駄目ですよ。これからが本番です。では行きますよ」
大輔の言葉が、室内に響き渡っていった――。
〈続く〉
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