連載官能小説『ストリッパー』第6回

連載官能小説

連載官能小説『ストリッパー』第6回

(あれは、確かに佐々木さんだった……)

と、夕暮れの社内の中で、一人洋子は呟いた。

先日、ストリップ劇場でダンスをしていると、遠くの方の客席に見慣れた人影があるのがわかった。人違い? かとも思ったが、どうやらそうではないようである。向こうは、確かに自分を意識している。そんな風に思えた。

あの人影……。

それは……。

(佐々木信彦さん。どうして彼があそこに?)

考えるのはそればかりである。

信彦は、社内でも有名な真面目人間であり、仕事に対する評価は高い。そんな彼だから、ストリップ劇場などという場所に、足を運ぶこと自体が、奇跡的のように思えた。

今のところ、向こうからの接触はない。

ストリップ劇場では、自分は仮面をかぶって舞台に上がっている。そのため、遠くからでは絶対に自分だとはわからないだろう。それでも、何かこう嫌な予感がするのだ。

(もしかして気づかれている?)

不安は尽きない。

やはり、ストリップ劇場を辞めるべきだろうか?

洋子が働いている会社は、基本的に副業が不可の企業である。秘密裏に内職のような仕事をしている人間はチラホラいるが、皆隠れてやっているのだ。当然だが、洋子のようなストリッパーをしている人間はいない。そんなことをしているのは、この会社の中では洋子しかいないのである。

ストリップ劇場を辞めるべきか迷った。

しかし、辞めようにも、一度覚えた快感が忘れられず、全く辞められそうになかった。劇場に出て、ダンスをする。そんな些細な行動なのに、どういうわけか興奮してしまうのだ。見られると、高揚する。気分が高鳴り、ドキドキとしてくるのである。そして、堪らない興奮が襲い掛かり、同時に、激しい快感が迸る。

それは、セックスにも似ていた。洋子は決してセックスが好きで、色んな男たちと寝てきたわけではない。それでも、セックスの気持ちよさは知っていた。あの快感と同じくらいの衝撃が、劇場でのダンスにはあるのだ。あの快感を覚えてしまうと、なかなか踊り子を辞めることはできない。

毎日、ストリッパーとして働いているわけではない。平日は仕事があって、忙しいため、主に土日に劇場で働いているのだ。

ある日の土曜日、彼女はストリップ劇場『ムーンライト』へ赴いていた。

そして、楽屋で衣装に着替えて出演の準備をしていると、そこに瑠奈が現れた。瑠奈は洋子の良き先輩であり、仕事上の悩みなどをよく相談に乗ってもらっていた。それだけ、洋子は彼女を信頼している。

「奈津ちゃん(洋子の源氏名)。調子どう?」

と、瑠奈が声をかけてくる。

身支度を済ませながら、洋子は答える。

「はい、まずまずですかね。大分慣れてきました」

「それはよかった。奈津ちゃん、なかなか人気だからね。ちょっと話があるんだけどいいかな?」

「はい。何か用ですか?」

「奈津ちゃんは、この店の裏のシステムを知ってる?」

裏のシステム。

それは、秘密裏に客と本番行為をしているということだろう。

その話は、既に聞いているから知っていた。しかし、法にも触れる行為なので、店としては、あまり率先して踊り子を客と寝かせないのだ。それでも常連の客の中には、踊り子と寝たい熱望する人もチラホラいて、そういう客と寝ることもあるのだそうだ。

「お客さんと寝るんですよね?」

「そう。実はね、奈津ちゃんと寝たいっていう人がいるんだ」

「え? 私、そういうのはちょっと無理です」

「わかってる。そう言うと思って、やんわり断っておいたの。でもね、その人奈津ちゃんを知っているみたいだったよ」

「私を知っている……。う、嘘でしょ。だって私仮面をつけていますよ」

「うん、そうだよね。でも、右足首にある大きなほくろを知っていたの」

「ほくろ……」

迂闊だった。確かに洋子の右足首には、少し大きなほくろがある。

ストリップ劇場のステージから客席まではある程度距離があるから、ほくろがあってもわからないと思っていた。けれど、それは間違いだったようである。いくら薄暗い中でも目を凝らせばほくろだとわかってしまう。

「それって、もしかして佐々木信彦さんって人ですか?」

信彦……。

その名前を聞き、瑠奈の肩がビクンと震えた。

「やっぱり、奈津ちゃんその人のこと知ってるのね」

「信彦さん。ここに来たんですね」

「うん。奈津ちゃんのこと洋子って呼んでたから、多分その人だと思うよ。誰なの、その人?」

「えっと、私の会社の先輩です。凄く真面目な人なんで、こんな場所に来るなんて意外ですよ」

「ふ~ん、なるほどね。もしかしたら、向こうから何かアクションを起こしてくるかもね」

アクション。

信彦から何か行動を起こすだろうか?

ざわざわと背筋にツツッと冷たい汗が流れる。

瑠奈の予言が、的中することになった。

仕事を終え、帰り支度をしている洋子のところに、突然信彦がやって来たのである。

「工藤さん、ちょっといいかな?」

その声は、どこか真剣な響きがあった。

断れない。そう思った洋子は素直に応じる。

「はい、何ですか?」

「ここじゃ、少し話辛いから、屋上行かない?」

「わかりました」

洋子らが勤める会社には屋上がある。そこで休憩時間を過ごしたりできるのだ。

夕暮れの屋上には誰もいなかった。赤焼けた夕焼けが差し込み、哀愁じみた雰囲気が漂っている。

「工藤さん、実は俺、知っちゃったんだ」

「何となくわかってます」

「工藤さん、ムーンライトっていうストリップ劇場で働いているでしょ?」

「働いていません」

「嘘だよ。でも安心して、誰かにバラわけじゃないから」

「何が目的なんですか?」

「君と一晩を共にしたい。1日だけでいいから」

「私は確かにストリッパーとして働いていますけれど、風俗嬢じゃありません。だから、寝るなんてできないですよ」

「俺と一晩過ごしてくれれば、この件は忘れる。でも君が断るというのなら、こっちにも考えがある」

洋子の額に汗が浮かび上がる。

「考え?」

「うん。さっき秘密をバラさないって言ったけれど、それは君が言うことを聞いた場合だ。もしも、君が言うことを聞かないのなら、俺は、君がストリッパーとして働いているのを、会社に密告する」

「そ、そんな、酷いです」

「なら、俺と一晩ともにしてくれ」

断れそうにない。

信彦の口調は真剣であったし、決して冗談を言っているようには思えなかったのだ。

「1日だけでいいんですね」

「うん。俺は鬼じゃないからね。君を脅すのは本望じゃない。でも君が好きなんだ。だから、君を抱きたい。1日だけ、俺の彼女になって欲しい」

「わかりました。その代わり、しっかり約束は守ってくださいね」

こうして、密約は交わされた。

二人は、週末の夜に、都内の高級ホテルで落ち合った。

そこは、信彦が用意したホテルであり、全体的に華美な印象がある一室であった。

よくある安ホテルのような作りではなく、広々としたフロアと、寝室が分かれた一室であり、ベッドも大きなキングサイズであった。

「洋子ちゃん、今日はありがとう」

「いえ、でも約束守ってくださいね」

「それは大丈夫。安心して……」

ベッドの脇で二人は立ち尽くす。まず最初に動いたのは信彦であった。

彼は洋子の肩を掴むと、そのまま顔を近づけて、自らの唇を、洋子の唇に押し当てた。

唇を奪い、ゆっくりと洋子を押し倒していく。

「ふぁ、佐々木さん、本気なんですか?」

「ずっと、洋子ちゃんを抱きたかった。夢みたいなんだ」

信彦の力は強かった。抵抗しようにも洋子の力ではどうしようもない。というよりも、このホテルに来た時点で、洋子も覚悟しているのである。だが、その決心が鈍りそうであった。

信彦は強引に舌を絡めたキスを展開していくと、洋子の服を一枚ずつ脱がしていった。洋子はシンプルなオフィスウェアを着用している。まずは、上着を脱がし、次にブラウスと、スカート。瞬く間に、洋子は下着姿になってしまった。

それに合わせて、信彦も服を脱ぎ、ボクサーパンツ姿になる。そして、洋子のブラジャーに手をかけ、スルスルと器用に外していく。すると、形のいい洋子の乳房が露になる。

(これが洋子ちゃんのおっぱい。すごい、凄すぎる……)

初めてみる洋子の乳房に、信彦は深い感動に包まれる。

そして、恐る恐る手を伸ばし、乳房に触れた。

ぷにぷにとしていて、マシュマロのような触り心地である。どこまでも柔らかく、手指の中でぐにゃりと潰れた。

「アァ、そ、そんな風に触らないで」

「感じるのかい?」

「感じてなんか。ただ、ちょっとくすぐったくて」

「大丈夫、直ぐに慣れるよ」

円を描くように、乳房に触れていった信彦はやがて、照準を乳首へと切り替えた。

コリコリと指先で摘まむようにして乳首を刺激すると、プクっと乳首が蕾のように硬くなった。

「乳首、硬くなったよ、興奮しているんじゃない?」

「興奮なんてしていません。ただ、仕方なく……」

「俺、ずっと洋子ちゃんが気になっていたんだ。だから、こうして、二人きりになれて嬉しい」

「今日だけですよ。約束ですからね」

あくまで強気に言う洋子。

もちろん、その意味を信彦もわかっている。

わかっているからこそ、この限られた時間を堪能しようとしているのである。

乳房を丹念に揉みしだきながら、さらに乳首を刺激していく。

やがて、洋子の口から甘い囁きが零れ始めた。

「ふぅ、はぁぁ、あぁぁぁ」

「洋子ちゃん、気持ちいい?」

「す、少しだけですけど、気持ちいいです」

「やっと心を開いてくれたね。嬉しいよ。もっと気持ちよくしてあげるからね」

信彦はそう言うと、顔を乳房に近づけた。

ふんわり、甘く馨しい香りが漂っている。牝フェロモン臭とでも言えばいいのであろうか? 洋子の体臭と、立ち昇る性臭が入り混じり、高貴な香りを生み出していた。

その匂いを存分に嗅ぎ、信彦はますます興奮していく。

「洋子ちゃんのおっぱい、いい香りがするよ」

「いゃん、匂いを嗅いじゃ、いやぁ」

「無理だよ、こんないい匂い、他に嗅いだことないもの」

「ひぃ、許してぇ。やっぱりこんなのよくありません」

「どうして、ここまで来たら止まらないよ」

「私はただ、ストリッパーとして働いていたいだけなんです」

「だから、今日だけ俺に抱かれればいいんだ。そうすれば秘密は守るから」

信彦は止まらなかった。

熱く迸る性欲を止める手段を他にない。行くところまで行ってしまうだろう。

信彦は、たっぷりと性臭を嗅ぎまわった後、乳首に口を付けた。そして、そのままちゅーちゅーと激しく吸引していく。

「あぁぁ、乳首吸わないでぇ、だめぇぇ」

「洋子ちゃんのおっぱい美味しいよ」

「もう止めてぇぇ。お願いだからぁ」

洋子の抵抗も虚しく、徐々に性的なボルテージが上がってきた信彦は、手をスッと下に下げ、ショーツ越しに秘唇を弄り始めた。

「次は、おま×こを弄ってあげるよ」

「ひぃ、それはダメです。許してください」

「今日は俺の言うことを聞いてもらうよ。さぁ、おま×こ見せて」

嫌がる洋子を強引に力で押さえながら、彼は洋子の脚を広げていった――。

 

〈続く〉


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