連載官能小説『処女の頑張り』最終回
脚を広げたことによって、蜜園が解放される。そこは、しとしとと愛蜜で満たされており、全体的にテカリがあって、ヒクヒクと震えていた。
その光景を見て、健一は、グッと生唾を飲み込み、ペニスを膣口に当てていく。
何しろ、初めての挿入。つまりセックスである。緊張しない方がおかしい。対する小百合も、キュッと目を閉じて、ペニスを挿れられるのを、今か今かと待ちわびている。
「小百合、挿れるよ」
「うん、来て、お兄ちゃん」
「わかった」
軽く会話を交わすと、健一は膣内にペニスをゆっくりと挿れていく。
最初は正常位であった。セックスにおける、最もスタンダードな体位である。
ヌムヌムと、めり込むように、小百合の胎内に侵入していく。
(うわぁ、凄く熱くて、ヌメヌメしてるよ)
挿入はあまりにも感動的であり、痺れるような感覚が迸った。
こんなにも蕩けるような感覚を味わった経験はない。ペニスが奥の方まで入ると、僅かにプチっという音が聞こえた。その瞬間、小百合の表情が変わる。
(あぁ、痛い……、で、でも、お兄ちゃんと繋がってる。嬉しい)
嬉しい気持ちは当然ある。何しろ、小百合は健一に恋をしているのだから。ただ、それでも初めてのセックスであるため、痛みがあった。処女を失う時は、痛みがある。それを知っていた小百合であったが、意外と痛みは強く、苦悶の表情を浮かべた。
すると、その顔つきに気づいた健一が、そっと声をかける。
「大丈夫? 小百合」
その声は慈愛さに満ちており、小百合を優しく包み込んでいく。
「うん。大丈夫。ちょっと痛いだけ……」
「やっぱり痛いのか?」
「そう。痛いけど、本当に大丈夫だから」
「一回抜こうか? その方がいいかもしれない」
「抜いちゃいやぁ。このままにして、ゆっくり動いてくれれば、絶対大丈夫だから。ね、お願い、おちん×ん、抜かないで」
「ホントにいいのか?」
「うん。お兄ちゃんと繋がっていたいの。だからお願い」
「それならいいけど。とりあえず、ゆっくり動くよ。それで様子を見てみよう」
そう言い、健一は緩やかなスピードでペニスを動かし始めた。
膣壁をメリメリと肉竿が侵食していき、擦れ合っていく。その時の快感は、口では言い表せないような心地よさがあった。とにかく、気持ちがいいのである。この世界に、こんな悦楽があったとは、まるで知らなかった。
セックスが気持ちいいというのは、聞いたことがあったが、まさかここまでとは思ってもみなかったのである。
心地よさそうな健一の表情を見て、小百合も安堵していた。
どうやら、自分と繋がって満足してくれているようである。そう思うと、途端、健一が愛おしくなり、抱きしめたくなった。
「お兄ちゃん、キスして」
「わかった」
健一は姿勢を前傾にさせて、顔を近づけていった。
そして、そのまま唇を重ねる。ぷちゅっと、唇同士が重なり、繊細な音を発生させた。だが、それだけでは終わらない。舌を出すと、それを小百合の口腔内に挿れていき、強引に舌を絡ませ始めた。
「んちょ、にちょ、んぐ」
お互いの唾液を啜り合う音がこだまする。
小百合の唾液は、カスタードクリームのように甘く感じられ、蕩けてしまいそうであった。ディープなキスを展開しながら、健一は抽送を続けていった。
キスをして、そのままの勢いで、強く小百合を抱きしめる。覆い被さるような姿勢でピストンを続けていくと、何だか本気になって愛し合っているような気がして、気分が良くなった。
「小百合、凄く気持ちいいよ。最高だ」
あまりの快感に思わず叫ぶ健一。
その声を聞き、小百合も笑顔を作る。
自分はまだ痛みがあるが、兄が気持ちよくなってくれている。その事実は、彼女を強く喜ばせた。
「よかったぁ。お兄ちゃんが気持ちよくなってくれて」
「でも、大丈夫か? 小百合の方は」
「私は大丈夫。だから気にしないで。このまま突いてほしいな」
「わかった。なるべく痛くないようにするからな。大丈夫だから……」
健一は、キスを止めて姿勢を起こした。そして、小百合の両脚に手を置くと、思い切り左右に開いて、秘部を開帳させた。同時に、その状態で、ゆっくりと深く挿入を始めた。トロトロとした蜜壺は、どこまでもペニスを気持ちよくさせていく。
ふと、結合部分を見ると、わずかに血が滲んでいるのがわかった。処女膜が破られて、出血したのである。健一はそれを見て、小百合が頑張ってくれているから、自分も彼女を勇気づけようという気持ちになれた。
自分本位のセックスはダメだ。ちゃんと、二人で気持ちよくならないと。
「このくらいのペースなら痛くない?」
と、健一は尋ねた。
それを受けて、小百合は答える。
「うん、大丈夫だよ。もう少し速くてもいいかも」
「あんまり無理するなよ。二人で気持ちよくならないと意味ないからな」
「ありがとう、お兄ちゃん。最初は凄く痛かったんだけどね、少しずつ痛みがなくなっているっていうか、何か気持ちいいの」
「気持ちいいのか?」
「うん、おちんちんでおま×こをズボズボされると、何か気持ちよくなってフワフワしちゃう」
「そう……か。それならよかった。このまま続けるけどいいな?」
「もちろん。そのつもりでお願いね」
小百合の告白は、全くの嘘ではない。
確かに挿入直後は、激しい痛みがあったのであるが、それは少しずつ引いていった。その代わり、じわじわと快感が包み込み、彼女を支配していったのである。小百合もまた、セックスの奥深さを堪能し始めた。
「あぁん、お兄ちゃんのおちん×ん、凄く気持ちいい」
「俺も気持ちいい。おかしくなりそうだ」
「はぁん、ひぃふぅ。もっと突いて。お願い」
「もっと突いていいんだな」
小百合の言葉を聞き、健一は抽送のギアを一段階引き上げた。腰の振り方が速くなり、結合部分からぶくぶくと泡のようなものが噴き出してきた。
あまりにペースを上げてしまうと、忽ち果ててしまうかもしれない。
だが、それでもよかった。もしもイッてしまったら、最初からやり直せばいいのだ。幸い、時間なら山のようにある。今日一日中セックスしたところで、何の問題もないのである。
「くぅ、小百合、そんなにおま×こ締めないで……」
「きゃぁ、そんな、わざとじゃないの。ただ、あんまり気持ちよくなると、自然とおま×こが締まっちゃうの」
「小百合のおま×こ、物凄く窮屈で、ペニスが千切れそうになるよ」
「ゴメンね、お兄ちゃん、小さいおま×こで……」
「ううん、小さい方がいいよ。その分締め付けが強いからね。ただ、それがちょっと強すぎて驚いてるだけさ」
未熟な小百合の性器は、まだまだ発展途上であり、悪戯にペニスを甘締めしていった。その締め付け具合があまりにも強すぎて、健一を激しく動揺させる。ただ、それでも十分気持ちがいい。こうして二人でセックスをしていると、兄妹という垣根を超えて、本当に恋人になったかのように錯覚するのである。
夢なら、覚めないで欲しい。
このまま、ずっと二人でいたい。
健一も小百合もそんな風に考えていた。
「小百合、体位を変えたいんだけどいいかな?」
「体位?」
「そう、今は正常位だろ、今度はバックからやりたい」
「お兄ちゃんがそうしたいなら、いいよ。バックってどうするの?」
「四つん這いになって、お尻を高く上げてくれる? その状態で挿れるから」
「うん、わかった」
一旦ペニスを引き抜く。
それを見計らった小百合は、素早く四つん這いになった。
お尻をツンと高く上げると、アヌスまで丸見えになって、凄く恥ずかしい。けれど、恥ずかしさを超える悦楽があり、彼女を恍惚とさせていった。
「いやぁ、お兄ちゃん、この体勢すごく恥ずかしいよ」
「大丈夫、直ぐに慣れるよ。この状態で挿れるからね」
健一は臀部の双肉をクッと掴むと、それを左右に広げた。
しとしとと糸を引く、淫らな蜜園が解放され、早くその中に入りたくなった。
「挿れるぞ、小百合」
「きゃぁ、早く来てぇ」
膣口にペニスを押し当て、そのまま一気に貫いていく。
ずりゅっとめり込むようにペニスが入っていき、直ぐに奥まで到達した。
後背位は正常位に比べると、幾分か挿入が深くなる。ペニス全体を甘く包み込まれると、圧倒的な快感が降ってくるではないか。
「いやぁ、何か動物が交尾しているみたい」
「でも、こういう体勢も興奮するだろ。よし、このまま突くからな」
「ひゃぁ、突いて、おま×こをずぼずぼっておちん×んで突いて欲しいの」
小百合の淫語を聞きながら、健一は抽送を始める。
にちょにちょと、淫猥な音が鳴り響き、それが静かな室内に響き渡っていく。結合部分から、愛蜜や先走りなどが融合した液体が、しとどに溢れ出し、ベッドのシーツに落下していった。そして、その液体は、シーツの上に染みを作っていった。
「はぁ、小百合、ち×ぽが奥まで届くよ」
「うん、凄いの、子宮の入り口をコンコンって突かれると、凄く気持ちいいのぉ。もっとしてぇ」
「小百合は本当にエッチだな。こんな風にヨガったりして」
「だってぇ。あまりに気持ちよくて声が出ちゃうんだもん」
「ククク。俺はそっちの方が好きだよ。今の小百合、十分魅力的さ」
「あひぃ。くぅん。あぁ、おま×こ凄く気持ちいい」
迸る快感に小百合は身を捩らせて感じていた。
淡く切ない刺激が、徐々に鋭さを増していき、形容しがたい悦楽に変化していくのである。
彼女は、酸欠状態の魚のように口をパクパクとさせながら、肉竿の感触を味わっていった。
「小百合、俺、もう少しでイキそう。イッもいいかな?」
「うん。イッていいよ。私も一緒にイクから」
「中に出してもいいのか?」
一瞬、小百合は迷った。
中出しされたら、もしかすると赤ちゃんができてしまうかもしれない。
しかし、それでもよかった。
中出しされて、兄を限界まで感じていたかったのである。
「いいよ、中に出して」
「ホントいいのか?」
「大丈夫、お兄ちゃんを最後まで感じていたいの。だから中に出して、せーえきをたくさん頂戴」
「わかった。じゃあ、たっぷり中に出すからな」
最後の力を振り絞って、健一は抽送を続ける。
やがて、ペニスの奥底が熱くなり、快感の塊が全身を覆い尽くしていく。
「あぁ、ダメだ、出る、もうイクよ」
健一が叫んだ。
それに合わせて。小百合も声を上げる。
「あぁん、私もイク、イッちゃう……」
二人の声がシンクロした瞬間、牡の熱き欲望が一気に放出された。
ドクドクドクと、勢いよく放出されたスペルマは、瞬く間に膣内に流れ込んでいく。
「あぅぅ、お兄ちゃんの精子が、私の中に入ってるぅ。き、気持ちいい」
精子を中に出されると、お腹全体が熱くなって、心地よくなっていく。これは癖になりそうであった。
最後の一滴まで精子を絞り出すと、そのまま健一は崩れ落ちた。
そして、小百合の脇に寝そべると、優しく顔を撫でる。
「小百合、ありがとう。凄く気持ちよかったよ」
「私も……、ねぇ、お兄ちゃん。今度またしてくれる?」
「でも俺たち兄妹だし。いけないんじゃ」
「我慢できないの。お兄ちゃんはいつかこの家を出て行く時が来るかもしれない。その時まででいいの。その時まで、私を可愛がって……」
「小百合……」
小百合の気持ちを知り、健一はヒシっと彼女を抱きしめた。そして、そのまま唇を重ねて、深く愛し合う。
「わかった。一緒にいよう」
「うん、お兄ちゃん大好きだよ!」
二人はこうして結ばれた。
淡く切ない禁断の関係は、これからも続いていくだろう――。
〈了〉
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