連載官能小説『痴漢にハマる女』最終回
(私、何をしているんだろう……)
激しく自己嫌悪に陥る操。
自分は既に、二度も痴漢の魔の手に堕ちている。
捕まえると豪語しながら、全くそれができない。だからこそ、彼女は憂鬱な気持を抱えていたのである。
(ちゃんとしないと)
そう。自分の役目は痴漢を捕まえること。
それができなければ、全く意味がない。
何としてでも、痴漢を捕まえたい。その心意気はあるのだ。ただ、どういうわけか、痴漢のテクニックに屈してしまうのである。あの絶妙な指使いを前にすると、心が奪われてしまうのだ。不甲斐ない……。そんな気持ちが彼女を襲っている。
(明日もバスに乗らないと)
ただ、気持ちが挫けてしまう。
また、痴漢のテクニックに屈してしまったら、結局は痴漢の言いなりになってしまうことになる。それだけは避けたい。何としてでも、自分を諌めて奮い立たなければならない。
(大丈夫。私ならできる……)
と、操は自分を奮い立たせる。
痴漢を捕まえたい。その気持ちは確かにある。しかし、その中には、あのテクニックを股感じたいという思いが含まれていた。あの絶妙な指捌きを、彼女は欲しているのだ。どこまでも、痴漢の魔の手に堕ちていく。いいようにあしらわれて、寸止めを食らってしまう。
あのテクニックで絶頂を迎えられたら、どれだけ気持ちよくなれるか? 考えるだけで、身体がゾクゾクとしてきてしまう。前々回、そして前回、自分はイクことができなかった。だからこそ、激しく身体が疼いて仕方ない。なんとかイキたい。でも、バスの中でイッてしまったら、それこそ、変態ではないか。
(はぁ、私、どうなるんだろう……??)
考えていても仕方ない。結局は、バスに乗ることになるだろう。
次こそは捕まえる。その決意を胸に、彼女は眠りに就いた。
翌日――。
いつも通りのバスに乗り、痴漢の襲来を待つ。
バスの中は、依然として混雑しており、身動きを取るのが難しい。
(同じバスに乗った。となると、痴漢は必ずやってくるはず。今回は絶対に捕まえるわ)
決意を固め、身体をしゃっきりとさせる。
格好も依然と同じ、セクシーな装いを心がけた。
痴漢は自分を狙ってくる。だから、あえてこのような格好をしなくてもいいのだが、何となく、気分を奮い立たせるために、セクシーな格好をしているのである。
やがて、痴漢が乗ってくるバス停に、バスが停車する。
乗客がどっと乗ってきて、車内の混雑はピークを迎える。
操は、ドキドキしながら、痴漢の襲来を待っていた。
そして、バスが動き出すと、スカートの上からお尻を触られたのである。同時に、耳元で声が聞こえた。
「いつもセクシーな格好ですね。期待しているんですね?」
混雑して振り返れない。だが、操はひっそりと声を出す。
「馬鹿言わないで、あなたを捕まえるためよ」
「ククク。そうですか? でも、僕を捕まえたら気持ちよくなれませよ。それでもいいんですか?」
「気持ちよくなんかないわ。あなたのやっていることは犯罪なのよ」
「なら、大声でも出せばいいんじゃないですか? そうすれば僕を捕まえられますよ。でも、あなたはそれをしない。つまり、僕のテクニックの虜になっている……。違いますか?」
「くッ。そんなわけないわ。あなたを捕まえるために、あえて泳がせているの。しっかりと証拠が揃ったらあなたを捕まえてあげるから」
「そうですか? まぁいいでしょう。今日もじっくり調理してあげます。前回、前々回とイケませんでしたから、今回はイカせてあげてもいいんですよ」
イカせる。
その言葉を聞くと、どこか身体が火照ってしまう。同時に、秘裂がズキリと疼くのであった。脇の下に、じっとりと汗が浮かび上がり、緊張感のあるムードが流れる。
最初に動いたのは、男の方であった。
彼は、なんと、スカートの中に手を突っ込み、ショーツをズルッと引き下ろしたのである。
(な、なんて強引なの)
あまりの手業に、操は面食らってしまう。
ただ、素早すぎて、防ぎきれなかった。ショーツを太もも付近まで脱がされて、その状態で、指で秘唇を弄られる。
「おやおや、おま×こが濡れますよ」
と、男の囁き声が、操の耳元に届く。
確かに彼女は秘部を濡らしていた。身体は正直に、淫猥な行為を期待しているのである。またしても、痴漢の魔の手に堕ちてしまう。瞬く間に顔を真っ赤にさせた操は、必死に抵抗をする。そして、痴漢の腕を掴むのに成功する。
「捕まえたわ。さぁ、覚悟しなさい」
「ただ腕を掴んだだけですよ。それに力が入っていません」
痴漢はあくまでも冷静であった。
腕を掴まれているというのに、まったく同様せずに、秘裂を弄り回している。操は、痴漢の腕を掴んだのであるが、結局何もできず、されるがままになってしまった。
(あぁ、ダメ、そんなところを触られたら、おかしくなっちゃう)
ガクガクと身を捩らせて感じ始める操。
痴漢のテクニックの前に、またしても屈してしまうのであった。
立っているのが、本当にしんどい。だが、この衆人環視の中、激しくイクわけにはいかない。何だか欲求不満の変態になったような気がして、彼女は自分が恥ずかしくなった。
「今日はイカせてあげます。安心してください」
と、男の声が聞こえる。
そして、彼は何を思ったのか、操の身体に自分の身体を密着させてきた。
(くぁ、何をするつもりなの??)
操はドキッと背筋を震わせる。
ふと、臀部に、何か硬いものが当たる。
(嘘、これってもしかして……)
操の臀部に当たったもの。それは痴漢のペニスであった。
このバスの中で、男は操の胎内に侵入しようとしているのである。
あまりの大胆な行為に、唖然としてしまう操。ヌルヌルとした女の部分に、硬くなったイチモツが当たる。尻たぶを閉じているが、そこを強引にこじ開けて、秘唇にペニスを突っ込んできた。
グググ……。痴漢のペニスが操の膣内に入ってきた。彼のペニスは、かなり大きく、ギュウギュウと膣内を切り開いていく。ただ、愛蜜により、秘部はたっぷりと濡れているので、挿入はスムーズに行われた。
「おま×こが濡れているから、あっさり入りました。どうです、気持ちいいでしょう?」
「あなた何を考えているの? こんなバスの中で……、正気じゃないわ」
「正気のままじゃ気持ちよくなれませんよ。自分を解放しないとね」
痴漢は狭い環境の中で、器用にピストン運動を開始する。バスが揺れるタイミングを見計らって、ペニスを突き上げてくるのである。その行為があまりの手慣れているため、操は心地よくなってしまう。
バスの中で、痴漢の肉竿を受け入れている。こんなところを見られてしまったら、どうなってしまうのであろうか? 操は、恐る恐る周りを見渡した。後ろにいる痴漢は見られなかったが、左右にいる乗客は、二人の情事に気づいていないようであった。コックリコックリとうたた寝しているのだ。
とりあえず、見つかる心配はないかもしれない。ただ、この状況は絶対的に不味い。このままでは、本当にイカされてしまう。それだけは……。イッてしまったら、それこそ自分を保てないような気がした。
(あふぅん、もう止めて……、本当に狂いそうだわ)
じわじわとした甘い悦楽が、突きの一撃と共に、身体に降りかかってくる。膣内をペニスでかき回されると、それだけで心地よくなってしまう。操は、「はぁはぁ」と、甘ったるい吐息を吐き、何とか耐えようと躍起になる。しかし、痴漢のテクニックは凄まじく、的確に急所を突いてくるのである。
奥深くまで肉棒を挿入され、一定のリズムで突かれる。三度浅く突いて、四度目で一気に貫く。グググと体中が熱く火照り、身動きが取れないのに、思わず声を出してしまいそうになる。
「ふぁん、あぁぁ」
とうとう思わず、淫声が漏れる。
すると、痴漢の囁き声が聞こえる。
「ククク、声が漏れていますよ。乗客に聞かれてしまってもいいんですか?」
「だって、こんな風に突かれたら、私、おかしくなっちゃうわ……」
「もう少し、ペースを上げて、早くイカせてあげますよ。たっぷり堪能してください」
痴漢の抽送のリズムが上がっていく。
ずんずんと突き上げるような刺激が、操の秘唇を襲っていく。
彼女は次第にアクメを覚え始め、耐えるのがしんどくなっていった。
(あぁん、ダメ、このままじゃイッてしまう……)
操はガクガクと身体を震わせて、感じ始めた。
どうやら、最早耐えられなくなっていったようである。
痴漢は操がイキそうなのを見抜いているらしく、突きの一撃を強め、最後の仕上げにかかっている。
「ラストスパートです。さぁ快くまで気持ちよくなってください……」
と、痴漢は小声で呟いた。
同時に、抽送のスピードを速め、ずりゅめりゅと、膣壁を擦りあげていった。
「く、うぁぁ、私、イク、イッちゃう」
「イッていいんですよ。そして、僕のテクニックの虜になってください」
次の瞬間、膣内に何かが流れ込むのがわかった。
「ま、まさか中に出しているの?」
「中出しが基本ですからね。僕の子どもを孕んでください」
「くぅぅ、あぁぁぁ」
中出しされると、何というか心地よくなってしまう。
精液の暴走を感じながら、とうとう操も果ててしまった。膣内が激しく収縮し、身体をビクッと跳ねさせた。
(あぁぁぁ、私、イッてる、中出しされて、イッちゃってるぅ)
こうして、操は痴漢の魔の手に完全に堕ちた。
解放された時、膣から吐き出された精液がドロリと零れ落ちた。
やがてバスが停車し、操は痴漢から解放される。
最後、痴漢の声が聞こえた。
「ククク、また気持ちよくなりたかったらバスに乗ってください。いつでも犯してあげますよ」
(私、どこまでも堕ちていくのね……)
操は再びバスに乗るだろう。新たなる刺激を求めて――。
〈了〉
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