連載官能小説『旅先で出会った女』第2回
豊は30年間生きてきて、女を金で買った経験がない。
ソープはもちろんだが、ヘルス、ピンサロといった風俗店へ行ったことがないのである。何というか、金で女を買うという行為が、肌に合わないと感じていたのだ。しかし、今回は少し違う。
たまたま入ったバーで出会った女。それも、かなりイイ女であった。由美を抱けるのであれば、金を払ってもいいかもしれない。……そんな風に彼は感じていた。
ホテルのベッドの上で、豊は手コキをする由美を見つめる。その仕草は、非常に丁寧であり、頗る気持ちがいい。過去、彼女がいた時は、フェラチオや手コキをしてもらったことがある。だが、そこまで気持ちいいとは感じなかった。
ただ、何となくしてもらっていただけである。ただ、今は全く違っていた。心の底から、心地いい気持ちになっている。ペニス全体が、淡い膜に包まれているようで、ジンジンと熱くなっているのである。
「どこでこんなテクニックを?」
と、豊は由美に対してそのように尋ねた。
すると、由美は手コキを一定のリズムで続けたまま答える。
「さぁ、自然と慣れちゃった感じかな」
「これまでどれくらい身体を売ったの?」
「それも覚えていないわ。でも、10回くらいだと思う。流石に100回とかはないから安心してね。私、これでも相手を選んでいるの」
「それで僕が選ばれたわけか……。何か凄い偶然だな」
「そうね。でもね、偶然の成り行きでセックスするもの悪くないものよ。私はそう感じているわ」
「確かに……そうかもしれないね」
すると、由美はニコッと微笑んだ。
その微笑みは、まるで天使のような輝きがある。思わず見惚れてしまうというか、ドキッと胸が高鳴るのである。
由美は手コキのスピードを徐々に上げ始めた。
既に、亀頭の先端からはカウパー腺液が滲み出し、トロトロと溢れ出している。それが、由美のキレイな指先に付着し、キラキラと煌めいて見える。さらに由美は、そのカウパー腺液を潤滑油代わりにしながら、せっせとペニスを扱いていく。
淡い刺激が、段々鋭くなってきて、豊を心地よく支配していく。
現在、彼女のいない豊にとって、性処理は大抵がマスターベーションである。だが、それも毎日ではない。ふと、溜まってきたな、と感じたらする程度であり、何というか、一つの儀式のように感じられた。
だから、義務でやっているような感覚になり、そこまで気持ちよくはなかった。確かに、快感はあるのだが、それは決して痛烈ではなく、些細なものである。それ故に、今こうして手コキをされて、圧倒的な悦楽を前に、彼はただたじろいでしまう。こんな快感を味わってしまうと、最早マスターベーションには戻れないような気さえしてくるではないか。
「豊さんのおちん×ん、大きいのね」
「そうかな? あんまり他人のサイズはわからないけれど」
「凄く大きいわよ。私が見てきた中でもトップクラスだと思う。こんな大きなものが、私の中に入るのかしら?」
由美は、クスッと笑みを浮かべる。
そして、そのままにこやかに手コキを続けていった。
肉胴を指で優しく包み込みながら、せっせと上下に扱く。ただ、それだけではない。時折、手のひらをカリ表に持っていき、カリ全体をコシコシと擦り始める。すると、カリ全体がじわじわと刺激されて、気持ちいい感覚が直走ってくるのである。
「くぅ、うわぁ……」
思わず、豊の口から歓喜の嗚咽が漏れる。
身体が蕩けてしまうのではないかと思えてくるのだ。
由美はカリ表を刺激するのを止めると、カリの裏側を弄り始めた。そして、包皮の付け根を爪先でカリカリと擦り始める。
「あぁ、それ、凄くいいよ」
「カリの裏が感じる男性って多いのよね。豊さんもそうなのかも」
豊が顔を綻ばせて、快感に身を委ねていると、由美はますますヒートアップしていく。カリ裏を刺激しながら、さらに睾丸をマッサージし始めたのである。
ペニスと睾丸をダブルで弄られて、豊は悶絶しそうなほどの悦楽を感じ取った。この世にこんな気持ちいいことがあったとは。彼は驚き、ただただ、されるがままになっている。
「タマタマも気持ちいいでしょ?」
「うん、凄くいい感じだよ」
「ウフフ。おちん×ん、ますます硬くなってきたわね。それにビクビクしてる。イキそうなの?」
「まだ大丈夫かな」
「それはよかった。これからが本番だものね。もう少し我慢してね」
由美の前では強がったものの、少しずつ射精感がせり上がってきている。このままのペースで行くと、それほど長く持たないかもしれない。それでも、豊は必死に耐えていく。アヌスにキュッと力を入れて、下半身をしっかりさせると、幾分か余裕が生まれてきた。
「次は、舐めてあげるね」
「フェラしてくれるの?」
「そうよ。フェラチオは嫌い?」
「いや、随分長いこと経験していないから、直ぐにイッてしまうかもしれないよ」
「イキそうになったらイッてもいいわよ。好きな所に出して頂戴」
「いいのかい?」
「えぇ、大丈夫だから。たっぷり気持ちよくなってね」
由美はそう言うと、口をいっぱいに広げた。
そして、ヌメヌメとした口腔の粘膜を使い、ペニスを含み始めた。
ねっとりとした口腔内は、どこまでも温かく、ヌルヌルとしており、非常に心地いい。由美は、肉胴を包み込むと、そのまま舌先を使ってレロレロと亀頭を弄り始めた。
久しぶりに感じるフェラの感触に、豊は参ってしまう。フェラチオでここまで甘美な印象を受けたのは初めてかもしれない。
「君のフェラ、凄く気持ちいいよ」
「そうれしょ。わたし、フェラには自信があるの」
最初は舌先を使って亀頭全体を舐り回し、徐々に刺激を強めていく。
次第に強いアクメが、豊を襲い始める。
舌先を丁寧に使い、カリ表、そしてカリ裏を弄りまわしていく。この時、彼女は同時に玉袋をもマッサージして、快感を生み出していった。
(あぁ、堪らない……。天国にいるみたいだ)
と、豊は感じていた。
偶然が重なりここまでやって来た。まさに運命と言えるかもしれない、この境遇に、彼は感謝しながら、愉悦を味わい尽くしていく。
やがて、由美は肉胴全体を口で含むと、唾液をたっぷりと含ませて、上下に動かし始めた。
くちゅ、にちょ、じゅちょ……。
淫靡な音がこだましていく。もちろん、その淫音は豊の耳にも届いている。
このような音を聞きながら、フェラを受けると、ますます興奮してしまう自分がいる。フェラチオでここまで気持ちがいいのである。この先にあるであろう、セックスはどうなってしまうのか? 考えるだけでゾクゾクとしてくる。
「豊さんのおちん×ん、大きすぎて舐めるのが大変だわ」
「ゴメン。ただこればっかりはどうしようもないね」
「くすくす。大丈夫よ。もっと気持ちよくしてあげるからね」
「それは嬉しいな……。ぜひお願いするよ」
由美は肉竿をずっぽりと咥えこむと、そのまま激しく吸引し始めた。いわゆるバキュームフェラというやつである。ペニス全体を吸い込むように圧殺され、心地よさも倍増していく。絶妙な刺激が剛直全体に伝わり、豊の射精感もより一層強まっていった。
次に、由美は肉胴の中心から下に口元を持っていき、陰嚢を舌で舐め始めた。こんな経験は初めてである。ズンと、切り裂くような刺激が、ペニス全体に広がっていく。
「タマも凄く気持ちいい。蕩けそうだ」
「そうでしょ。タマタマとおちん×んを同時に弄られると、男の人って気持ちよくなるみたいなの」
「うん。そうみたいだね。とにかく心地いい。素晴らしいよ」
「フフフ……ありがとう。フェラのし甲斐があるわ」
由美は睾丸を口で含むと、唾液でたっぷりと湿らせて、そのまま舐り尽くしていく。もちろん、肉胴部分へのケアも忘れない。手のひらをフルに使って、上下に扱いていくのであった。
時折、強いアクメが襲ってくるが、その感覚が徐々に短くなってきた。
ペニス全体が甘締めされたように、気持ちよくなっていく。同時に、耐えがたい射精感にとらわれる。
「由美さん、僕、そろそろイキそうだよ」
「イキそうなのね? 好きな所に出していいのよ」
「どこでもいいのかい?」
「ええ」
「なら、君の口の中に出したい……。いいかな?」
「そうしたいのなら、それで構わないわ。たっぷり精子を出してね。ビュッビュッって」
豊の剛直がビクッと脈打っていく。
最早限界は近い。
恐らく、由美もそれを察しているのであろう。
睾丸を舐めるのを止め、彼女は再び肉胴を口腔で含み始める。
そして、より一層ペースを上げて、じゅぼじゅぼと淫音を轟かせながら、最後の仕上げになかかる。
「あぁあ、凄く気持ちいい、ぼ、僕、もうダメだ」
「イキたくなったらイッて。私のお口にたくさんの精子を頂戴」
由美の言葉を聞き、牡の欲望が弾けていく。
次の瞬間、ペニスがグググと収縮を始め、尿道に精液が駆け巡ってくる。
そして、豊はとうとう果てた。
ビュルビュルドピュ。と勢いよく、白濁色の子種を放出していく。
由美の口腔内にスペルマが流し込まれ、由美は瞳を閉じて、それを受け入れていった。そして、彼女は躊躇なく、吐き出された精液を飲み下した。
「ゴクリ」という咽頭を駆け巡る音が微かに聞こえた。由美はペニスから口を離すと、うっとりとした目つきで豊を見つめる。
「由美さん、飲んでくれたの?」
「えぇ。そっちの方が嬉しいと思って。とっても濃い精子だったわ」
「ありがとう。とても嬉しいよ」
「ねぇ、まさかこれで終わりじゃないわよね。私ね、あなたのおちん×んを舐めて、あそこが疼いているの。何とかしてくれない」
「次は僕が責める番っていうわけ?」
「そう。私のおま×こを気持ちよくしてくれない?」
「もちろん、そのつもりだよ」
おま×こという淫語を美女の口から聞き、豊は一層興奮を強めていった――。
〈続く〉
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