連載官能小説『姉ちゃんは弟に首ったけ』第7回
元々、有希の健司に対する過保護ぶりは、目を見張るところがあったが、それが日に日に強くなっていった。同時に、その状況を抱え、健司は辟易としていく。
(なんか、前よりも増して姉ちゃんが、色々言うようになったよな……)
半ば、うんざりしながら毎日を送っていたのであった。
有希があまりにもうるさいため、美香との仲はあまり進展していない。
(せっかく友達になったのにな……。姉ちゃんの所為で、全然話せないや)
学校を終え、健司が帰宅すると、有希は店に立ち、古本の整理をしている所だった。
「あ、健司帰ってきたのね。ちょうどいいわ、店番手伝って」
「えぇぇ、面倒だなぁ、今日平日だよ」
「いいから、早く来なさい。平日でも色々忙しいんだからね」
「わかったよ。カバン置いて着替えたら行くから」
「うん。そうして頂戴」
健司が自室へ行き、カバンを置き、制服から私服に着替えようとした時、突如ガラッとトビラが開いた。勿論、トビラを開けたのは他でもない有希である。
「ちょ、ちょっと姉ちゃん、今着替え中だよ」
「心配になっちゃって。あの女と如何わしいことしていなわよね?」
「してないよ。姉ちゃんの所為で、全然話せていなんだから」
「そう。それならいいけど……。でも、心配ね。ちょっとチェックさせなさい」
そう言い、有希は強引に着替え中の健司のボクサーパンツを脱がし、ペニスを露出させる。そして、クンクンと匂いを嗅ぎ、女の匂いがないかチェックし始めた。
「ね、姉ちゃん、何するんだよ」
「言ったでしょ。毎日おちん×んチェックしないと不安なの。それにね、これはあんたのためでもあるのよ」
「俺のためって……、何でさ?」
「あんたが変な女に引っ掛からないか、こうしてチェックしてるの。うん、今日も大丈夫そうね。無事、童貞を守って何よりだわ」
「当たり前だよ。とにかく、もうこんなの止めてよ」
「ダメよ。だって心配なんだもん」
断固として、有希は聞き入れないのであった。
彼女の過保護ぶりは、これに留まらない。
(はぁ、姉ちゃん、ホントに参ったなぁ。これじゃ束縛どころの問題じゃないよ)
例えば、古本屋で店番をしていて、女の子のお客が来ると、キッと目を光らせて、健司を奥に下がらせるのである。また、それだけではない。それは、彼がお風呂に入っていた時だった。
(やっぱり、風呂は最高だな、疲れが吹き飛ぶよ……)
「健司、入るわよ。イイわね?」
「ちょっと、なんでだよ、入ってくるなよ」
「いいじゃない、姉弟なんだから」
「恥ずかしいよ、出て行ってよ」
「なんでそんなに嫌がるの? 拒絶されたら、私悲しいわ」
「悲しいのは俺の方だよ。少しは一人にさせてよ。最近、姉ちゃん俺を束縛しすぎだよ。これじゃ息が詰まっちゃう」
「私はただ、あんたが心配で」
「心配し過ぎだよ」
「健司がちゃんと童貞でいるかどうか、チェックしないと、我慢できないの。だから協力しなさい」
「心配しなくても、俺は童貞だよ。そんなに簡単に卒業なんかできないと思うよ」
「だけど、あの女がいるわ。この間、学校で乳繰り合っていたじゃない」
「あ、あれは……、そ、その……、たまたまだよ。それに、さっきも言ったけれど、今は全然話していないんだ。そんなエッチな関係にはならないよ」
「それに、今日お客さんで女の子が来たでしょ。その子のこと、ずっと見てたわ」
「見てないよ。第一、お客さんが入ってきたら、確認するのは当然でしょ」
「凄くいやらしい目で見てた。女の子って、男のそう言う視線に敏感なんだからね」
「はぁ、そんな目で見てないよ。姉ちゃん、最近おかしいよ。前みたいに、普通の姉ちゃんに戻ってよ」
「私は普通よ。何も変わってないわ」
「変わり過ぎだよ。これ以上、姉ちゃんが俺を束縛するなら、俺、姉ちゃんが嫌いになっちゃうと思う」
それは、まさに爆弾発言であった。
愛しの弟から嫌われる。それは有希にとって大きな恐怖だったのである。
「な、なぁ……、き、嫌いになる……、ですって」
口をパクパクさせながら、有希は繰り返す。
対する健司は、心を鬼にして告げるのであった。
「だから、これ以上束縛すると、嫌いになるって言ったんだよ。それでもいいの? 姉ちゃん」
「よくないわ。私、健司に嫌われたら死んじゃう」
「死んじゃうは大げさかもしれないけど、とにかくさ、俺をこれ以上失望させないでよ。前みたいな姉ちゃんに戻ってくれると、俺は嬉しいな」
「はぅ……、わかったわよ。そんなに喧々しないでよね。ただ心配してるだけなんだから」
「その心配が行き過ぎなんだよ。俺は大丈夫だし、暫く童貞だよ」
一旦、有希は引き下がった。
これで一件落着と思った健司であったが、考えが甘かったようである。
(明日の準備はこれでよし。さて、寝るか……)
翌日の学校の準備を終え、ベッドに入る健司。部屋の電気を消して、微睡んでいると、何となく人の気配を感じた。
「だ、誰!?」
気配を感じ、健司は跳ね起きた。
すると、そろそろと身を小さくして部屋に入ってくる有希が見えた。
「姉ちゃん、何してるんだよ? 勝手に入ってくるなよな」
「もしかしたら、一人寂しくオナニーでもしてるかと思って。お姉ちゃんが手伝ってあげようか?」
「どこの世界にオナニーの手伝いをする姉がいるんだよ。もう止めてよ」
「お姉ちゃんと気持ちいいことしたくないの」
「もういい! 姉ちゃんなんて嫌いだ。もう話したくもない!!」
痛烈な言葉を放つ健司。
その言葉を聞いた有希は、脳天をぶっ叩かれたような衝撃を覚える。
「え、ぇぇぇ、今何て言ったの、健司?」
「うるさい! 姉ちゃんなんて嫌いだ。もう出てってよ。帰れ!!」
弟の圧倒的な拒絶。これは、大いに有希を困惑させた。
あまりに衝撃的過ぎて、有希は亡霊のようにその場から消えていったのである。
(ようやく出て行ったか……。う~ん、少し言いすぎたかなぁ? でも、このくらい言っておかないとダメだよな。俺のプライベートがなくなっちゃう)
翌日――。
朝ごはんの時、有希は起きてこなかった。少しだけ、心配になったが健司は気にせず学校へ向かった。
(姉ちゃん、俺に嫌いって言われたから、よっぽど堪えたんだな。まぁいい薬だよ。このくらい)
姉を元通りにするためには、このくらいの荒療治が必要である。
そう感じた健司は、一人学校に向かうのであった。
(今日は、店の手伝いか……。面倒だけど仕方ないな……)
学校を終え、店の前に行く。すると、店のシャッターが下りたままで、開店していない。
今日は平日だが、定休日ではない。なのに、どうして店が閉まっているのだろうか?
「ただいま。店閉まってるけど、きょう臨時休業にしたの?」
すると、父親が出てきてこう言った。
「あぁ、有希が調子悪くてな。今日は大事をとって休みにしたんだ」
「姉ちゃん、風邪でも引いたの?」
「よくわからん。ただ起きてこないんだよ」
「ちょっと行ってみるよ」
姉のショックは、どうやら健司の予想を遥かに超えていたようであった。
健司は、有希の部屋の前に立つと、深呼吸をしてからトビラをノックする。
「姉ちゃん、健司だけど、どうしたの?」
「……」
反応がない。流石に心配になった健司は、ゆっくりとドアノブを捻った。
「姉ちゃん、入るよ」
ギィと蝶番の軋る音が聞こえ、トビラが開かれる。
部屋の中は、カーテンが閉められており、さらに電気も付いていない。
「姉ちゃん、調子悪いの? 大丈夫??」
「私、もうダメ……、もうダメなの……」
「もうダメってどうしてさ」
ベッドの上で、毛布をかぶって有希は震えていた。
そして、念仏のように囁く。
「だって、私、健司に嫌われちゃったし。もうダメよ」
「あれは、姉ちゃんがしつこいからでしょ。それさえなくなれば、俺だってまた姉ちゃんを慕うよ」
「私はただ、健司が純潔を守ってるかどうかが気になるの……。だから、チェックしないと、気が済まないのよ」
有希は本当に健司を心配しているようであった。
ここまで心配されると、どこか申し訳なくなる。
(姉ちゃんを立ち直らせるには……、俺が動かなきゃダメだな……)
健司は、グッと拳を握りしめると、固く覚悟を決めた。
「姉ちゃん。しよう……」
「え?」
「だから、俺としよう」
「するって何を?」
「えっと、俺とセックスしようってこと」
「ふ、ふぇ……」
心底驚いたように有希が震えた。
そして、毛布を跳ね除けると、ぴょこっと顔を出す。
「姉ちゃんは俺の童貞が気になるんでしょ? ならさ、俺の童貞を姉ちゃんにあげるから、元通りになってよ」
「け、健司……、あんた、ホントに言ってるの?」
「俺は本気だよ、だって、姉ちゃんがいつまで塞ぎ込んでたら、俺も困るし、店だって繁盛しないとやっていけないでしょ」
「で、でもでも、健司は私のことが嫌いなんでしょ?」
「ちょっと過保護すぎてうんざりしただけだよ。でも、本心じゃない」
「ホント? 信じてもいいのね」
「うん。俺を信じてよ」
もそっと起き上がると、有希はベッドから出てきて健司を抱きしめた。
姉の腕の中で、健司はむぅと丸くなる。
「ね、姉ちゃん苦しいよ……」
「私、健司がいないとダメなの……。だから過保護になっちゃうの」
「俺が童貞を捧げれば、姉ちゃんだって満足するだろ」
「いいのね、私が童貞を貰っても」
「いいよ。それで姉ちゃんが立ち直るのなら、俺は協力するよ」
健司がそう言った瞬間、有希は彼に対し優しくキスをした。
ぷちゅっと唇同士が密着し、ふんわりとした女臭が鼻を擽る。
「まずは、おちん×ん大きくしてあげる」
「う、うん……、姉ちゃん、俺のち×ぽ触って」
有希は健司のズボンとボクサーパンツを下ろし、怒張を解放させる。
まだ臨戦態勢ではない剛直を手で握りしめ、ゆっくりと上下に扱いていく。
「はぅ……、姉ちゃん、気持ちいいよ……」
「おちん×ん、少しずつ大きくなってきたよ」
「だって、姉ちゃんがいやらしく触るから」
「フフフ……、もっと気持ちよくしてあげる」
有希はしゃがみ込むと、カプッとペニスを咥えこんだ。
そして、しゅぼしゅぼと淫音を轟かせながら、フェラチオを開始する。
「あぁ、姉ちゃん、激しい……、ち×ぽが……ち×ぽが心地いい……」
「んじゅる……、じゅぼじゅぼ……、じゅるる……、じゅる……んじゅるんじゅ……」
ねっとりとした口腔の粘膜に包まれると、本当に心地よくなってしまう。
あまりの快感に、健司は立っているのが辛くなるのであった。
「姉ちゃんのフェラ、凄く気持ちいい……」
「そうでしょ。健司のためにたくさん練習したんだからね」
「姉ちゃん……」
「タマタマも弄ってあげるね」
「うん、お願い……、タマを弄られると気持ちいいから」
「フフフ、そうでしょ? タマタマとおちん×んをダブルで刺激してあげる」
有希はペニスを咥えこみ、激しく吸い付きながら、さらに睾丸を指で軽く揉み始める。
ずんずんと、鋭い快感が襲ってくる。立ち昇る悦楽に、健司はガクガクと膝を震わせた。
「姉ちゃん、このままじゃイッちゃうよ……、気持ちよすぎて堪らない」
「んじゅ……じゅるる……、まだよ、まだイッちゃダメ。イクのは私のおま×この中にして」
有希は、そこでフェラチオを止めた。
突然のお預けに、消化不良の想いを抱く健司。
「健司、セックスする時はね、ちゃんと前戯しないとダメなのよ。だから、今度は私を気持ちよくしてくれる?」
「俺が姉ちゃんを?」
「そう、お姉ちゃんのおま×こクリクリしなさい。イイわね?」
「うん、俺、姉ちゃんのおま×こ弄りたい」
「ウフフ、正直ね。そんな健司が好きよ。私の大切な部分見せてあげる」
有希はそう言うと、スルスルとパジャマを脱いでいった。
セクシーなレースの施されたショーツとブラを脱ぎ捨てると、女神のようなボディが露になる。
「姉ちゃん、凄くキレイだよ」
「恥ずかしいからあんまり見ないでね」
二人はベッドの上に移動し、そこで熱く抱擁を交わす。
その後、健司は有希をゆっくりと押し倒していく。
「姉ちゃんのおま×こ見せて。俺が気持ちよくしてあげるから」
「うん。健司……、私のおま×こ舐めてぇ……」
妖艶な有希の声が、静かな室内に染み渡っていくのであった――。
〈続く〉
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