連載官能小説『エルフにエッチを教えたらあっという間に人気になれました』第1回
「危ない!」
怒声が響き渡るが、その声は、高校生の楠田洋一には届かなかった。
彼は、トラックに轢かれ、そのままこの世を去ったのである。
(あれ、俺、死ぬのかな……)
意識が遠のき、死を覚悟した。
まだ16歳。あまりにも若すぎた。しかし――。
*
「あの、起きてください。あのぉ」
遠くの方から声が聞こえる。
女の人の声である。但し、聞いたことのある声ではない。
「んんん……、んん……」
唸るように声を上げると、パチッと目が開いた。
そして、目の前にとんでもない美女がいることに気づく。
(うわぁ、凄く可愛い子……、誰だろう? 外国人かな?)
洋一がそう思うのも無理はない。
何しろ、彼の目の前にいる美少女は、金髪碧眼なのである。
「あの、こんなところで寝てると風邪ひきますよ」
「へ? 風邪?」
「はい。朝晩はすっかり寒くなってますし」
洋一は、そこで辺りをキョロキョロを見渡す。辺りは新緑が広がっている。どうやら森の中のようである。
確か、自分の記憶では、横断歩道を渡っていて、その時トラックが突っ込んできたのだ。
(トラックにぶつかりそうになって……、あれ、ぶつかったような気がするんだけどなぁ)
記憶が曖昧である。何というか、オブラートに包まれているような感覚なのだ。
「ねぇ、ここはどこ?」
「は? ここはエルフの里『トリスタニア』ですけど。正確にはトリスタニア城に続く、新緑の森の中です。それで、あなたは人間ですよね。なんでこんなところで寝てるんですか?」
「エルフの里? 何それ? 温泉かな??」
「温泉じゃありません。由緒正しい、神樹が祀られるエルフの代表的な都市、トリスタニアです。人間のあなたが何の用なんですか?」
「あのさ、俺の知識だと、エルフって確か耳が長いんだよね?」
今、目の前にいる美少女は、髪の毛で耳が隠れている。
そのため、耳の長さがわからない。
「はい、そうですけど……。エルフは人間に比べて耳が長いです」
そういうと、美少女は髪をかき上げて耳を見せてくれた。
ピンと尖った耳が露になる。こんな耳をしている人間は、少なくとも日本にはいない。否、世界中にいないだろう。
「コスプレしてるの? そう言えば格好も……」
美少女はローブを羽織っている。ただ、丈が結構短くて、太ももがくっきりと見えている。
「こすぷれ? 何を言ってるんですか? 早く人間の国に帰った方がいいですよ」
「あのさ、俺は日本にいたんだけど、日本の東京って街。ここは何県? 東京都?」
「あなたが何を言っているのかさっぱりわかりません。ここはトリスタニアで、とうきょうとという街ではないですよ」
言葉が通じるのに、なんだか話が全く伝わらない。これは奇妙な感覚であった。
(もしかして、これは異世界転生というヤツでは……)
と、洋一は考えた。
ライトノベルなどで多いシチュエーションである。となると、チート的な力が手に入ったのだろうか?
「うぉぉぉ……」
咄嗟に起き上がり、激しく目の前の大木に突進してみる。
もしもチート的な力が手に入ったのなら、こんな木は簡単に倒せるはずである。
だが――。
「ぐぅぅ……い、痛いぃ……」
勢いよく木にぶつかり、悶絶する洋一。その姿をエルフの美少女が不思議そうに見つめている。
「な、何してるんですか? ひょっとしてあなた、記憶喪失なんじゃ?」
「記憶はあるよ。だけど、俺はどうやら異世界に転生したらしい。となると、この世界で俺が帰る場所はないんだ」
「帰る場所……。ないんですか?」
「うん。多分ね」
「……」
エルフの美少女は黙り込んだ。
そして、何やら考え込むと、スッと声を出す。
「よかったらウチに来ますか? 1日くらいなら泊めてあげられます」
「え? いいの??」
「はい。だって、もう日も暮れるし。何か放っておけないんです」
「ありがとう。じゃあお言葉に甘えて……」
こうして、洋一はエルフの美少女と共に、歩き始めるのであった。
エルフの里『トリスタニア』は大きな城下町である。
(俺が倒れていた場所は、森だったみたいだけど、森を抜けると一気に拓けた街が広がってるよ)
中世ヨーロッパを思わせる、幻想的な街並みに、洋一は心を奪われた。
「私の家はこっちです。あの、あなた目立つんで、これ被ってください」
エルフの美少女は、持っていたバスケットから、ブランケットようなものを取り出すと、それを洋一に被せた。どうやら、エルフの里では人間は目立つらしい。
「ここが私の家です」
案内された家は、石造りの歴史ある佇まいであった。
まるでファンタジー小説の世界に来たような気分になる。
「ご両親はいるの?」
「あなた、エルフのこと何も知らないんですか?」
「ゴメン。よく知らなくて……」
「エルフの繁殖は神樹による奇跡です。つまり、人間のように交わったりしないんですよ」
「へ。そ、そうなの……、じゃあここで一人で暮らしてるの?」
「そうです」
案内された部屋は、一人で住むには少し広いように感じた。
日本風に略すと、大体2DKくらいの部屋である。
「でも、よかったです。無事で……」
「え? よかったってどういう意味?」
「だって、あのまま森に放っておいたら、ダークエルフの餌食になったかもしれないし」
「ダークエルフ?」
「はい。エルフと敵対する種族です。私たちエルフのように神樹を使った奇跡の繁殖ではなく、そ、その、交わって数を増やしてるんです。そうなると、基本的に身体が褐色になり、一目でダークエルフとわかります。それに私たち神聖なエルフを嫌っているんです」
「ふ~ん。あのさ、君の名前は? 俺は楠田洋一。高校生だったんだけど……、まぁ、この世界じゃ通じないか」
「洋一さん……、変わった名前ですね。……私はイリアです。こうこうせいというのがどんな職種なのかわかりませんが、私は王国で働いています」
「へぇ、大変だね。でもさ、一人で暮らしていて寂しくない? こんなに部屋が広いのに」
「いえ、大丈夫です。ゆっくりできて嬉しいくらいですよ」
その後、洋一はイリアを一緒に夕食を食べ、物置となっている部屋を貸してもらい、そこで休むことになった。
(イリアさん。イイ人だな。年齢は多分俺とあんまり変わらないのに、凄く優しい人だ。異世界に転生したみたいだけど、イリアさんみたいな人がいれば、何とかなるかな……)
と、そんな風に漠然と考えていた。
ふと、部屋が静まり返ると、隣の部屋から何やら物音が聞こえてきた。
「ん……、んん……、あぁ……」
何やらうめき声のようなものが聞こえる。
(この声はイリアさん? どうしたんだろう? 調子が悪いのかな? もしかして部屋で苦しんでるとか……、そうなったら大変だ!)
そう思った洋一は、すっくと立ち上がり、イリアの部屋に飛び込んだ。
「イリアさん! 大丈夫ですか?」
「んんぁ……、え、えぇぇぇぇl! 洋一さん、勝手に入っちゃらめぇぇぇ」
洋一の前には、あられもない格好でマスターベーションに耽るイリアの姿があった。
「あ、えっと、イリアさん……、俺、てっきり苦しんでると思って……、そ、その、助けなきゃって思って……」
イリアは部屋着である簡素な綿のワンピースを着用していた。しかし、スカートがまくれあがり、女の子の大切な部分がはっきりと見えている。
(い、イリアさんのおま×こ……。お、俺、初めて見た……)
洋一は童貞である。同時に、女性器を見た経験がない。無修正アダルトサイトなどがあるから、女の淫裂を見るのは、基本的には可能である。ただ、洋一はワンクリック詐欺が怖くて、そういうサイトを覗けないのであった。
「よ、洋一さん、早く出てってくださいぃ……、うあぁぁん。洋一さんに見られちゃったよぉ~」
イリアは声を上げて泣き始めた。あまりの展開に言葉を失う洋一であったが、自身の息子は元気であった。初めて見る女性器を前に、ムクムクといきり立っていく。
(ヤバ! ち×ぽ立っちゃった……、鎮めなきゃ……あぁ、でも無理だ……、だって、こんな美少女がエッチな格好してるんだもん。もう我慢できないよ)
「い、イリアさん、何してたんですか?」
「な、何もしてないです。それに、洋一さんは何も見てないんです」
「いや、俺、見ちゃいました。そ、その、イリアさんがオナニーしてるの……」
「そんなエッチぃ言葉使っちゃダメなのぉ……。わ、私、そんなこと……、って、えぇぇぇぇぇ~」
そこで、イリアは洋一のある一点にくぎ付けになる。
それは、洋一の股間部。つまりイチモツである。
「よ、洋一さん、そ、その、お股が凄いことになってます……」
「あ、いや、これはその……、つまり……、ええと、すみません」
「もしかして、興奮してるんですか?」
「……は、はい、興奮してます……、そ、その、俺童貞なんです」
「童貞って言うのは、人間やダークエルフの言葉ですね。つまり、一度も異性と交わったことのない純潔を指す言葉」
「そうです。あ、あの、イリアさん、もしも欲求不満なのなら、俺が相手しますけど……」
頭が沸騰している洋一は、とんでもない言葉を放った。
当然イリアは驚く。あたふたとしながら、洋一を見つめる。
「な、何言ってるんですか……、そ、そんな……、ダメです! エルフが交わったら、ダークエルフに堕ちてしまいますぅ」
「大丈夫ですよ……。俺、エルフじゃないし……。それに、イリアさんのこんな姿を見たら、もう我慢できないんです……」
洋一はスッと歩みを進め、イリアに近づいた。
イリアはビクッと身体を震わせたが、彼女も興奮しているのであろう。すんなり洋一を受け入れる。
「イリアさん、俺におま×こ舐めさせてください……」
「おま……、そんな卑猥な言葉使っちゃダメですよ」
「じゃあ何て言えばいいんですか?」
「言っちゃダメなんです」
「まどろっこしいから、おま×こでいいです。とにかく俺におま×こ弄らせて……、お願いします」
必死に懇願する洋一。その熱量の高さを感じ取ったのか、イリアも断るに断れなくなる。
「で、でも、そんなことしたら、私ダークエルフになってしまいます。もしも、そうなったら王国で働けない……」
「どうなるとダークエルフになるんですか?」
「そ、その、つまり、男女の交わりをすると、肌の色が褐色になってしまうんです。それを、エルフの世界では、ダークエルフに堕ちるといいます。だから、私は男性とは交われません。これはエルフの世界の掟なんです」
「あの、俺はこの世界に人間じゃないんです。だから、多分だけど、エルフの掟を破ることにはなりませんよ」
「え? どうしてですか?」
「俺、エルフの掟は詳しく知らないですけど、多分、この世界に生きている人のための掟でしょ。でも、俺はこの世界の人間じゃない。だから、俺と交わっても掟に反することになりません」
かなり強引な持論であったが、イリアはその考えも一理あると思ってしまった。
男女で交われない。つまり、エルフは厳しい禁欲生活を強いられている。そうなると……、
「私、エルフ失格かもしれません」
「なんでそんなこと言うんですか?」
「だって、隠れて自慰行為をしちゃうから」
「我慢してるからですよ。反動でオナニーしたくなっちゃうんです。だから、今日は俺が助けてもらったお礼に、イリアさんを気持ちよくしてあげます」
「あ、あの、約束してください」
「約束?」
「はい。つまり、私の性器を弄るだけにしてください。男性器を挿れてはいけません」
「わかりました。約束は守ります。おま×こ弄るだけです……」
「そ、それなら、いいですよ。そんなに男性器を大きくしてたら、きっと辛いでしょ? 私の性器を弄って鎮まってください」
イリアは男女で交わったことがないので、男のリビドーをよく理解していなかった。
自分のあそこを触らせれば、それで興奮が鎮まるのと思っていたのである。
「イリアさん、じゃあおま×こ弄りますよ……」
洋一も、イリアの性器を触るだけで終わると思っていない。
だが、あまりにもあの女の淫裂が強烈だから、あえてそのように従ったに過ぎないのだ。
「はぁん♡ わたし、エルフの掟に逆らってる……」
「大丈夫です。俺はエルフじゃないし、この世界の人間じゃありませんから。だから、掟を破ったことにはなりませんよ」
洋一は、イリアの女壺に手を伸ばしていくのであった――。
〈続く〉
コメント