連載官能小説『喫茶グーテンベルク』第2回
翌日――。
午前十時。
ムクッと起き上がった学は、洗面所で顔を洗いヒゲを剃った。
その後、軽く食事を済ませて、すぐに家を出たのである。
彼の自宅からグーテンベルクまでは徒歩で十五分ほどだ。
起きるのがギリギリになってしまったため、学は慌ててグーテンベルクに向かった。
午前十時半。
グーテンベルクにやってきた学は、店の中に入った。
すると、カウンターに由美子がおり、忙しそうに開店準備をしていた。
「あ、学君、おはよう」
「はい、おはようございます」
「そしたらお店の開店準備をするから手伝ってくれる?」
「はい。わかりました」
こんな風にして、学の新生活はスタートしたのであった。
仕事を始めてから数日後――。
仕事にも慣れてきた学であったが、変転後の掃除を終えて帰宅した時、職場にスマホを忘れたのを思い出し、取りに戻ったのである……。
既にグーテンベルクの入り口は閉まっている。
だから、裏口から入るのである。
ここは、主に従業員用の出入り口になっており、キッチンスペースと繋がっているのであった。
裏口からキッチンスペースに入ろうとする学。
すると、中から何やら声が聞こえてくるのがわかった。
「んんぁ、あぁん」
(あれ、何だろう? キッチンにまだ由美子さんがいるのかな?)
ドアノブをひねると、鍵がかかっていなかった。
つまり、まだ由美子がいるのだろう。
これでとりあえずスマホは取りに戻れる……。
と、ほっと胸をなでおろす学。
しかし、中か聞こえてくる声は、妙に艶っぽく聞こえるのであった。
(この声、何かエッチだな)
と、学は考えながら、そっとキッチンに入っていった。
すると――。
「あぁん、んん、ハァハァ、ダメよ、学君……」
由美子が自分の名前を呼んでいる。
一体なぜだろうか?
スッとキッチンスペースを覗いてみる。
途端、衝撃的な光景が目に飛び込んできた。
なんと、由美子は自分の手指を使ってマスターベーションをしていたのである。
(え? 由美子さんがオナニーしてる)
由美子はグーテンベルクの制服であるパンツスーツのスラックスを下ろし、足を開いて自慰にふけっているのであった。
その姿は、かなり妖艶であり、学を興奮させていく。
(ゴクリ)
生唾を飲み込む学。
彼は、見てはいけないものを見たような気がした。
由美子のあられもない格好を見て、自身の肉竿がビクンと反応していくのであった。
実を言うと、学は二十六歳になるのであるが、今まで女性と付き合った経験がない。
つまり――。
彼は、未だに童貞なのであった。
それ故に、由美子の淫らなマスターベーションを覗き見て、興奮してしまったのである。
対する由美子は、学に見られているとは、まったく気づいていない。
情欲の赴くままに、手指を動かしていく。
「ダメだったらぁ。学君。こんなところ誰かに見つかったら。それに私は夫もいるのよ……」
どうやら、由美子は学に無理矢理されているところを想像して、マスターベーションにふけっているようである。
そんな姿を見ながら、学は彼女の夫がいる事実を知ったのであった。
(由美子さん。結婚してるんだ……)
それは、グサリと心に突き刺さった。
なぜなら、学は心のどこかで由美子に憧れていたのである。
「んんぁ。あぁん。学君のおち×ぽ、大きいわぁ」
由美子は、指をずっぽりと淫裂に突き刺し、シコシコと動かしていくのであった。
女の部分からは、たっぷりと蜜がふき出し、全体的にヌメヌメしているように見えた。
(あれが女の人のおま×こ)
もちろん、童貞である学は、女性器を見た経験だってない。
少し距離があるので、ハッキリとは目視出来ないが、性器はキレイなピンク色をしており、どこか卑猥に見える。
食い入るように視線を送る学。
だが――。
(ダメだ、見ちゃダメだよ……。こんなのいけない)
そう思い、彼は見なかったことにして立ち去ろうとした。
しかし、慌てていたため、目の前にあった椅子に気づかず、躓いてしまったのであった……。
ドタン。
「誰?」
慌てふためく由美子も声が聞こえる。
見つかってしまった。
学は正直に姿を現す。
「す、すみません、俺です」
「学君……。もしかして、今の見てたの?」
「は、はい。見るつもりはなかったんです。ただ忘れ物を取りに来ただけで」
「そう、見られてしまったのね。なら仕方ないわ。ねぇ、こっちにいらっしゃい」
「え?」
「いいから、こっちに来て、早く」
言われるままに、キッチンの奥に向かう学……。
すると――。
「私、あなたを考えてオナニーしてたの。わかる?」
「お、俺、何も見てないですから」
「そんなこと言ってもダメよ。あなたは私の秘密を知ってしまった」
「クビってことですか?」
「違うわ。こうするのよ」
と、由美子は言うと、なんと学の唇を奪ったのである。
「んちゅ、ちゅちゅ……」
(え、由美子さん、何を)
と、感じる学。
彼が混乱した頭で何が起きたのか考えていると、
「これであなたも共犯よ」
キスを終えた由美子はそんな風に呟いた……。
「共犯?」
「そう。私が結婚してるのは知ったわね?」
「はい、そう言ってました」
「だからこれは不倫よ。つまり、犯罪行為なの」
「それはそうかもしれないですけど」
「それにね、これだけで終わらないんだからね」
「え?」
学が驚くのも無理はない。
なんと、由美子はスルスルと学のズボンを脱がしていったのである。
「ちょっと何をするんですか? 由美子さん……」
「いいから黙って。いうことを聞きなさい。あなたは私の部下でもあるんだから」
「部下ってそうだったんですか?」
「そうでしょう。だって私はあなたの契約者であり、このお店のオーナーなんだからね……」
ズボンだけでなく、ボクサーパンツをも脱がされた学であったが、ペニスは勃起していた。
それはそうだろう。
なぜなら、由美子の淫らな姿を見てしまったのだから。
「おちん×ん、大きくなってるわね。これはどうしてなのかしら?」
「そ、それはその、だって由美子さんがオナニーしてるのを見てしまったから」
「私のオナニーを見て興奮したのね。ウフ、あなたって可愛いわ。私で興奮してくれるなんて、嬉しいじゃないの」
由美子はそう言うと、ペニスを握りしめた……。
そして、シコシコと上下に動かしていったのである。
「ん、くぁ」
学自身、こんな風にして他人にペニスを弄られるのは初めてである。
何しろ、彼はマジメなところがあるので、風俗の経験さえないのだ。
だからこそ、憧れの由美子にペニスを扱かれて、途轍もない快感を覚えていったのであった。
「どう、気持ちいい? 学君??」
「はい、気持ちいいです」
「ねぇ。あなたって彼女とかいるの?」
「いません」
「じゃあ、どうやって性処理をしてるの?」
「そ、それは、その……」
「教えなさい。私はあなたの上司なの。だから、あなたのことを把握しておく必要があるわ」
理論は滅茶苦茶であったが、興奮していた学は、どこか納得してしまった。
「えっと、オナニーしてます」
「じゃあ、お店とか行ったりするの?」
「それはしないです。実は俺、童貞なんです……」
「何ですって。だってあなた、二十六歳でしょう。今まで付き合った女性はいないの?」
「はい、いません。恥ずかしながら、童貞なんですよ」
「そうだったのね。それなら、それでいいわ……」
何がいいのかわからないが、由美子は手コキのスピードを少しずつ速めていくのであった。
「おち×ぽの先っぽからエッチなお汁が出てきたわね」
「はい、我慢汁です」
「ウフ、可愛いわ。本当に、私で興奮してくれるなんて。だって、私なんて、あなたから見たらもうオバサンでしょう。何しろ、三十八歳なんだから」
「由美子さんはオバサンじゃないですよ。すごくキレイなお姉さんです」
「あら、童貞のクセにお世辞なんて言うのね……」
「お世辞じゃないです」
「ホントに私がキレイだって言ってるの?」
「はい、そうです」
「そう、そうしたら、もっとサービスしてあげないとね」
〈続く〉
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