告白手記『家庭教師』第1回
私は、いわゆるブラック企業に勤めていたのですが、精神を病んでしまったため、退職しました。
無職になった私を待っていたのは、家庭教師という仕事でした。
仕事を辞めてから最初の数週間は、リラックスしてすごせていたのですが、あまりに長く休んでいると、どうしても気分が焦ってしまうのです。
そこで、近所の高校生の勉強を教えるということになり、私は家庭教師になりました……。
「こんにちは、優希君。私は眉村冴子。年齢はナイショよ。これからあなたの英語を教えます」
私が教えることになったのは、佐々木優希君という高校三年生です。
一応大学進学を希望しているらしく、みっちりと教えてもらいという両親の希望がありました。
私は大学時代、英文科を出ているので、それなりに英語には自信があります。
高校生くらいの英語であれば、問題なく教えられるでしょう。
ただ――。
「めんどくせぇー」
家庭教師として優希君を教える初日、彼はそんな風に呟きました。
どうやら、優希君はあまり勉強が好きではないようです。
「とりあえず教科書を開いて。さぁ、やってみましょう」
「冴子先生。俺、英語が苦手なんです。全然よくわからないから」
「そうなの。でも大丈夫。基本的なことから教えてあげるから」
「うん。だけど……」
優希君の英語力は、正直に言うと全然ダメでした。
高校一年生レベルの基礎ができていないので、応用が全く効かないのです。
それでも、少しずつ勉強を進めました。
すると、優希君も慣れてきたのか、段々朗らかになっていきます。
そして――。
「ねぇ冴子先生。先生っておっぱいが大きいですよね?」
「な、何を言っているの急に」
「いや、すごく大きなって思って」
「とにかく勉強に集中しなさい。まったく何を考えているの」
「あの、先生、一つ提案があるんです」
「提案?」
「はい。今日の勉強が終わったら、ご褒美におっぱいを見せてください。そうすれば、俺もっとやる気になります」
「そ、そんなこと」
私はどうするべきか迷いました。
優希君にはやる気を持ってもらわないとなりません。
そうしないと、大学進学は難しいでしょう……。
また、仮に優希君が大学受験に失敗すると、教えた私の責任問題にもなりかねないのです……。
「冴子先生、お願いです。ちょっと見るだけでいいですから」
「だけど、そういうのってやっぱりよくないわよ」
「でもそうしないと、俺やる気にならないんです。生徒のやる気を挫くんですか?」
「そう言うわけじゃないけど」
「なら、約束してください。勉強が終わったら、おっぱい見せてください」
「見るだけよ。ホントに見るだけだからね……」
「もちろんです」
「じゃあ、勉強が終わったら少しだけ見せてあげます。だから、ちゃんと勉強するように……」
私は流されるままに、そのように約束してしまいました。
すると、優希君はウキウキしながら勉強を始めます。
やがて、授業時間が終わり、次の授業の説明を終えると、優希君が言いました。
「冴子先生、約束覚えてますよね?」
「う、うん。でも、ホントにするの?」
「当たり前じゃないですか? ここで裏切られたら、俺もうやっていけません」
「見るだけよ、それにちょっとだからね」
私は仕方なく、上着を脱ぎ、ブラウスのボタンを外して、その隙間から胸の谷間を見せました。
優希君も言うとおり、私は胸が大きい方です。
Eカップあるので、とにかく肩がこってしまいます。
「ほら、これでいいでしょ?」
「ダメですよ。ちゃんと見せてくれないと」
「どうしたらいいの?」
「ブラウスを脱いで、ブラジャーを外してください。そうして、完全におっぱいを見せてください」
「え、でも誰か来たら……」
「大丈夫ですよ。勉強の時間は、親は来ませんし。第一、今は誰もいませんから」
私は仕方なく、ブラウスを脱ぎました。
「先生のブラ、可愛いですね。もっとセクシーなのも似合うような気がしますけど」
「お、大人をからかわないの」
「すみません。とにかく、ブラを外しておっぱいを見せてください。これは約束ですからね」
優希君は本気でした。
私は仕方なくブラを外し、たわわな乳房を露出させました。
だけど、恥ずかしいです。
咄嗟に私は胸を手で覆い隠しました。
「冴子先生、手をどけてください」
「でも見えちゃう……」
「見せてくれるって約束ですよ。約束を破るのは違反です」
そう言うと、優希君は強引に私の手を振りほどきました。
「きゃぁ、ちょっと、何をするの」
「冴子先生のおっぱいを見せてください」
「こ、こら、もう、止めなさいったら」
「やっぱり、先生のおっぱいって大きいですね。俺、女の人の胸って始めてみましたよ……」
「ほら、見たでしょ。ならもう満足じゃないの?」
「あの、ちょっとだけ触らせてもらえませんか?」
「触る? それは約束とは違うわ」
「いいじゃないですか? ちゃんと勉強しますから」
「ホントに勉強するのね?」
「もちろんです。テストも頑張りますし、大学受験だってばっちりなはずですよ」
なぜか自信満々に優希君は言いました。
彼がやる気になっている。
なら、胸を少し触らせるくらいいいかもしれない。
私はそんな風に考えました。
「じゃあ、ちょっとだけよ」
「うわぁ、ありがとうございます」
心底嬉しそうに、優希君は私の乳房に触れました。
その触り方は、初々しく、私をドキッとさせます。
「うぉ、これがおっぱい、かなり柔らかいんですね」
「ほら、もう終わり。これで満足しなさい……」
「ちょっと待ってください。まだですよ。まだ……」
「まだって、ちゃんと約束を守ってくれないと」
「わかりました。今日はこれで止めます。ただ、毎回授業が終わったら、ご褒美の時間をください」
「え? ご褒美の時間?」
「そうです。毎回授業が終わったら、エッチなご褒美が欲しいんです」
「そんなのダメよ。だって、私は先生で、あなたは生徒なのよ」
「でも、ここには俺たち以外誰もいません。だから、黙っていれば問題ないと思いますけど。お願いします。何か目標があると、俺頑張れるんです」
優希君の言葉は、本気でした。
私はどうするか迷います。
ここで断るのは簡単ですが、そうすると、私は再び仕事を失ってしまうでしょう。
それはイヤでした。
少しエッチなことをするだけで、優希君のやる気が出るならば、それでいいではないか?
そんな風に思えました。
「わかったわ。してあげるけど、絶対に秘密だからね」
「もちろんです。二人だけの秘密です」
こうして、私たちは奇妙な密約関係になったのでした――。
〈続く〉
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