連載官能小説『欲しがり妻と肉欲関係』第1回
宅配ピザのドライバーをしている相田正和は、少し方向音痴なところがある。
だから、よく道に迷い、ピザの宅配が遅れてしまうのであった。
今日も、新しいお客様から依頼で、ピザを届けるために、バイクに乗っていたのだが、案の定道に迷ってしまった。
その結果、ピザの宅配が遅れてしまったのである。
ピザを頼んだのは、市村由紀子という三十五歳の女性であった。
なかなか豪奢なマンションに住んでおり、正和は少し入るのに躊躇してしまった。
エントランスに入ると、中に入るために、由紀子にトビラを開けてもらう必要がある……。
「あの、ピザの宅配です。すみません、遅れてしまって」
と、おずおずと告げる正和。
すると、由紀子は、
「少し遅いんじゃないの? 頼んでから一時間は経っているわ」
「少し道に迷いまして。ホントすみません……」
「とにかく上がってきてちょうだい」
由紀子の家は、最上階のようであった。
このマンションは、十階建てであり、当然であるがエレベーターはある。
それに乗り、十階まであがると、ようやく由紀子の家が見えてくる。
息を整えて、インターフォンを押す。
すると、コチラに向かってくる足音が聞こえ始めた。
「遅いわ。一時間は待ったわよ」
「すみません」
「頼んでから一時間以内に届けてくれるんじゃなかったの?」
「そうなのですが。す、すみません」
正和は困惑したような顔を浮かべた。
そして、チラッと由紀子の顔を覗き見る……。
由紀子は起こっているものの、美しい顔立ちをしていた。
もしかすると、女優と言っても通用するかもしれない。
(あ、キレイな人だな)
と、正和は感じていた。
「ちょっと、あなた聞いてるの?」
「は、はい、聞いてます」
「上の空みたいだったけど」
「いや、そ、その、キレイな人だなって」
と、正和は正直に告げていた。
すると、由紀子が驚いた表情をむける。
「お世辞を言ったってダメよ。一時間以内に届けなかったらお代は入らないんじゃないの?」
「えっと、そうなですけど、ダメですか?」
「お金を払ってもらいたいのね。そうしたら、少し手伝ってくれない?」
「手伝う……ですか?」
「そう。ピザを食べる分と保存する分に分けてほしいの。お願いできる? それが上手くできたらお代は払うわ」
「もちろんです。やらせてください」
こうして、正和は由紀子の部屋に上がることになったのである。
「女ひとりなのに、ピザを頼むなんて、おかしいと思ったでしょ? でも一応結婚はしてるのよ」
「いえ、そんなことは……」
由紀子は、既に結婚している。
しかし、夫婦関係は冷めきっており、ストレスの多い日々を送っていた。
だからこそ、こうして一人でピザを食べるなどして、ストレスの発散をしていたのである。
「あなたも少し食べる?」
と、由紀子にピザを勧められる。
食べたい気持ちはあるが、今は就業中である。
「いえ、僕は大丈夫です」
「そう。なら、半分はラップをして冷凍してくれる。そうすれば食べたい時にチンだけでいいから」
「わかりました」
言われた通り、ピザを半分にカットし、一つずつラップに包んでいく。
それを冷凍庫にしまっていると、由紀子はピザを一枚だけ食べた。
ピザソースとチーズのいい香りが漂っていく。
「それじゃ僕はこれで、あと、お代をお願いします」
「そうだったわね」
しかし、由紀子は動かない。
彼女はひざ丈のスカートを穿いていたが、座った時、足を閉じるのではなく、やや開いていた。
そのため、大事な部分が見えそうになっている。
(あぁ、パンツが見えそうだ)
と、正和は感じていた。
しかし、あまり凝視はできない。
とはいうものの、彼は健康な男子である。
女性のエッチな姿を見て、イチモツがムクムクと隆起してきたのであった。
「どうかしたの?」
「いえ。早くお代を」
咄嗟に、正和は股間部を押さえた。
勃起していることがバレたら、何だかいけないような気がしたのである。
「どうしてそんなところに手を当てているの?」
「そ、それはその」
「手をどけなさい」
「できません」
「そう。ならお代は払わないわよ。それでもいいの?」
「それは、ダメです」
「なら手をどけて」
渋々正和は手をどけた。
すると、股間部がテントを張ったように盛り上がった。
その光景を見た由紀子は、ニヤリと不気味な笑みを浮かべる。
「どうしてこんなことになっているの? あなた、仕事中でしょ?」
「そ、それはそうなんですけど」
「女性の家にあがっただけで、股間をそんな風にするなんて、あなたどうかしてるわ」
「す、すみません」
正和はしょんぼりとしてしまう。
確かに勃起したのは事実である。
ただ、それは由紀子のせいでもあるのだ。
彼女が、下着が見えそうなくらい足を広げたから、あそこが 反応してしまったのである……。
「変態なの? あなた」
「いや、僕はいたって普通です」
「普通の子は、女性の家にあがったくらいで勃起したりはしないわ」
「と、とにかく早くお金を払ってください。僕、仕事に戻らないと」
「わかってるわ。その前に、ちょっとチェックさせて」
そう言うと、由紀子は正和の前までやって来て、しゃがみ込んだのである。
「何をするんですか?」
「ちょっと、股間をこんなに大きくして……、まったく何を考えているんだか」
と、由紀子は全く聞く耳を持たない。
彼女は、何を思ったのか、スッと正和のズボンを脱がしたのである。
ボクサーパンツまで脱がされてしまったため、勢いよくペニスが屹立する。
「ちょ、マズいでしょ。こんなの……」
「黙りなさい。あなたに拒否権はないのよ……」
それは威圧するような声であった。
仕方なく正和は黙り込んだ。
「こんなにあそこを大きくして。いやらしいったらありゃしないわ」
「……」
「ちょっと味見させてもらうわよ」
「え、味見って」
正和がすべてを言う前に、由紀子をイチモツを咥えこんだ。
「んじゅ。あなたのおち×ぽ、何だかいやらしい香りがするわ。なんだろう。石けんとオイルが混じったような。独特の香り」
「洗っていないからですかね?」
「それもあるかもしれないけれど、そうじゃないわね。とにかく興奮させる香りよ」
そう言い、由紀子はしゅぼしゅぼとと音を上げながらフェラチオを開始したのである。
その快感はすさまじく、正和は、これが現実なのか夢なのかわからなくなった。
と、その時であった。
突如、正和のスマホが鳴り響いたのである……。
恐らく店からであろう。
あまりに帰りが遅いから、催促の連絡が入ったのである。
ピザの宅配の仕事は、意外に忙しい。
一軒の配達に、こんなに長々と時間をかけられないのである。
「電話。出ないと……。それに仕事中だし……」
あまりに気持ちいいから、このまま続けてもらいたい気持ちもある。
ただ、そこは理性を何とか保って拒絶した……。
「仕方ないわね。今日はこれで許してあげるわ」
と、由紀子はやや不満そうだったが、彼を解放した。
「あと、お代を……」
「わかってるわ」
結局、由紀子はお代を払ってくれた。
それを受け取った正和が、帰ろうとすると、玄関で由紀子に呼び止められる。
「ちょっと待ちなさい。あなた名前は?」
「相田です。相田正和っていいます」
「そう、正和君っていうのね。今度から、あなたをピザの宅配に指名するから」
「指名なんてできないと思いますけど」
「そんなのやってみないとわからないでしょ……。とにかくまた呼ぶからね」
由紀子は高圧的にそう告げた。
正和はとりあえず頷いておき、その場を後にした。
ピザ店に戻ると、帰りが遅いと叱責されたのは言うまでもない――。
〈続く〉
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