告白手記『調教をせがむ美熟女』第1回
私は、小さな骨董屋を営んでいる四十歳の男性です。
仕事柄、骨董品の買い取りに行くのですが、そこである経験をしたことがあります。
その時の話をここでしたいと思います。
それは、秋が深まり、冬の訪れが感じられる、肌寒い一日のことでした。
その日、私はある富豪の自宅に美術品の買い取りに行ったのです。
その富豪は、界隈では有名な資産家の一族であり、豪奢な日本家屋で暮らしているのでした。
邸宅の前には、立派な門があり、そこをくぐると広々とした庭園が広がります。
日本庭園です。
池を中心に、土地の起伏を活かした構成になっています。
また、築山が築かれており、さらに、自然石として庭石や草木を配しているようです。
季節は秋ですから、秋らしい雰囲気のある庭園が広がっていました。
その庭園の奥には、大きな蔵があります……。
今時、蔵のある邸宅を持っている人間は、かなり稀有でしょう。
私自身、骨董品を扱っていることもあり、蔵には何度か入った経験がありますが、その中でも、かなり立派な作りであると感じました。
邸宅のトビラの前に、一人の女性が立っています。
私はその女性に軽く会釈をしました。
なんというか、神々しい容姿をしているのです。
年齢は、恐らく三十代前半というところでしょう。
しかし、もう少し若くも見えます。
江戸小紋が素敵な着物を着用しており、髪の毛はアップにまとめてあります。
「お待ちしておりました」
と、女性は言いました。
この女性は、今回の依頼主である桐生雅子さんでした。
雅子さんは、この邸宅の主であった桐生正和氏に嫁いだのですが、正和氏が病気で夭折してしまったのです。
正和氏は、界隈でも有名な骨董品の蒐集家であり、その数は専門家も舌を巻くほどでした……。
壺、掛け軸など、色々な美術品を蒐集されているのです。
しかし、雅子氏はその価値がわかりません……。
夫を喪い、遺品整理する必要があります……。
そこで、私のような骨董品屋の主に、買い取りの依頼があったというわけです。
早速、私は邸内に案内されました。
邸内も素晴らしく豪華な作りであり、立派な日本家屋です。
軒下に設けられる縁側は、かなり解放感があり、そこから庭園の様子が垣間見えます……。
それを見ると、どこかノスタルジックな気持ちになるのでした。
私は、正和氏が蒐集した骨董品を見せてもらいました。
その数はかなりの量で、どれも本物のように見えたのです。
私は速やかに骨董品の品定めをします。
どれも立派な作りであり。書や壺なども、有名な作家が作ったものばかりでした。
ざっと計算するだけで、すべて合わせると数千万円以上の価値があるでしょう。
「本当にすべて売ってもよろしいのですか?」
と、私は確認しました。
これだけの美術品をすべて売ってしまうのはもったいないような気がしたのです。
しかし、雅子さんはこれがあると夫を思い出すので売りたいと告げました。
そうなれば、後は骨董品を持ち出し、本格的な買い取りに入ります。
大型の契約になるので、私も張り切っていました。
あらかた品定めを終えて、見積もりを出すと、雅子さんが意外なことを言いました。
「あの、この後少しお時間宜しいですか?」
と、告げ、私を庭園の脇にある蔵に連れていったのです。
蔵にも骨董品が眠っているのでしょうか?
私たちは、蔵の中に向かいます。
巨大な観音開きのトビラをくぐると、ひんやりとした空気がカラダを包み込みました。
蔵の中は、静寂に包まれています。
そして、雅子さんは奥の部屋の方に私を案内したのです。
そこで、私は驚きの光景を目にします。
なんと、奥の部屋には、三角木馬やロープ、ロウソクなどが置かれていたのです。
それはまるで拷問部屋のようでした。
私は、驚きながら、雅子さんを見つめます……。
「こ、これは……」
私は開いた口が塞がりません。
すると、雅子さんは恥ずかしそうに言いました。
「亡くなった主人の趣味なんです」
聞けば、正和氏はサディスティックなところがあり、雅子さんを虐げては楽しんでいたようです。
夫婦の営みには、色んな楽しみ方があります。
しかし、まさかSMプレイとは……。
目の前に立つ爛熟した未亡人、雅子さんは、美人ではありますが、至って普通に見えます……。
しかし、まさかSMプレイで虐げられていたとは驚きです。
突然、私は雅子さんが妖艶な性奴隷のように見えました。
私が唖然としていると、さらに雅子さんは言ったのです。
「こんなことお願いするのは変な話なのですけど、あなたのことを一目見て、亡き夫によく似ていると感じてしまったのです。ですから、お願いです。私を虐げてもらえませんか?」
その発言を聞き、私は言葉を失いました……。
私は普通の性癖を持つ、至って健全な中年男性です。
SMプレイには、全く知識がありません……。
ですが、うっとりと私を見つめる雅子さんの瞳は、どこまでも私を惹きつけます。
この時、私のペニスは熱く反応していました。
中年を迎え、勃起力も衰えてきたところですが、今回は違うようです。
私は、激しく欲情していました。
「その、私はこういうプレイに知識がないのですが」
「それはわかっています。ですが、縛って目隠しをして虐めてほしいんです」
「まぁ、そのくらいなら。本当にいいんですか?」
「はい。お願いします」
ひっそりと、蔵の中は静まり返っています……。
彼女が言うには、この蔵には誰も足を踏み入れないから、人に見られる心配はないのだそうです。
雅子さんは、棚からロープを取り出しました。
縄というと、ホームセンターで売っているようなビニールテープを思い浮かべますが、彼女が用意した縄は、かなり本格的です。
網目がしっかりしており、強度も強いようでした。
雅子さんは和服を着ています。
これから淫らな行為をするのであれば、着物を脱ぐ必要があるでしょう。
和服は動きを著しく制限するので、緊縛プレイには向かないような気がしたのです。
私は、雅子さんに着物を脱いでもらうことにしました。
彼女は言われるままに、着物を脱いでいきます。
可憐な印象のある江戸小紋の着物を脱ぐと、下は白の長襦袢でした。
それをも脱ぎ捨てると、彼女は下着姿になりました。
雅子さんの下着は、シンプルな白のセットアップです。
ただ、富豪らしく素材がいいものを使っているようでした。
キレイな光沢があり、繊細なレースの刺繍が所々に施されています。
高貴な印象のある下着だと思いました。
下着菅になれば、縛り上げるのは問題ありません。
縄を受け取った私は、とりあえず雅子さんの手を縛りました。
骨董品を扱う関係上、よく荷物を縛ることがあるので、縛り方は問題ありません。
ただ、あまり強く縛ってしまうと、痛くなってしまうかもしれないので、あくまでもソフトに縛り上げました。
私が雅子さんの手を拘束すると、彼女はうっとりとした表情を浮かべたのです。
その顔は妖艶さで満ちており、私を興奮させました。
こんな美しい女性を、自由に弄べるなんて……。
嬉しさでいっぱいになりました。
「足も縛ってください」
と、雅子さんは言いました。
私は、雅子さんを床に寝かせると、足首を縛り上げていくのでした。
これで、雅子さんは手足を拘束されたわけです。
自由には動けません。
それに、ここは蔵の中。
叫び声をあげたとしても、外には聞こえないでしょう。
室内は、完全に私と雅子さんだけの世界が形成されていきました。
〈続く〉
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