連載官能小説『隣人は占い師』第2回

連載官能小説

連載官能小説『隣人は占い師』第2回

「何かいい匂い。もしかしてシチューですか?」

「あ、はい、そうです」

「いいなぁ、自炊されて偉いですね。私は、スーパーやコンビニのお弁当ばかりで。エヘヘ……」

これはチャンスではないか?

そう持った雅也は、勇気を振り絞って言った。

「あ、あの、よかったらシチュー食べますか? ちょっと作り過ぎちゃって」

「え? いいんですか? うわぁ、嬉しいです、ありがとうございます」

こうして、関係が生まれた。

なんと、香菜はせっかくだから一緒にご飯んを食べませんか? という話をしたのである。

香菜の家は引っ越し作業が片付いていないので、雅也の家で食事をすることになった……。

 

雅也の部屋は、それなりに片付いている……。

根がキレイ好きであるため、しっかりと整理整頓を心がけているのだ。

部屋の右側には、シングルサイズのベッドが置かれており、中央にはローテーブルがある……。

大抵、このローテーブルを使って食事をするのだ。

ただ、今日は香菜がいる。

そうなると、少し狭く感じるのであった……。

ホワイトシチューを二人分用意し、ローテーブルの上に置く。

それ以外は白ご飯や、レタスや水菜、それにツナを使った新鮮サラダである。

夕食を準備すると、香菜は嬉しそうに微笑んだ。

話によると、こんな風にして、手料理を食べるのは久しぶりのようであった。

ふと、雅也は香菜の方を見つめる。

香菜は、少し大胆な格好をしているのである。

やや大きめなトレーナーに、下はショートパンツだ。

白く透き通るような肌の太ももが丸見えである。

ほっそりとした太ももは、決して細すぎず、適度に肉感がある。

また、鍛えているのだろう。

その太ももは、締まりがあって、変に緩んでいないのだ。

それは、とにかく官能的な光景である。

こんな美女と一緒に食事ができるなんて……。

雅也は嬉しくて堪らなくなった。

二人は、静かに食事を始める。

すると、

「うわぁ、すごく美味しい……、梶田さん、料理がお上手なんですね」

と、感嘆の声をあげる香菜。

これはお世辞ではなかった。

本当に美味しい料理だったのである。

もちろん、女性に褒められて、嬉しくないわけがない。

雅也は、はにかんだ笑顔みせると、ありがとうございますと、一言告げた。

食事も進み、やがてデザートである。

実は、雅也はデザートも手作りしているのだ。

今日のデザートは牛乳寒天ゼリー。

寒天の粉に牛乳を溶かして熱して、砂糖やハチミツなどを加えて甘みを足した後、型に入れて固めたものである。

非常に簡単にできるデザートであるが、これもなかなか美味であった。

あっという間に、香菜はすべてのメニューを平らげ、満足そうな顔を浮かべた。

「ありがとうございます。ご馳走になってしまって」

「いえ、俺はむしろ助かりました。シチューが余ってしまったんで」

香菜も雅也もシチューをお替りしたので、残りのシチューはごくわずかになっていた……。

これなら、無事に保存できるだろう。

「でも、いいんですか? そ、その、俺の部屋に来ても……」

と、雅也はおずおずと言った。

それに対して香菜は、

「いいって何がですか?」

「彼氏さんが聞いたら怒るかなって思って……」

「やだぁ、梶田さん、私彼氏なんていませんよ」

彼氏がいない。

その言葉を聞いて、雅也は嬉しくなった……。

となると、自分にもチャンスがあるのではなかろうか?

そんな風に思ってしまうのである。

「梶田さんこそ、女の子を部屋にあげって彼女が知ったら怒られますよ」

「え、俺に彼女? そんな人いませんよ、俺、誰とも付き合っていないんです」

すると、香菜は相好を崩し、

「フフフ……、私たち似てますね。お互いフリーなんだぁ。私、梶田さんみたいな人が彼氏だといいなぁ。美味しい料理をたくさん作ってくれそうだし」

そう言われると、雅也は莞爾として笑った……。

その後、二人は部屋で語り合う。

その結果、意外な事実が判明するのである。

何と、香菜は占い師だったのだ。

 

 

「私、占い師をしているんです」

と、香菜は言った。

話しを聞くと、彼女は、この街にある大型スーパーの一角を借りて、占い所をすることにしたらしい。

そのために、東京からわざわざ引っ越してきたのである。

まさか、占い師とは……。

雅也は占いとは縁のない生活を送っていたからこの事実には聊か驚いたのであった。

お互いのことを話し合うと、二人は軽くお酒を飲んだ。

普段、雅也はほとんどお酒を飲まない。

しかし、料理で使うことがあるので、色々なお酒が用意されているのである。

ちなみに、香菜はいつも飲むらしい。

好きなお酒はラムだったらが、ちょうどラムは切らしていて雅也の家にはなかった。

料理で使う赤ワインがあったので、それを二人で一緒に飲んだ。

決していいワインではないのだが、二人で飲むと美味しいような気がした。

酒が進み、香菜は少し酔っぱらったようである……。

フラフラとした足取りで立ち上がると、そのまま雅也のベッドに潜り込んだのであった……。

これには雅也も驚いた。

彼はキレイ好きであり、布団やシーツなども定期的に洗濯しているが、それほど頻繁ではない。

恐らく、自分の匂いが染みついているだろう。

そう思うと、何だか恥ずかしくなってしまった。

一方、香菜は布団に潜り込んだまま、なかなか出て来ない。

一体何をしているのだろうか?

このまま寝てもらっては困ると思った雅也は、彼女の布団を剥ぎ取った。

すると、驚愕の光景が目の前に広がったのである……。

なんと、香菜は服を脱いでいたのだ。

つまり、全裸になっていた。

生まれたままの姿で、横になっているのである。

「梶田さん、来てぇ」

と、甘い声で誘う香菜。

いくら酔っているとはいえ、こんなにも大胆になれるのだろうか?

童貞である雅也は、こういう時どう言う選択を取るのがベストなのかわからなかった……。

そのため、場面を凍り付かせるような最悪な言葉を吐いてしまうのである。

「き、君は女性なんだから、慎みを持った方がいいと思うよ。それじゃ軽い女だと思われてしまうし」

すると、香菜の表情がみるみる変わっていく……。

憤怒の表情である。

「酷い! そんなこと言うなんて……。梶田さん最低です。私、誰でもいいからこんなことするわけじゃないのに。相手が梶田さんだから、勇気を出したのに……」

そう言うと、サッと服を着て、そのまま部屋を出ていってしまった。

彼女の残り香だけが、その場に漂い、雅也は頭を抱えてしまった。

(なんであんなことを言ってしまったんだろう)

後悔しても、もう遅い……。

彼女は既にこの場からいなくなってしまったのだから。

〈続く〉



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