連載官能小説 『魅惑の終電逃し』第3回

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連載官能小説 『魅惑の終電逃し』第3回

ゴクリと、彼女の咽頭を駆け巡る音が聞こえていく。

その様子を、茫然としながら浩二は見つめていた。

嬉しい気持ちもあるのだが、恥ずかしさもある。

不思議な感覚であった。

しばらく経ち尽くしていると、ようやくカラダに力が入るようになる。

そして――、

「松本さん、俺の精子を呑んでくれたんですか?」

あまりの衝撃にカラダがついていけない。

ようやく我に返ると、クスッと相好を崩した麗禾が声を発した。

「あなたの精子、とっても濃かったわよ。かなり溜まっていたみたいね。こってりとした感じ」

「ありがとうございます。俺、感動しました」

「それじゃ、もう大丈夫ね。これでスッキリしたはずだから」

そう言うと、浴室から出ていった。

残された浩二は、濃密なフェラチオの余韻に浸っていくのであった。

 

 

シャワーを出た浩二を待っていたのは、妖艶な姿の麗禾であった。

ブラキャミソールに、ショートパンツ。

ほっそりとした二の腕は、女性らしさで満ちている。

また、ショートパンツの裾から覗く足は、適度に肉感があり、柔らかそうであった。

白くツルツルとした肌の質感を見ていると、再び鎌首が擡げてくるのであった。

(こんな格好を見たら、またしたくなっちゃうよ)

と、困った妄想を繰り広げる浩二。

彼がシャワーからあがったのを見るなり、今度は、麗禾がシャワーを浴びるために、浴室に消えていった。

彼は下着を洗濯してもらい、代わりに少し大きめなバスローブを借り受けたのである。

もしかしたら、彼氏のかもしれない。

しかし、彼氏がいたらこんな風に自分を自宅に誘うだろうか?

リビングで一人残された浩二は、悶々とした気分になってしまう。

それはまるで、発情した犬のような気分であった。

(気晴らしに仕事でもするか)

そう考えた浩二は、持ってきたブリーフケースから書類の束を取り出すと、調理器具の企画書を読み始めた。

しかし、なかなか頭に入らない。

右から左にスッと抜けてしまう感じなのである。

その代わり、淫らな妄想が頭の中を支配していく。

今、麗禾が裸でシャワーを浴びているのである。

あれだけの美貌だ。

スタイルも申し分ない。

きっと素晴らしい体躯をしているであろう……。

彼女の裸体を想像すると、ペニスが熱く反応してしまう。

先ほど、たっぷりと射精したばかりなのに、再び血液が集まり、固く隆起してしまったのである。

このような調子で、一晩無事にいられるのであろうか?

そんな漠然とした不安があった。

一つ屋根の下で、男女が一緒に眠るのだ……。

何も起きないほうがおかしいのかもしれない……。

ふと、彼は液晶テレビが置かれている棚の横に、ある写真が飾ってあるのがわかった……。

そこには、麗禾と見知らぬ男性が写っている。

ただ、麗禾の雰囲気が今とは違う。

レースの多用された、ファンシーなロングワンピースを着用しているのである。

おまけに、今よりも大分若く感じる……。

恐らく。四、五年くらいの写真であろう……。

今の麗禾も十分若くて魅力的であるが、どこかシックな印象があるのだ。

ビシッとスーツを着用し、バリバリと働く……。

そんな、大人の女の魅力が満載なのである……。

(ここに写っているのは誰なんだろう?)

と、浩二は気になるばかりであった。

しばらくその場に立ち尽くしていると、後ろに麗禾が立っていた。

そして、浩二の様子を見ながら、

「それ、夫なの」

と、告げた。

夫?

つまり、麗禾は結婚しているのだ。

しかし、社内ではそんな噂は全く聞かなかった。

「松本さん、ご結婚されていたんですか?」

「うん。十年前に結婚したんだけど、五年前に夫は事故で亡くなったの。それからは一人なんだけどね。幸い夫が生命保険をかけていてくれて、多額の保険料が入ったの。それで、何とかやってこれたわけ」

「そうなんですか、会社では全く聞かなかったから」

「そう。内緒にしてもらってるからね。前にいた職場では保険金殺人じゃないかって疑いをかけられたの。それでね、あまり言わないようにしているのよ。だから、伊藤君もこの件は内緒にしてね」

二人だけの秘密ができたような気がして、浩二は何だか嬉しくなった。

しかし、結婚していたとは?

まさに驚きの連続である。

ただ、麗禾はかなりの美貌を誇る。

何しろ、女優みたいなルックスをしているし、スタイルも抜群にいいのだから。

結婚していたとしても、何ら不思議ではない。

ふと、浩二は麗禾の方を見つめる。

彼女は、シンプルな白のバスローブを着用していた。

バスローブの裾から覗く、スラっとした足が妙に艶めかしい。

その姿を見て、浩二はゴクリと生唾を吞み込んだ……。

先ほど、浴室で自分はフェラをしてもらったのだ。

その悦びがカラダ中を支配していくのであった。

「私、髪の毛を乾かしてくるわね。あ、あと、あなたの下着類は洗濯しておいたから、ウチの洗濯機、乾燥機能もついてるから、一時間くらいで乾くわ。その間、バスローブを着ていてね。それ、亡くなった夫のなんだけど、何だか捨てられなくて……、とっておいてよかったわ」

そう言い、麗禾は洗面所へ消えていった……。

洗面所の方から、髪の毛を乾かすドライヤーの音が聞こえてくる。

彼女は、未だに夫が亡くなったことに対して、ショックを受けているのだろうか?

と、浩二は考えていた。

しかし、考えたところでどうなる問題でもないだろう。

彼は、再び書類に目を向けた――。

 

 

とはいっても、全く仕事にならなかった……。

目の前には、妖艶な姿をしている麗禾が座っているのである。

彼女のことが気になり過ぎて、仕事にならないのであった。

「どうしたの? さっきから全然進んでないみたいだけど」

この時、麗禾も一緒に仕事をしていた。

彼女も新商品である圧力鍋の企画書をまとめ上げているところであった。

既に時刻は午前二時を回っている。

流石にもう寝た方がいいのかもしれない……。

徹夜は能率を落とすし、作業の質も低下してしまうだろう。

恐らく、麗禾もそう思ったようである。

彼女はすっくと立ちあがると、大きな伸びをした。

麗禾はバスローブ姿から、ブラキャミソールと、ショートパンツという軽装になっていた。

そして、カラダを大きく伸ばした時、ブラキャミソールが捲れて、彼女の可憐なお臍が垣間見えた。

その姿を見て、浩二はドキッとしてしまう……。

あまりにも魅惑的であり、牡の心を刺激するのである。

麗禾はカラダを伸ばすと、徐に言った。

「伊藤君、そろそろ寝ましょうか?」

「そ、そうですね。大分疲れましたし」

「寝室に案内するわ」

「俺はここでもいいですよ。流石に一緒に寝るのは……」

「私の家ね、ベッドの他に布団がないのよ。ここで寝て風邪を引いたら困るわ。だから大丈夫。一緒に寝ましょう」

と、麗禾は言った。

社内のマドンナである麗禾と一緒に寝られる。

これを他の男性社員が聞いたらどう思うだろうか?

彼は、寝室に案内された。

寝室もリビングと同様で広々としている……。

ただ、全体的に物が少ない。

部屋の中央のベッドが置かれており、後は小さな棚があるくらいだ。

ベッドもシングルサイズだから、ここで、二人で寝てしまうと、かなり密着するだろう……。

「夫が亡くなってからね。このマンションに引っ越したの。前住んでいたところは、ファミリー向けだから広くてね。それに、夫がどこかにいるような気がして、耐えられなかったのよ」

と、麗禾は言った。

その口調は、どこか寂しそうでもある。

普段バリバリと働いている麗禾とは、全く違う表情であると感じた。

同時に、こんな大切なことを、自分に教えてくれて、浩二はどこか嬉しくなった。

〈続く〉



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